表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/51

暗闇と少しの光

 雨の後には虹が咲く。

 頑張っても出来ないことはある。努力しても報われないことも多くある。それでも、僕達は後悔しないように歩く。たとえその先に待つのが不幸でも、動かずに泣き続けるよりかは良い。

 さあ、もう一度立ち上がって足を前に出そう。

 もう一度ユキと冒険しよう。



「おはようサリナ」

「マスター、おはようございます。ご心配をおかけして申し訳ありません」

 何でサリナが謝るのか、あの状態になるまで僕を助けてくれたのに、なぜ謝る。謝るのは僕の方じゃないか。

「サリナ僕の方こそ」

 サリナはそっと僕の唇に指を当てた。

「マスター、それ以上先はユキさんが帰ってきてからにします。それにマスターの思いは分かりますので」

 あー、サリナは心読むんだよな。

「ですので、それ以上は何も言わなくて良いですよ」

 サリナの気持ちは分かった。だから、全て終わってから、ユキを連れ戻してからもう一回感謝を伝えよう。

「マスター、リンナさんはどこに行ったのですか?」

 リンナの姿が見えなくて、不思議に思ったのかサリナが尋ねてくる。

「リンナは外の空気を吸いたいって、外に出て行ったけど?」

 とても嫌な予感がしてきた。

「リンナさんの生体反応がありませんよ?」

 なに!?

「それはどういう事だ!?」

「リンナさんの魔法の形を記憶してたのですが、その魔法の反応が近辺で一切感じられないのです」

 いや、もしかしたら、ちょっと散歩してるだけかもしれない。

「とりあえずサリナ、リンナを探しに行こう。もう、動けるか?」

「問題なく動けます。行きましょうマスター」



「はぁ〜、私ってば何やってるんだろ」

 数時間前に、少し外の空気を吸ってくると言ってユキを探しに出てきたが、知らない街で何の手がかりも無く無闇に探しても見つかるはずがない。

「そんな事、分かってたはずなのに」

 見つけるのはほぼ不可能と理解していたはずなのに、それでもこうして出てきてしまった。

「私も皆の事が好きだったのかな。好きなのよね、じゃないとこんなに探し回ったりしないわよね」

 見知らぬ街で人々の喧騒が次第に闇に沈んでゆく。

「何だか街に取り残されてしまったみたいに感じるわね」

 皆にはそれぞれ帰る場所があって、自分の幸せに向かい歩を進める。

 私にも帰るべき場所はある。今すぐにでも優人の所に帰りたい。心配されていると思う。

「でも、ユキを探さないと」

 ユキを探すことに意識を奪われていた私は足を滑らして怪我をしてしまった。

「大したことはないけど、痛いわね」

 怪我を見るとじわりじわりと血が滲み出ている。

 私は怪我をした場所を叩き。

「大丈夫。まだ歩ける。まだ探せる」

 そう言って、夜の闇に向かい歩いた。



「どっちかの反応はあったか?」

 僕は隣を走っているサリナに聞いてみる。

「ダメですね。どっちの反応もしません」

 なんでだよ!本当に上手くいかない。

 もっと注意をしていれば良かった。リンナがユキを探しに行くことを予想しておくべきだった。

 今となっては既に手遅れで、結果二人とも行方不明になる最悪の結果が残った。

「待ってくださいマスター!」

 サリナが突然叫んだ。

「どうした?何か見つけたのか?」

「リンナさんの反応がありました」

 リンナが近くに居る?

「こっちです」

 サリナの走る方向に僕も走る。

 既に日は沈み、完全なる闇が街を黒く染める。

「僕のパーティーから許可なく抜けるなて許さないからなリンナ」



「居ました!」

 どこだ?どこにいる?

 サリナは反応で分かるようだが、僕は魔法が使えず目視に頼るしか見つける方法がない。

 それでも、真っ暗な中に少しの光を見つけた。

「見つけた!」

 僕は光に向けて走る。あの光はリンナだ。

 光を捕まえた。

「捕まえたぞリンナ」

「ゆ、優人…」

 泣いていたのか、その顔は涙でぐしゃぐしゃになってしまっていた。

「せっかくの美人がもったいないぞ」

「優人、ごめんなさい。怒ってるわよね?」

「怒ってる?当たり前だろ!どれだけ心配したと思ってるんだ!」

 泣きながらリンナは謝ってくる。そんな言葉は信用出来ない。だから、僕はパーティーのリーダーとして命令をする。

「リンナ、今から一生僕の側を離れるな。これは命令だから拒否権はないからな。一生お前は僕の隣に居るんだ!分かったな?」

 泣きながらだが、リンナは力強く頷く。

 よし、これで一件落着。

「一件落着じゃないですよマスター…」

 そうだったな、まだユキを連れ戻してない。

「いや、それもありますけど」

「はい?それ以外にも何か?」

 ユキを連れ戻す以外にも何かあるか?

「ユキ様を連れ戻すのももちろん大切です。でもそれと同じぐらい大切な事を言ってしまいましたよマスターは」

 僕何か言ったか?

「自覚がないのがズルいです。マスターさっきリンナさんに何て言いました?」

「えっ?一生僕の側に居ろって」

「そこですよ!何ですかマスターリンナさんにデレデレしていやらしい!」

 いやらしい事はないだろ。って僕も咄嗟のことで凄いこと言ってたんだな。何だか今更になって恥しくなってきた。

「私もマスターに告白されたいです!マスターのお側に居たいです」

「サリナ何言ってんの?お前も僕の側から離さないけど?」

「優人はこれを自覚なしでやるからタチが悪いのよね」

「僕の評価下がってない?」

「ほら優人、早くユキを探しに行くわよ」

 さっきまで泣いてたのにもう元気だよ。やっぱり女の子ってよく分からないな。


皆さまお待たせ致しました。そして僕は旅をすることになる最新話更新しました。

4月となり、新生活が始まりましたね。

学生時代はあまり感じませんでしたが、卒業すると制服の偉大さが分かりますね。

当時は私も制服を着て彼女と帰ったりしてたのですが、今ではスーツを着て一人ぼっちで通勤している今日です。

心が折れそう…

そんな事よりもですね、新入生の皆さま、新入社員の皆さま本当におめでとうございます。

皆様の進む先が素晴らしい道であることを願っております。

それでは今回も楽しんでいってください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ