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ユキの過去

 掴んだ光は離さない。次は絶対に成功させる。この世界でこそ幸せになる。

 様々な感情が僕の心を駆け巡る。

 その中でも必ず共通しているものがある。それは、このパーティーの、仲間たちの笑顔だ。

 その笑顔のために辛くても歩き続ける。たまには転けることもあるだろう。それでも、また立ち上がれば良い。転けたらその分強くなってまた立ち上がって歩き続ける。

「さてと、ばかやろうに一発デコピンしに行くぞ」


 私はとんでもないことをしてしまった。信用してくれていたマスターを裏切った。

「でも、マスターはユキの家族を奪ったニャ」

 ユキの家族を、幸せを奪われたことを思い出したのは、ついこの前のことだった。

 前回の敵を倒した時、私の頭に入ってきた、戻ってきた記憶はとんでもなく辛いものだったのだ。


「お父さんよぉ、俺は今日までに1000万円は用意しておけって言ったよな?」

 またあの人だ。

 私が一番怖い人。

 お父さんの友達ではないみたいで、いつも私たちに怒鳴ってくる。

「俺たちだってボランティアじゃないんだよ、あんただって分かってるでしょ?」

 また玄関から怒鳴り声が聞こえる。

 聞きたくないけど聞こえてしまう低くドスの聞いた声。何で私たちは普通に暮らせないの?何で私たちはこんなに怒られなきゃいけないの?

 こんな思いをするぐらいなら死んじゃいたい。

 それでも頑張って生きていた。しかし、ある日事件が起きた。

 それは、何でもない平日のこと。

 私が、学校から家に帰ると、あの低い声のおじさんがいた。そして、おじさんの足元には頭から血を流して倒れているお父さんの姿。

「お、お父さん…」

「あちゃー、見られちゃったかー」

 抑揚のない声で特に思ってもいない事を口にする。

「これを見られちゃったからには、このまま逃げるわけにもいかないからなー」

「あ、あ、あああ…」

「ユキちゃんもお父さんのところに行こうか」

 男は手にしていた鈍器のようなもので私の頭を思い切り殴った。

 声も出ないような痛みと、真っ赤に染まる視界。

「おっと、キミたちには事故死してもらわないと困るのを忘れていたよ」

 視界の赤が熱を帯びておる。

 漂うガソリンの匂いと、熱気に私の意識は急速に遠のいていった。

 不意に男が落とした写真が目に入った。

 その中に写っていた人物…


「マスターがあの男の人の子どもだって知らなかったニャ」

 知っていたら一緒に旅をすることは無かっただろう。

 知っていたら出会った時に逃げていたか恨みを晴らしていただろう。

 もちろん、それぞれに事情があったのは分かっている。マスターは直接関係ないことも理解しているつもりだが、どうしても我慢できなかった。

 お父さんを殺した人の息子だって事が。

 だから、新しい街に来た時に恨みを晴らした。ここなら新しい生活が出来ると思ったから。

「世の中上手くいかないニャ」

 新しい生活どころか、脱獄生活みたくなってしまっている。

 公園で野宿をして、お腹が減ったら盗みに行く。今の自分の行動は私たちの生活を奪った男と変わらない。

 むしろ、自分たちの方が酷いのかもしれない。

「どうすればいいんだニャ…」

「いつも通りに、戻ってこれば良いんじゃないか?」


 数十分前

「サリナ見つかったか?」

「はい、マスター。公園の方に反応がありました」

 僕たちは公園の方に向かった。そしてやっと公園のベンチに座るユキを見つけた。

「でも、マスターはユキの家族を奪ったニャ」

 その言葉を聞いた時は何を言っているのか分からなかった。

 僕がユキの家族を奪った?

 そんなことあるはずがない。

「マスターがあの男の人の子どもだって知らなかったニャ」

 あの男?僕の親を知っている?

「マスター、ユキさんの思い出した記憶をマスターの中に転送します」

 そんなことが出来るのか?

「もちろんです。マスターの妻ですから」

 バシッ!!

 なんで僕はリンナに殴られなきゃいけないんだろう?

「まあ、ともかく転送いたします」

 ユキの記憶が送られる。その中に僕が思い出したくなくても記憶にこびりついた最低の顔があった。

 火をつけた事、親を殺してユキも殴られたこと。

 どれも最低の記憶だ。

「だからユキは僕を、親の仇と思って…」

 刺されても仕方がないような、末代まで呪ってもおかしくないような思い出だった。

「そうか、僕の親がユキにそんなことをしてたなんて…」

 その時、ユキがひっそりと呟いた。

「どうすればいいんだニャ…」

 ユキ、ごめん。親のやったことの責任は当時家族だった僕の責任でもある。

 責任だけじゃなく、僕はもっとユキの笑顔を見ていたい。一緒に笑いあいたい。ユキの泣いている顔は見たくない。

「いつも通りに、戻ってこれば良いんじゃないか?」

 僕はユキの所に歩いていった。

「マスター…でもユキはマスターを殺そうとしたニャ。それで皆にも迷惑かけて、それなのに戻れるわけないニャ」

「なんで戻れないんだよ」

「だって、ユキはマスターを刺したニャ。そんな人間と一緒に旅をしたいと思うわけがないニャ」

「って、ユキは言ってるけど皆はどう思う?」

 僕は側で立っている二人に聞いてみた。

「私はマスターが良いなら良いと思いますよ」

「優人が決めなさいよ。でも私はユキと一緒に旅がしたいけど、すっごく一緒に旅がしたいけど、今後も一緒が良いけどね!!」

 なんでリンナは少し怒ってるのかね?

 彼女なりの照れ隠しかな?

「ってことだよユキ。皆お前と一緒に居たいんだよ」

「でも、ユキはマスターに怪我を負わせてしまったニャ。このままじゃ申し訳ないニャ」

「そんなこと気にしなくても…」

「マスターは気にしなくても、ユキが気にするニャ!マスター、ユキに罰を与えて欲しいニャ」

「罰って、そんな大層なこと」

「お願いしますニャ!」

 罰って言われても、中々に思いつかな…そうだ!

「分かったお前に罰を与える。そこのベンチに座れ」

 おとなしくユキはベンチに座った。

「よっこらしょっと。ユキの太もも柔らかくて気持ち良いな」

「ニャ!?」

 僕がユキに与えた罰、膝枕。

「ユキの膝枕さいこー」

「マ、マスターそんなところに頭のせられたら恥ずかしいニャ」

「えっ?だから罰になるんだろ?」

 ほんと女の子って肌が柔らかいな。どうやったらこんな肌に…

「二人ともどうしたの」

 ものすごい目つきで、僕を見下ろすサリナとリンナ。

「マスターは最低のロリコンですね」

「死ね変態」

 その目はゴミ虫を見るかのようだ。

「マスター」

「どうした?」

「後で二人っきりで話がしたいニャ…」

 二人っきり?

「マスターのロリコン!!」

「変態優人!!」

 何で俺が怒られるのさ。

皆さまお待たせ致しました。

桜も散ってしまい、夏が近付きつつある今日ですが皆様どうお過ごしでしょうか?

暑くなってきて、体調崩したりしてませんか?

今年は花粉と黄砂でダメージが大きかったですが、私は何とか生きております。

さてさて、今回の内容ですが、後書きから先に読む人はすいません。少しネタバレになりますけれども、今回の終わりは絶対に膝枕と決めてました。

ロリっ子の膝枕ですよ?

柔肌の膝枕ですよ?

男なら行くしかないでしょ?

いや、すいません。本当は内容を考えてる時に、耳かきボイスの動画が目に入りまして、これだ!ってなったんですよ。

まあ、恥ずかしがりのユキにはちょうど良い罰になったのではないでしょうか?

それではですね、今回も楽しんでいってください。

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