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魔剣少女になりました!  作者: ジータ
第三章 獣人族の宝玉編
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第142話 馬、賢すぎない?

誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。

 その後のこと。

 オレとレイヴェルはすでに盗賊のことを倒していたファーラ達と合流した。ファーラ達の方にはオレ達よりも多い人数が向かってたみたいだけど……まぁそこはさすがにファーラ達だ。特に苦戦もしなかったらしい。


「それにしても、良かったね。馬車が壊れてなくて。馬も逃げなかったみたいだし」

「そうだねぇ。馬の方は訓練されてるからってのもあるんだろうけど」

「そっかぁ。賢いねぇお前は。よしよーし」


 オレが頭を撫でると特に嫌がる様子もなくブルルッと小さく嘶く。結構可愛いなコイツ。こうして間近で見ると結構つぶらな瞳してるし。

 オレ達が馬車を飛び出した後、この子はジッとその場で待機してた。普通の馬ならあんな襲撃にあったら逃げ出しそうなもんだけど。

 訓練されてるだけじゃない特殊な馬らしいけど、詳しいことは全然知らないなぁ。

 人語も理解できて、御者がいなくても目的地まで行ってくれる……いや、さすがに賢すぎないか? 今さらだけどさ。

 馬車の方も窓割られたりはしてるし、所々穴は開いちゃってるけど、それでも車輪の方には傷がないから問題なく動きそうだ。風通しが良くなったと思っておこう。嫌だけど。


「ま、幸いこの辺には木も多いし応急処置だけして進むとしようか。ほら、ヴァルガもレイヴェルも、ちゃきちゃき作業しな」

「俺達だけか? お前はどうするんだ」

「こういうのは男の仕事だろ。か弱い女に力仕事押し付けるんじゃないよ」

「か弱い?」

「レイヴェル、なんか文句あるのかい?」

「な、ないです……」

「全くお前は……まぁいい。手早く終わらせるとしよう」


 逃げるように作業を始めたレイヴェルと、嘆息しながら作業を開始するヴァルガ。レイヴェルはともかくヴァルガ流石に慣れてるっていうか、こう言う時のファーラは何言っても無駄だからなぁ。

 二人が作業を終わらせるまでは休んどくとしよう。


「……ふぅ」


 腰掛けれそうな岩を見つけたのでそこに腰を下ろす。風と日差しが良い感じに相まってなんか寝そうになるなこれ……。

 あまりの差にさっきまで戦ってたのとか忘れそうになる。


「疲れてるみたいだね」

「ファーラ、どうかした?」

「どうってことはないんだけど……」


 何か物言いたげな雰囲気のファーラ。

 まぁ、なんとなく言いたいことはわかるけど。たぶんさっきのレイヴェルと似たような感じだ。

 なるほど、それが目的か。だからヴァルガも何も言わなかったんだ。


「とりあえず隣に座ったら?」

「……そうだね」


 ポンポンと隣を叩くと一瞬躊躇いながらもファーラが隣に座る。

 言い難そうだし、こういう時はこっちから切り出すべきだろう。


「何か言いたいことがあるんじゃないの?」

「それは……どうしてそう思うんだい?」

「ふふん、伊達に年上じゃありませんから。それに、ファーラのことは昔から知ってるんだから。そういうのはわかるよ」

「やれやれ、こういう時ばっかり年上ぶって。見た目は完全に年下だけどね」

「うぐっ、それは仕方ないでしょ。魔剣は不老なんだから」

「羨ましいようなそうでもないような感じだねぇ。ま、それじゃあお言葉に甘えて本題に入らせてもらうけど……大丈夫だったのかい? さっきの戦いは」

「大丈夫って言うのは何を指してのことなのかな?」

「殺したんだろう。あの盗賊達。アタシらの方に来た盗賊の実力から察するに、レイヴェルが一人で勝てたとは思えない。そうなったら必然クロエの力を使ったか……クロエが殺したってことになりそうだからね」

「……ま、隠すようなことでもないから言うけど、ファーラの言う通り殺したよ。私が、私の手で。大丈夫かどうかって聞かれると……さすがにさっきは動揺してたけど、今はもう大丈夫」

「……そうかい。レイヴェルには感謝しないといけないね」

「な、なんでそこでレイヴェルの名前がでるの!」

「てっきりレイヴェルが関係してるかと思ったんだけど、違うのかい?」

「いやそれは……違わないけど。でもさ、あらためて思ったよ。先輩達もそうだけど、ファーラ達は昔からあの感覚と付き合って来たんだね。人を殺すあの感覚と」

「まぁね。確かに最初はきつかったけど……今じゃもう何も感じないよ。魔物と一緒さ」

「あはは、やっぱりそうなんだ。でも、私は慣れたくないなって思う。それに慣れるっていうことは、何かが壊れるってことだと思うから」

「……そうだね。クロエの言う通りだ」

「はは、ごめんね。偉そうに言っちゃって。冒険者なんて稼業をしてる以上仕方のないことだっていうのはわかってるんだけど」

「アタシはそれでいいと思うよ。クロエらしいってもんさ」

「私らしい……か。ふふ、そうかもね」

「あ、そうだ。話は全く変わるんだけどね、どうやら盗賊の襲撃を受けたのはアタシらだけじゃないみたいだよ」

「え? それって、ライアさんもあの狐族のコルヴァという人達の所もってこと?」

「あぁ。こっちに来てたのとは別の盗賊団みたいだが、どうやらほとんど同じタイミングだったみたいだね」

「それはなんていうか……さすがに偶然って感じじゃないよね」

「あり得ないろうね。三組とも同タイミングでそれぞれ別に盗賊団に襲われるなんて、軍全じゃ絶対起きないよ」

「それじゃあやっぱり『月天宝』を狙ってる人たちが雇ったのかな。直接仕掛けてこないっていうのは面倒だったからとか?」

「どうだろうね。でもここに網を張ってた時点で確実にアタシらを狙っての行動。誰でもいいって感じじゃないのは確かさ。誰でもいいならそもそもこんな場所に網を張らないしね」

「それもそっか……」


 オレ達が通っているのは、なんとか馬車でも通れるような道。普段は人も通らないような場所。商人だってこんな場所は通らない。盗賊が網を張るにはあまりにも非効率的な場所だ。


「うーん……って、考えても仕方ないか。これならせめて盗賊のリーダーくらい生かして捕らえておくべきだったかな」


 あの時はそんなこと全く考えてなかったからなぁ。今さらな話だけど、せめて情報くらいは吐かせるべきだったかもしれない。というか、普通ならそうするのか。ちょっと短絡的すぎたかなぁ。


「ま、それは考えてもしょうがないことだからね。気にしなくていいよ。他の二組が何かの情報を得てるかもしれないしね」

「そっちに期待するしかないかぁ」


 盗賊を雇った奴らがいる……か。

 普通に考えたらフェティの言ってた魔剣使いの連中なんだろうけど、魔剣使いなら盗賊なんて使わなくても直接武力行使で奪いに来てもおかしくないのに。

 そうしなかったのはどういう理由なのか……それとも、雇ったのが魔剣使い達じゃないとか?

 

「……まさかね」


 


すみません、投稿予約完全にミスってました。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

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それではまた次回もよろしくお願いします!

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