★7 幼なじみとウザオ
よろしくお願いします。
日曜日、朝から海斗とデートだけど、昨日の夜、宇佐から借りっぱなしになっていた
マンガの本を見つけたので、宇佐の家に届けることにした。
逢いたいような、逢いたくないような感じだったので、連絡せずに訪問したら、
宇佐のお母さんがにこやかに出迎えてくれた。
「あら、桃子ちゃん、おはよう。久しぶりね。宇佐~、桃子ちゃんよ!」
真っ赤なジャージ姿の宇佐がすぐ現れた。リュックを手に持っていた。
「おはよう!どうかした?約束していたっけ?」
「出かけるついでにマンガを返しに来たの。宇佐もお出かけ?」
「あ~、忘れてたよ。ありがとう。
今から須磨海岸にボランティアでゴミ拾いに行くんだ。夏のバイト仲間に誘われてね。」
「へー、じゃあ、駅まで一緒に行こうよ!」
「いいよ。じゃあ、母さん、行ってくるわ。昼は食べて来るから。」
「いってらっしゃい。」
・・・
「お母さん、相変わらずだね。」
「そう、プクプク、ボンボンボン、艶々わがままボディで元気いっぱいだよ。」
宇佐の表現はヒドいけど、母親への優しさとか親しみを感じて笑ってしまった。
「そんな~、ヒドいよ~。」
宇佐は優しく笑いながら私を見つめた。
「そんなことより、久しぶりに私服を見たけど、やっぱりセンスがいいね。
すっごく似合っているよ。」
愛想だと思うけれど、宇佐に褒められたら嬉しかった。
「・・・ありがとう。あっ、ここ、宇佐がウザオに変身してしまった
ヤバい飴ちゃんをもらった公園でしょ!」
「ヤバい飴ちゃんってなんだよ!」
「じゃなきゃ、そんなに変わらないでしょ!
じゃあ、じゃあ、すっごく可愛い女の子だったっていうこと?」
「もう忘れちゃったけど、なんですっごく可愛いのさ?」
「そりゃ、普通の可愛いだったらウザオに変身なんて出来ないでしょ?」
「カワイイ、カワイクナイ、タイド、カワラナイ!」
宇佐の目が泳いでいた。分かりやすいね。
「え~、でも私のお願いは全部、聞いてくれたじゃない!」
「自分のこと、すんごい美少女と思ってる!
・・・くそっ、間違ってないわ!お願い、全部聞いちゃったわ!」
後半部分は小さく呟いてたけど、ちゃんと聞こえた。
「他人の彼女を口説くんじゃない!」
脇腹を軽く殴った!すんごい美少女って、恥ずかしいでしょ!
「でも、幼なじみなら言ってもいいんじゃない?」
もう一度脇腹を殴った!今度はもう少し強く。
「余計にダメでしょ!・・・バカ。」
後半部分は小さく呟くと余計に恥ずかしくなってしまった。
・・・
他愛のない話しかしていないのになんだか楽しかった。
ゴミ拾いでも宇佐と一緒なら楽しそうな気がする・・・
行こうかな?
だけど、約束しちゃってるし・・・
「桃子は誰かと遊びに行くの?」
「う、うん・・・」
逡巡しながら頷いた私を見て、宇佐はリュックから何かを取り出した。
「ほら。これ、やるよ。」
飴ちゃんを1つ、くれた。
「大阪のおばちゃん?」
「いや~ね~。元気出して!可愛い女の子は笑顔じゃないとダメよ~。」
大げさな笑顔をつくった宇佐がおばちゃんっぽい仕種をしている。
ホント、ウザいよ。でも・・・
「ありがと。」
「うん。一緒にいたら不味いから、隣の駅まで走って行くわ。じゃあ、また。」
「あっ。」
海斗とのデートだと分かっているだろうに、宇佐はにこやかに笑って走り出した。
1学期の時、宇佐は面白くなさそうな顔で、だるそうに歩いていた。
だけど2学期になってからは、いつも楽しそうな顔で、ウキウキしている感じで歩いている。
勉強もスポーツも頑張っているみたい。
あのとき、今の宇佐から告白されたら付き合っていたかも。
でも私が頑張ってない人とは付き合えないって言ったから頑張りだしたみたいだし、
縁がないのかな・・・
待ち合わせ場所に海斗はまだ着いていなかった。
「わり。ちょっと遅れる。」
海斗・・・1組の女の子に訊いたら、海斗は宇佐にことあるごとにつっかかっているらしい。
だけど、宇佐はアドバイスありがとうとか真剣に返すもんだから、
全く問題になっていないそうだ。
1組の間では、海斗の人気はだだ下がり、宇佐はうなぎ登りなんだって・・・
夏休みは必死でバスケの練習をしていた。
たまに、クラブが終わったあと、男女バスケ部で昼ご飯を食べに行ったら、
場を盛り上げてくれた。
少しずつ話すことが多くなって、何度かデートに誘われた。
ちょっと迷っていたら、お試しででもってお願いされて、付き合ってみることにした。
そしたら、クラブをさぼって遊びに行こうってずっと誘ってくる。
先週はきっぱり断ったけど、またキスを迫られるのかな?イヤだな・・
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明後日、月曜日に更新します。




