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魔剣少女になりました!  作者: ジータ
第四章 妖精と地精の国
329/350

第315話 【魔封眼】

誤字脱字があれば教えてくれると嬉しいです。

「取り囲んで魔法で殲滅しろ!」


 アルマと戦い始めたこの状況。カームは圧倒的数的有利でありながらも油断はしていなかった。口ではどれだけアルマのことを蔑んだようなことを言いながらもその実力は認めてる。その注意深さこそがカームが近衛隊の隊長にまで上り詰めることができた要因の一つでもある。その強さも一流以上ではあるのだが。

 不用意には近付かず、安全圏から確実にアルマのことを仕留めようとしていた。


(あの目……あの目だ。何かを企んでいるあの目。クソドワーフめ。何を企んでるかは知らないが、このまま一気に数で攻め落とさせてもらう!!)


 カームの指示に従って近衛兵達はアルマを囲むように展開する。全員が魔法の熟練者。上級魔法の使い手だ。いくらアルマが剣士として優れていようとも、数の差を埋められるほどではない。

 勝利を確信したカームは笑みを浮かべる。

 だがしかし、アルマの目はまだ死んではいなかった。


「やれっ!!」


 近衛兵達が一斉に魔法を放つ。炎、風、水、雷、土、氷、ありとあらゆる属性の上級魔法があっという間にアルマに殺到する。

 並の人間ならばあっという間に消し炭になって骨すらも残らないで在ろうほどの威力。

 凄まじい土煙が上がる。


「消し炭になったか……ふっ、この私に逆らうからだ」

「残念だが消し炭になるには火力が足りなかったな」

「なにっ!?」


 その声はカームの背後から聞こえてきた。とっさに振り返って反応できたのはひとえに鍛錬のたまものだろう。だが受け身が十分ではなかったせいでアルマの一撃に武器を破壊されてしまった。


「くそっ、なんでお前が後ろに! 魔法をくらったんじゃないのか!」

「何をそんなに焦っているんだ。お前の敵はここに健在だ。ならばお前は戦わなくてはいけない。そうだろう」

「くぅっ、お前たち何をボサッとしている! やれ!」

「は、はいっ!」

「ここまで来てなお自分の力を使おうとはしないか。何を企んでるのかは知らないが」


 近衛兵達は魔法を避けられたカラクリがわからないまま、再び魔法を放とうとする。だがさっきとは違い、統率が取れずに適当に放たれる魔法を避けることはアルマにとっては容易いことだった。

 大剣を持って居るとは思えないほどの速度で近衛兵に肉薄したアルマはその勢いを利用して大剣を振るう。

 一薙ぎで数人が吹き飛び戦闘不能になっていく。しかし近衛兵達もエリートだ。すぐに冷静さを取り戻し、近付かないように距離を保ちながら魔法や弓などで遠距離攻撃をしかける。近距離ではアルマに分があることを理解しているのだ。

 アルマは遠距離攻撃を持たない。だからこそ取れる戦術。だがしかし、それはアルマにとっても予想済みの行動。


「お前たちエルフは魔法に頼りすぎだ。だからこそ魔法がオレにとっては格好の餌食だ。悪いが時間をかけるつもりはない。こっちも奥の手を使わせてもらうぞ」


 アルマの瞳が黄金に輝く。その瞳を見たカームは驚愕に目を見開く。

 カームはその瞳に覚えがあったのだ。それはエルフであるカーム達にとって、最悪とも言える瞳だった。


「貴様のその瞳、まさか【魔封眼】か!!」

「よく知ってるな。もう覚えてる奴もほとんどいないような、歴史の奥底に葬られた、誰も知らないような力なんだが」

「ドワーフの王族にのみ伝わると言われている【魔封眼】。その名の通り、魔法を封じる瞳。貴様らドワーフがエルフに対抗するために生み出した力! なぜそんな力を貴様が持っている! まさか……まさか貴様ドワーフの王族なのか!」

「昔の話だ」


 エルフの王族に【未来視】の力が伝わるように、ドワーフの王族には【魔封眼】という力が伝わっていた。アルマはその力の持ち主だったのだ。


「この力は使いたくなかったが。一気に攻め落とさせてもらうぞ!」


 そして、アルマの猛攻が始まった。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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それではまた次回もよろしくお願いします。

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