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「ここが吉野さんのクラス、2年A組です。新学期だからこの前クラス替えもしたところだし、タイミングが良かったですね」
「は、はい」
担任の先生に案内されながら自分が通うクラスの前に辿り着く。……はあ、この向こうに都会の学生さん達がいるんだ。ドキドキしてきた。
先に先生が扉を開け、あたしを手招きしてくれる。
「え、えっと、今日から転校してきました。吉野沙宵と申します。よろしくお願いしま……ああああああっ!!」
あたしは自己紹介すると同時に、思わず叫んでしまった。クラスメイトも何事かと目を見開いている。その中には先程会ったばかりの神凪くんもいた。
でもあたしが驚いたのは神凪くんと同じクラスだったからじゃない。彼とは同じ学校だということは知っていた訳だし、同じクラスになる可能性もあるだろうと思っていた。
そうじゃなくて、あたしが驚いたのは。
「やあ。同じ学校だったんだね。奇遇だなあ」
「あ、あ、あなたは!あの時の!!」
そう。まさか同じクラスにあの時ヨロズ荘を紹介してくれた男子がいるとは思わなかったのだ。
「ふふ、改めまして私は神凪晴臣。よろしくね。席は私の隣が空いているからおいで」
「は、はい……」
言われるがまま、彼の隣の席に座る。
「あれ、そういえば神凪って……」
「……何だよ、二人とも知り合いだったのか。こいつは俺の親戚だよ」
あたしの疑問に答えるかのように神凪くんが口を挟む。……神凪くんが二人でややこしいな。
「親戚って……従兄弟みたいなものですか?」
「まあそんなものさ。神凪が二人だとややこしいだろう?古くんの方を神凪くん、私の方は晴臣で良いからね」
「な、お前……!」
「……?じ、じゃあ、その……晴臣くん、で」
あたしがそう呼ぶと、晴臣くんは満足そうに笑った。
「はいはい、三人が知り合いなのは分かったけど、そろそろホームルームを始めますよ」
パンパンと先生が手を叩いて会話を止めるように言った。
そういえばここ、教室だった。周りの目を気にせず話し過ぎたかもしれない。
今更ながら恥ずかしくなり、あたしは大人しく縮こまった。




