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「……話を戻します。貴方の引き寄せの力はあまりにも強い。だからここで俺達が守ります」
「え……そんなにやばいんですか?あたしのその、引き寄せって力は……」
「やばいなんてもんじゃないです、外を歩けば上級妖怪がわらわら寄ってくるくらいのものですよ」
じ、上級妖怪が何なのかは分からないけど、恐らく物凄い妖怪なんだと思う。そしてあたしはそういうのですらいとも簡単に引き寄せてしまう、と。
「じ、実家に帰った方が良いですかね……?」
「何処に逃げても変わらないと思いますよ。なので、少しでも危険を減らす為にここに住んで頂きたいのです。……御理解頂けましたか?」
……こうなるともう、あたしに選択肢はなさそうだ。何処に行っても危険だったら少しでも身を守る手段があるここに住まわせて貰った方が良いだろう。
「……分かりました。お世話になります」
あたしがぺこりと頭を下げると、源氏さんは満足げに微笑んでくれた。……へえ、そういう顔も出来るんだ。
「あ、あの。それで相談なんですけど……あたし、明日から学校なんですよ。こんな体質で行っちゃって大丈夫ですかね……?」
……暫しの沈黙。
や、やっぱり……まずいかな?
でも学校に行けないのはこっちも困るし……。
「……わかりました!!何とかしましょう!!」
沈黙の後、半ば投げやりにも聞こえるような声で源氏さんは言った。今までこういう苦労が色々あったんだろうなあ、と声色だけで分かる。……迷惑かけて申し訳ないなと思った。
「ナントカ?ナントカって、なにするの?」
猫のままの姿で有翔ちゃんが問う。
「今日はその作戦会議です。アンタも迷惑をかけたんですから、付き合って貰いますからね」
「ええっ!作戦会議!?なにそれかっこいい!やるやる!」
心底楽しそうに笑い、有翔ちゃんはあたしの膝から源氏さんの肩に飛び乗った。
「……という訳なので、吉野様はお疲れでしょうし今日はもうお休みください。後のことは俺達で何とかします」
「えっ、あの……」
「大丈夫。ちゃんと学校に行けますよ」
「うんうん!だいじょぶだからゆっくり休んでー!」
大丈夫……なのだろうか。でも学校に行けないのは困るし……ここは源氏さんを信じて任せるしかないみたいだ。
「じゃあその……お願いします。……本当に全部任せちゃって良いんですよね?」
「お任せください、家政夫ですから」
……うん。若干の不安は残るけど、後は任せてあたしは休もう。
正直、今日は色々ありすぎてもうくたくただ。……疲れを自覚すると、すぐに瞼が重くなってきた。
「……おやすみなさい、宵い夢を」
源氏の言葉を聞いたのを最後に、あたしは眠りに落ちるのであった。
第二怪に続く……




