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★2 ウザオは2学期デビューした!

よろしくお願いします。


9月1日の朝、教室に入ると俺は笑顔で大きな声を出した。

「おはよー、みんな久しぶり!」


「おお、モブオじゃね~か!イメチェンしたんだ?2学期デビューか?

筒井にフラれたから?」

海斗が悪意丸出しの大きな声で、ニヤニヤしながら肩を抱いてきた。


「そう、2学期デビューだ!変身したんだ!

どうせなら全力で頑張ってみようって思ってさ。

みんな、よろしく!」

大きな声を出して、笑顔でピースした。


「お、おう。また筒井に告白するのか?無理に決まってんだろ!」

「うん、バッチリ思い知らされたわ、高嶺の花だって!あの日にちゃんと諦めたよ。」

正直な気持ちを真っ直ぐ、大きな声で伝えたら海斗のヤツ、引きつっていた。


「へ、へ~。じゃあ何で、頑張ったんだよ?」

「頑張ってみたら楽しいんだよ、これが!

まずはマラソンだ。結構長く、速く走れるようになったんだ。

あとは前屈!体がカッチカッチで、床に指も着かなかったのに、

今は手のひらがベタっと着くようになったんだ!

凄くない?

海斗は夏休み、何か頑張ったのか?」

笑顔のまま、興味津々で尋ねてみた。


うっとうしそうな顔をした海斗だったが、すぐにニヤッといやらしく笑って囁いてきた。

「俺と桃子は付き合ってるんだぜ!うらやましいか?」


「・・・そうなんだ。おめでとう!うらやましいな!」

一瞬、うっとなったけど、すぐに笑顔をつくって快活に話せた!


「うぜぇ!」

今度はイヤそうな顔をした海斗に突き飛ばされてしまった。


「宇佐!」

大きな声を出した赤星亮平と目が会うと、亮平は黒板を指さした。


今日から席替えで、黒板に張り出されていた。俺の席はっと・・・

亮平の斜め後ろで、松谷春花の後ろ、教室のど真ん中だった。


「おはよー!2学期もよろしく~」

俺のテンションを見て笑顔になった亮平とハイタッチして席についた。


亮平は陸上部短距離のエースで、100mと走り高跳びをメインにしている。

背が185cmくらいあって、手足が長く細マッチョな上にイケメンだ。

さらに成績はよくて、性格に嫌みは全くない。なんだコイツ、腹が立ってきた!


春花は、背は低めで、金髪を緩やかにウェーブさせていて、垂れ目が可愛いギャルだ。

特定のグループには入っていなくて、ふらふらと色んな所に顔出ししている、

ちょっと変わった女の子だ。挨拶しかしたことないけど。

「おはよー、2学期の間、よろしくな!」


にこやかに春花は後ろ向きに座った。

「よろしく~。で、ウザオは何でイメチェンしたの?」


「宇佐男な。聞こえていただろ?」

「うんにゃ、聞こえなかった。」

ちょっと意地悪な笑顔を向けてきた。


「嘘つけ!フラれたからだよ。」

「うんうん、2組の女子な!だけど、前から亮平と仲よかったっけ?」

不思議そうな視線を俺と亮平に向けた。


「なあ、みんなから注目あびてないか?」

「浴びてるよ。そりゃ、フラれたヤツがイメチェンしたら注目するっしょ。」

春花はニヤニヤしながら、大きな声をわざわざ出している!


亮平が俺たちの話しに割り込んできた。

「コイツ、夏休み入ってすぐに陸上部の練習に参加させてくれって来たんだよ。

それで俺と一緒に短距離走の練習をしていたんだけど、これ見てくれよ!」


スマホで俺の走りが映されると春花がニヤニヤした。

「オリジナリティ溢れる走り方だね!」

「カッコ悪いって正直に言えよ!でも亮平が丁寧に教えてくれたんだ!」


「で、夏休みが終わる頃がこれ。」

「へ~、普通に走ってるじゃん!」

最近の俺の走りが映し出されると、春花のニヤニヤがなくなった。


「そうなんだよ。週に2回しか来なかったくせに、フォームはキレイに安定したんだ。

100mタイムも14.4秒から12.9秒まで上がったんだよ、たった1月で!」

亮平がメチャクチャ褒めてくれる!流石、イケメンは違うよ!


「う~んと、どれくらい凄いかわかんない。あ、亮平はどんなカンジ?」

「亮平は100m11.7秒だ。たぶん、この学校で1番速い。

よっ、パーフェクト超人!」


亮平が答えないので、代わりに答えてやると春花が自然に驚いていた。

「スゴ!」


「でも1月前と今のコイツが走ったら、10m以上ぶっちぎっていて、

クラスの男子で5番以内だよ?メチャクチャ頑張っているんだよ!」

また亮平がメチャクチャ褒めてくれた。


「へ~、やるじゃん!あれっ、さっきマラソン頑張ってるって・・・」

「両方頑張ってるんだよ。」

「なにそれ、凄いじゃん!それに中身もいいカンジじゃん。海斗をうまくあしらっていたし。」

春花がついに褒めてくれた!嬉しい!


「やった!自己啓発本を読んだら納得しちゃって!

前向きに頑張る!ポジティブに捉える!過去はそっと置いておく!

これだよな!」

得意げに話すと春花はきっぱりと言った。

「やっぱりウザオだ!」


「え~、ウザオ?まあいいや、それで。その代わり春花って呼ぶけど。」

「いいよ、ウ・ザ・オ。」

にんまりと春花が笑うと先生が現れた・・・



読んでくれてありがとうございます。


面白ければ評価をお願いします。


明後日、水曜日に更新します。

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