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魔剣少女になりました!  作者: ジータ
第三章 獣人族の宝玉編
99/350

第91話 クロエの昔話

誤字脱字がありましたら、教えてくれると嬉しいです。

〈レイヴェル視点〉


 城内の兵士に案内されてやって来た一室、その部屋の中には当たり前というべきかクロエが居た。


「あ、戻って来た。思ったより早かったね。カムイと何話してたの?」

「まぁそんな大したことは話してないけど……ってそうじゃねぇよ! お前、獣王と知り合いだったなら最初からそう言えよ! ビックリしただろうが!」

「あはは、ごめんごめん。言おうかとも思ったんだけど……なんていうかやっぱり気恥ずかしくて」


 絶対それだけが理由じゃない。

 それはわかるけど、たぶんこの場合聞いてもはぐらかされるだけなんだろうな。


「はぁ……それはもういいけどよ。良かったのか? もっと話とかなくて。あの感じだとそうとう久しぶりなんだろ?」

「うん、そうだね。直接会うのは相当久しぶり。まぁでもいいよ。あれで十分だから。大事なのは言葉を尽くすことじゃないんだよレイヴェル」

「なんかその言い方すごい歳食ってる人の言い方っぽいな」

「んなぁ!? ぜ、全然歳取ってないし! 私ピチピチの十七歳だから!」

「いやお前なぁ……」


 今さらピチピチの十七歳とか言われても説得力皆無過ぎるだろ。

 それで誤魔化せるとはこいつも思ってないんだろうけど……まぁいいか。今さらだし。

 変に突っ込んでこいつを怒らせても面倒だからな。

 それよりも今は気になることが一つある。


「なぁクロエ。一つ聞きたいことがあるんだが……いいか?」

「ん、何?」

「……お前と獣王が話してた“あの人”って誰なんだ?」

「あ……」


 クロエと獣王の間で出てきた人。名前はわからなかったけど、その人に話題が出た途端クロエの表情が一瞬陰ったのを俺は見逃さなかった。

 触れていいのかどうか迷ったけど、これもまたクロエのことを知るいい機会だと思う。

 だから聞く。クロエが言いたくないっていうならそれはそれで受け入れるつもりだが。


「まぁそっか。そりゃ気になるよね。あんなあからさまな話し方してたら」

「言いたくないなら別に」

「ううん。別に言いたくないってわけじゃないんだけどね。でも……そうだな。本当に色んなことがあったから」


 過去を懐かしむようなクロエの表情はどこか憂いを隠しきれていなかった。


「今はもういないってことは……その……」

「うん。亡くなってるよ。もうずいぶん前のことになるけど。あ、でも安心していいよレイヴェル。女の人だから」

「いや別にそこは気にしてねーよ!」

「えー、なーんだ。レイヴェルが私の過去に知らない人の気配を感じて嫉妬してくれたのかと思ったのに」

「そんなわけないだろうが。過去になにがあろうが、今は俺の相棒。それに変わりはないだろ」

「あ……うん。そうだね。それは絶対にそう。これから先も……絶対に変わらない。何があっても私はレイヴェルの相棒だから」


 やべぇ、今なんかすげぇ恥ずかしいこと言った気がする。

 いや、うん、まぁそれは今気にしなくていいか。


「あはは……らしくないなぁ私も。過去は過去とか思っておきながら、こうやって縛られてるんだから」

「別に縛られるのは悪いことじゃないだろ」

「え?」

「もちろんそのままってのはよくないかもしれないけど。でも、その過去があるから今のクロエがいる。それは間違いないだろ?」

「……うん。ありがとうレイヴェル」

「別に感謝されるようなことじゃねーだろ」

「それでも、だよ。はぁ……レイヴェルには何回気付かされるんだろうね私。全部話してるといくらあっても足りないから、今はカムイに関わる部分だけ教えるね」

「あぁ、教えてくれるなら」

「そうだなぁ……あの子の名前はキアラって言うんだけどね。先輩も含めて滅茶苦茶な人だったよ。なんでもかんでも首を突っ込もうとするっていうか。魔人族にしては珍しく戦闘狂でもなかったしね」

「魔人族だったのか」

「うん。ハーフだったけど。とにかく一緒にいたら振り回されてばっかりで。でも最後には全部なんとかしちゃう。そんな感じの娘。キアラってそういうタイプだったから、この国がまだケルノス連合国になる前、カムイが獣王じゃなくてまだ獅子族の長でしかなかった頃、色々あって私達も手伝うことになって」

「手伝うって、お前、それじゃあ……」

「そう。今のケルノス連合国の元を作る手伝いをしたんだよね。大変だったよ。危ないって言うのに真っ先に突っ込んで。どれだけ心配したか」

「そりゃ確かに心配するだろうな……っていうか、本当に滅茶苦茶な人だな」

「うん。私が言うのもなんだけどさ、ついて行くのも大変だったよ。本当に前しか見てないっていうか。でもだからこそ……みんなついて行ったのかもしれない。どんなに大変でも最後にはなんとかしちゃう。そう思える人だったから」

「…………」

「そんな顔しないで。私は大丈夫だから。とにかくね、言っちゃえばキアラは本当の意味でこの国を作るのに尽力した人って感じかな。表には名前は出てないけど。だからカムイも私達には頭が上がらないってわけ」

「なるほどな……ようやくあの態度がしっくりきたよ。でも……じゃあなんで隠れようとしたんだ? 別にクロエ自身がバレないように隠れる必要なんてなかっただろ?」

「……まぁそこは色々と事情があったりするけど。一番はやっぱり……カムイにあったら確実にキアラのことを聞かれるから、かな」

「お前……」

「あはは、でもさすがにバレるよね。もうカムイも年が年だから耄碌してるんじゃないかとか思ってたけど、全然そんなことなかったし。むしろ昔より威圧感増してるし。一瞬別人かと思っちゃった」

「すげぇ迫力だったもんな」

「まぁ話したらやっぱりカムイだったけど……うーん、でもそういえばカムイ、レイヴェルに対して小僧とか、腕が立つように見えないとか言ってたよね。ちょっとその辺り後でちゃんと話を」

「落ち着けクロエ! オレは別に気にしてねぇから!」

「そう? ならいいけど。でもまぁもし何かあったら言ってね? カムイは絶対に、私に逆らえないから」

「絶対にってお前……過去に何したんだよ」

「まぁ、それは色々とね。カムイって子供ながらに獅子族の長を任されたりしてたわけなんだけど、だからこそ色んな弱みを握ってるわけなのさ」

「弱みってお前なぁ……そういうのどうかと思うぞ」

「使えるものはなんでも使う主義。過去には縛られたくないけど、過去にあった出来事は最大限利用していきたい」

「もう俺は何も言わんぞ」

「あはは、まぁほどほどにするから大丈夫だよ」

「全然大丈夫じゃねぇだろそれは」


 うーん、まぁこれこのことに突っ込んで聞くのはよくないか。

 それにしてもキアラ……クロエの昔の仲間か。

 とりあえず今はこれ以上聞かなくていいか。

 また機会があれば教えてくれるだろう。


「なぁクロエ」

「うん?」

「改めてになるけど頑張ろうな、今回の依頼」

「……うん!」


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

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それではまた次回もよろしくお願いします!

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