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「源氏さん!有翔ちゃん!どこですかー!?」
もう周りの目なんて気にしていられず、大声を出しながら二人を探す。
恐らく電車で離れ離れになったから駅にいると思うんだけど、もし二人が電車に乗りっぱなしだったとしたら本当に見当がつかない。
「はあ、はあっ……とりあえず駅まで来たけど……ここで見つからなかったらどうしよう……」
とりあえず一旦帰宅して神々廻さんに報告した方がいいかもしれない。あたしがそう考えたその時だった。
「吉野様、俺はここに居ますよ」
「ふえっ!?」
突如、上から声が降ってきたかと思うと、はぐれた筈の源氏さんがふよふよと浮いていた。
「も、もしかして、ずっと側に居た……とか?」
「いえ、電車ではぐれた有翔さんを探していましたので。先程戻ったばかりですよ」
「そ、そうだったんですね。それで、有翔ちゃんは?」
あたしが問い掛けると、返ってきたのは無言だった。どうやら見つけることが出来なかったらしい。……まあ、ヨロズ荘の場所は分かってるだろうし、大丈夫……だよね?
「……それより、学校はもういいのですか?」
「はい。とりあえず今日は終わったので」
「そうですか。楽しめそうですか?」
「うーん、なんか皆都会の人って感じで緊張したけど……でもあんまり話しかけられなかったなって」
「それは、不思議ですねえ。転校生というものは囲まれて質問責めにされて、クラスの人気者だと俺は聞いていたのですが」
確かにそれはあたしも思っていた。もう少し色々聞かれるものかと思っていたのに拍子抜けしたくらいだ。べ、別に残念とかじゃないけど……。
「……おや?」
あたしをじっと見つめながら、源氏さんが首を傾げる。
「どうしたんです?」
「いや……微かに妖気が残っているな、と思いまして」
「えっ!?妖気!?」
そ、それって学校に妖怪がいたってこと!?
「恐らく吉野様は人祓いの術でもかけられたのでしょうね」
「ひ、ひとばらい?なんですか、それ?」
「文字通り他人を近づけさせない妖術ですよ。そのせいで教室での吉野様の存在が限りなく薄くなっていたのではないかと」
そ、そんな「妖怪のせい」みたいなのがほんとにある!?確かにあたしが小学生くらいの時に流行ったけど!!
「えー!酷すぎません!?そのせいで友達を作るチャンスを失ったってことですよねあたし!」
「ああ……それはご愁傷様です」
まあ、一人も出来なかった訳ではない。神凪くんと晴臣くんには話しかけることが出来た。……でも、友達になったとは……まだ、言えない……かもしれない……。




