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そこにある線を

作者: 門林はみめ

僕の目の前には線がある。

それも決して見えやしない線が。


彼らは言う。大人になれと。その線を越えろと。

そして、周りのみんなはそうするんだ。一歩を踏み出し越えて行く。

そう、何も考えずに。


彼らは、僕にも越えさせようとする。その線を。

でも、その線を越えれば、もう戻れない。それを彼らは分かっていない。


彼らは僕の手引いたり、優しく語りかけたりもする。

でも、僕には見える。彼らの汚れた部分が。彼らの冷たい部分が。


そんな、怖いところには行きたくない。あんなに汚れたくはない。

僕の心はそう言う。

でも、怒声を受ける心は傷つき叫ぶ。もう嫌だ。と。


あっちに行けば楽なんじゃないだろうか。ここで、傷つけられるよりかはずっと。


僕が、振り返った時には一緒に並んでいたはずの子供はいない。みんな彼らになってしまった。

どれだけ目を凝らしても、ただ僕が線を越えることを待っている次の列が見えるだけだ。


そして、次の列の子達は僕を抜いて先へ行く。

次々、彼らになっていく。


どうして?僕はどうすればいい?もう、分からない。

僕の心は彼らに傷つけられる。

でも、心は言う。行くなと。そして、そのすぐ後には叫ぶ。もう嫌だ。


「行くな」と「もう嫌だ」が僕の中で重なり、ぶつかり、弾ける。


僕はまだいるよ。線の前に。



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― 新着の感想 ―
[一言] □追記です わしが中学生のときはソ連がまだあって 冷戦の真っ只中 社会党と自民党が戦ってました その影響からか いまだにわしの脳内では 資本主義と社会主義が戦っています 資本主義のいいとこ …
2017/11/01 21:48 退会済み
管理
[良い点] その線をもう乗り越えてしまっているわたしには無垢にみえるわ……
2017/11/01 21:29 退会済み
管理
[良い点] なんかわかる [気になる点] 大人でもあるぜ… [一言] ラインは難しいです 例えば 18禁とそうでない小説のラインですね… これ以上書くと18禁になってしまうのか いやもうなってる…
2017/11/01 21:10 退会済み
管理
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