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魔剣少女になりました!  作者: ジータ
第三章 獣人族の宝玉編
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第98話 絡み酒されると鬱陶しい

誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。

「ふぅ……結構お腹いっぱいになったね」

「あぁ、そうだな。白身魚のフライでこんなに食べ応えがあるとは思ってなかった」

「だねー、もう食べれないや」

「そういう割にはお前はペロッと食いきってたけどな」

「う、そ、それはほら……美味しかったから」

「まぁ確かに美味しかったけどな。それ以上の食らいつきかただったと思うぞ、さっきのは」

「うぐぅ……」


 確かに一口食べた瞬間、予想以上の美味しさに箸が止まらなくなったのは事実だ。

 男ならそこまで気にすることはないかもだが、今のオレの体は魔剣とはいえ女。確かにちょっとはしたなかったかもしれない。


「そんな顔すんなって。別に気にしてないから」

「ほ、ほんとに?」

「当たり前だろ。目の前で飯食ってる奴はまずそうに食ってる奴より、美味そうに食ってる奴の方がいいに決まってる」


 はぁ、良かった。

 いや、良かったって、別にそんな気にするようなことじゃないけど。

 そっか、レイヴェルはそういうの気にしない人か。ならこっちも気にせずいっぱい食べれるってもんだ。


「でもだからって食べ過ぎには注意しろ……って、ふと思ったんだが」

「? 何?」

「お前って食べたら太るのか?」

「んなぁっ?! きゅ、急になに聞いて来るのさ!」

「い、いや悪い。ただちょっと気になっただけなんだが」

「気になったって……なんで急に」

「今の状態で剣に変身したら食った分重くなってたりするのかと思ってな」

「今までそんなこと気にもしてなかったくせに……全くもう。レイヴェル、そういうの聞くのはちょっとデリカシー足りないよ」

「わ、悪い。答えにくいなら別に答えなくてもいいぞ」

「別に答えにくいわけじゃないよ。それに隠すようなことでもないし。答えから言うと、食べたら食べた分剣が重くなる、なんてことはないよ」

「そうなのか?」

「だって、当たり前でしょ。考えてみてよ。私が剣の姿になった時、今の私の重さがそのまま反映されてるわけじゃないでしょ」

「……言われてみれば確かに。あー、そりゃそうなのか」

「だから、たとえ私がここでどれだけ食べたとしても剣の重さには反映されない。安心していいよ」

「……なんか怒ってるか?」

「べっつにぃ」

「いや、完全に怒ってるだろ!」


 別に本当に怒ってるわけじゃない。

 ただちょっとイラっとしただけだ。

 本当に怒ってるわけじゃないんだけど……うーん、あれだな。

 なんかレイヴェルと出会ってから女側に思考が引っ張られてる気がする。

 昔はこんなことなかったのになぁ。体重のこととか聞かれても全然気にもならなかったのに。

 これはいいことなのか悪いことなのか……ま、いいか。オレはオレだ。


「あははははっ、いいねぇ痴話喧嘩。何々? どんなことが理由で喧嘩してんのぉ?」

「え?」

「おいお前、あんまりよそ様に、しかも旅行客に絡むようなことはやめろっていつも言ってるだろ」


 急にオレ達の会話に割り込んできた第三者に思わずビックリする。

 って、いや待て。それよりこの声は——。


「ファーラとヴァルガ?」

「え?」

「ん?」

「あ、やっぱりそうだ。びっくりした。この国にいるのは知ってたけどまさかこんな所で会えるなんて思いもしなかった」


 滅茶苦茶ベロベロに酔っぱらって絡んできた狼族の女性のファーラにそんな彼女を諫めた同じく狼族の大男ヴァルガ。

 昔よりちょっと老けた……っていうとよくないか。成長してるっていうべきかこれは。


「え、いや、嘘……」

「おいおいマジか……」


 最初は驚き。その次に疑問、そして理解へと二人の表情が移り変わっていく。

 なんかちょっと面白い。って、まぁビックリしたのはこっちも同じなんだけど。

 まさかここで二人に会うなんて思ってなかったし。


「「クロエッ?!」」

「あはは、やっぱりそうだよね。まさかここで会うことになるなんて思ってもなかったよ」

「いやいや! それはこっちの台詞だっての!」

「え、クロエ? ホントのホントにクロエ?」


 さっきまで酔っ払ってたのが嘘みたいに目をぱちくりさせながらファーラはオレの頬をムニムニと触って来る。

 

「ちょ、ファーラ……」

「この頬の感触、髪のツヤツヤサラサラ感。間違いない!」

「だ、だから……私だって言ってるでしょ!」


 ちょっとくらいなら許容するけど、さすがに長い!

 まだ頬をベタベタと触って来る手を振り払う。

 昔からくっついてくるタイプだったけど。久しぶりにあっても全然変わってないし!


「あうんっ! この叩き方、間違いなくクロエ!」

「どんな確かめ方だ!」

「っていうか途中から私だってわかってたでしょ! って、だから抱き着かないで! っていうか酒臭い! ヴァルガ、なんとかしてよ!」

「あ、あぁ悪い! すぐはがす!」


 その後、ヴァルガの協力もあってなんとかファーラを引きはがすことに成功したオレはヴァルガとファーラを向かいに座らせてレイヴェルに隣に来てもらった。


「はぁ……ほんとにもう……どんな馬鹿力してるのよ」

「えーと……クロエ。なんか完全に状況に置いてかれてたけど、つまりこの人達もクロエの知り合いなのか?」

「うん、お察しの通り。ロゼとは違って会えるとは思ってなかったんだけど。一応紹介するね。ファーラとヴァルガ。狼族の戦士にして、私の昔の旅仲間だよ」


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

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それではまた次回もよろしくお願いします!

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