★11 ウザオは修羅場に巻き込まれた!
よろしくお願いします。
体育祭が終わるとすぐに、打ち上げをすることになった。
カラオケのパーティルームを、壱成が予約済みだったのだ!
なんて準備がいいんだ!
壱成の案内について歩いているけど、1組だけじゃなく、2組も大勢いて、
40人くらいいる!熱気むんむんだ!
始めは壱成のすぐ後ろを歩いていたんだけど、
春花と桃子に引っ張られ、話しているうちにどんどん後ろに下がってしまった。
パーティルームに壱成と亮平が入るとみんながなだれ込んでいた。
特に女子が亮平目当てで殺気立っている!
ぎゅうぎゅうだ。
入るかどうか悩んでいると、右腕を組まれた!笑顔の春花だ!
「ねえ、宇佐。もう入れないから別の所に行こ!ねっ!」
可愛らしく顔を傾けた春花に見惚れてしまった。
「お、おう。」
左手が優しくつかまれ、恋人繋ぎになってしまった!少し怖い笑顔の桃子だ!
「さ・ん・に・ん・でね!」
「お、おう!」
春花に脇腹を強くつねられてしまった。
・・・
春花と桃子に引きずられて、別のカラオケ店に入った。
飲み物を準備してから入室し、シートに腰掛けた。
右側に春花がぴったりと体を寄せて、腕を組んで胸を押しつけてきた!
左側に桃子がぴったりと体を寄せて、恋人繋ぎで手を繋いできた。
体のどの部分も、1ミリも動かすことが出来ない!怖い!逃げ出したい!
「あはははは、順番に歌おうよ。まずは俺から。」
「ダメだよ。1番は桃子で。ずっと桃子が歌っていいよ。」
「イヤよ。ずっと春花が歌うといいわ!」
俺の目の前でバチバチと火花が散っている!なぜ、こんなことに?
「桃子は海斗と一緒にいればいいじゃない!」
「今日のお昼に、きっぱりと別れたの。もう話すことなんて二度とないし。」
春花の売り言葉に桃子はきっちり返すと、俺を見つめて告白してきた!
「ねえ、宇佐。好きなの!私、宇佐のことが好きなの!」
「えっ!」
「ちょちょちょっと!別れてすぐ別の男ってどんだけ尻が軽いのよ!
宇佐、好き!アッシと付き合って!」
桃子の告白を見た春花はものすごく焦ったけど、負けん気を見せた。
「えっ!」
「ちょっと!春花はウザオってバカにしていたじゃない!」
「親しみを込めて呼んでいたんです~」
「私のことを好きって言ってくれました~」
「ずっと前のことです~」
「私のことが好きだから、こんな頑張り屋さんに変わりました~」
「うぐっ!春花、お前を信じてるって言ってくれました~」
「うそっ!」
子どものケンカになっていた2人の視線が俺に突き刺さった!
ああ、冷や汗が止まらない!
「「宇佐、どっちを選ぶの?」」
「えっ?」
「「どっち?」」
「えっと・・・あ、あの、俺は、勉強もスポーツも、必死で頑張ってるけど、
まだ体育祭でしか成果を出していない。
今、女の子と付き合ったら、ボケて頑張るのを辞めるんじゃないかと・・・」
「辞めてもいいよ。アッシはどんな宇佐でも好きだから!」
「私となら、一緒に楽しく頑張れるよ。」
おおう、言ってることは真逆だけど、まったく包囲網が解けない。
「あ、アッシも結構モテるんだよ?他の男に口説かれちゃうよ?」
「私はずっと待つわ!」
「さっきの無し!アッシもずっと待つ!」
「「どっち?」」
「ゴメンなさい!」
「「えっ!」」
「どちらとも付き合えない!」
「「えっ、まさか他に好きな人がいるの?」」
「いない!春花と桃子、同じくらい大好きだ!」
「「最低!」」
「俺もそう思う。だから選べない!
だからウザオになった時の気持ちを思いだした。
恋なんて関係なく、とりあえず頑張ろうって。
まだ、体育祭しか成果を出していないから、恋人をつくるのは早すぎる。
だから、当然、女の子と手を繋いだり、腕を組んだり、デートしたりしない!」
「・・・中間試験まで?」
桃子が恐る恐る尋ねてきた。
「そんなのすぐ来るじゃない!まあ半年かな~」
「!!クリスマスも年越しも初詣もダメってこと?」
衝撃を受けた春花が尋ねてきた。
「そんなの一番バカになっちゃうイベントじゃない!ダメに決まってる!」
「え~っと、お買い物を一緒に、とかは・・・」
春花が恐る恐る尋ねてきた。
「ダメ。」
「一緒の登下校はしょうがないよね!」
桃子が必死で気分をあげてきたけど。
「偶然ならしょうがないけど、2回目は逃げ出すから。」
春花と桃子が目を合わせ、頷くと俺を放って部屋の隅で相談を始めた。
イヤな予感がビシビシする!
気配を消して、そっと部屋を出て行こう!
「宇佐。どこに行くの?」
春花の冷たすぎる言葉が俺を動けなくした。
「ひっ!ちょ、ちょっとトイレに・・・」
「なぜリュックを持っているのかしら?」
桃子の言葉で冷や汗がだらだらと出てきた。
「し、心配で・・・」
「座って待ってな。」
「はい。」
何やら相談がまとまったらしく、春花と桃子は頷いて握手し、怖い笑顔になった。
元の状態で2人に拘束された!
「宇佐の気持ちは分かった。うん、アッシたち、もう少し待つよ。」
「うん。デートも我慢するよ。」
「そ、そうなんですか・・・」
にこやかな笑顔の2人の後ろからゴゴゴって効果音が聞こえて来た!怖い!
「毎週、水曜と日曜は開けておいて。」
どういうこと?
「うん。3人か4人で行動するからね。」
「なんだと!もう1人、俺に惚れている女子がいるのか!
小動物系メガネっ娘だな、だろ?だろ?」
ほっぺを両方からぎゅうぎゅうにつねられた。
「こんのバカ!」
「死ね!」
「いたたたたった~。」
「ホント、ウザいわ~。」
「もう1人は壱成に決まっているでしょ!勉強会しようって言ってたじゃない!」
「そ、そうでしたね。申し訳ありません。」
「分かったかな?」
春花の視線が痛い。
「はい!水曜と日曜は貴女たちのために開けておきます!」
もう、否定の言葉なんて無理だ!
「うん。他の女の子とデートしたら、どうなるか・・・」
桃子の長い髪が逆立った様な気が・・・
「ひぃっ!」
「宇佐、バレンタインでもう一度、好きって言うからね!」
「うん。2人のどちらかを選んでね!」
「お、おぅ・・・」
コレ、すんごい失敗しちゃったんじゃない?
読んでくれてありがとうございました。
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皆様、良いお年を!




