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綺麗な植物と栄養

 本当に綺麗に花が咲き乱れている。遠くで僕のおばあちゃんが手を振っているけど、僕のおばあちゃんはこの世界には居ないはず。

 おばあちゃんがこちらに向かって物凄い勢いで走ってくる。

「お、おばあちゃん、ちょっと待って」

 おばあちゃんは止まらずにそのまま僕にラリアットをかました。

 そこで僕は目が覚めた。


「リンナさん、腹が立つからって流石にこの荷物を投げたらマスター死にますよ?」

「仕方ないじゃない。あんた達がイチャイチャしてるのが悪いのよ」

 僕は目が覚めると同時に正座をさせられていた。

「確かに手伝わなかったのは悪いと思うけどさ、流石にあの荷物投げられると死ぬって」

「死ねばよかったのに」

 リンナさん、その言葉は流石に心にダメージが…

「マスター死んではダメですよ。私はマスターの事を愛していますから。マスターが死んでしまっては、私の生きる意味がなくなってしまいます」

 サリナは相変わらず優しいな。

「変態巨乳好きがマジで死ね! 」

 リンナは相変わらず厳しいよ。

「マスター、リンナさんは俗に言うツンデレってやつなんですよ。死ねとか嫌いは大好きと変換すると分かりやすいですよ」

 ツンデレ?

「そ、そんなわけないでしょ!ほんと優人なんて大嫌い!」

 サリナさん、僕はリンナにめちゃくちゃ嫌われてるようにしか感じないんだけど?

「リンナさんは素直じゃないですね」

「なんでこんな奴の事…」

 僕の心が折れる前に宿を探そう。


 宿を探すために歩いていたけれども、どこを見ても花、花、花。

 花粉がだめな人がこの街に来たら地獄なんだろうな。

「マスター、綺麗な華があるニャー」

 ユキが指で示した方向には、大きな葉っぱと、大きく開いた花が咲いていた。

 その花の蜜を求めて、小さな昆虫たちが寄ってきている。

 その光景は、持ちつ持たれつのお互いに助け合って生きているのだなと思った。

 そして、虫が葉っぱの上に乗った瞬間。

 バクッ!!

「ニャ!?」

 あ~、この植物はあれだな。

「マ、マスター虫がバクッといかれちゃったニャ!どうなってるニャ?」

「あれは食虫植物だな」

「そ、それは何だニャ?」

 食虫植物とは、虫を捕らえて消化し、虫から栄養を吸収する特性のある虫のことだ。

 虫から養分を吸収することができるため、他の植物が育ちにくい環境でも生息することができる。

「マスター、説明するのは結構なのですが、声に出てませんよ?」

「しまった、てかサリナはまた僕の心を読んだのか」

「気のせいですマスター」

 気のせいも何も完全に心読まれてたよね?

「だからマスター気のせいです」

 あぁ、これ以上言ってもダメだな。

「マスターユキにもわかるように説明して欲しいニャ」

「ごめんごめん、まあ簡単に言うと、虫を食べてそこから栄養を吸収するのさ」

 歩きながらユキに説明した。

 説明するとユキが悲しそうな顔をする。

「でも虫さんが可哀想だニャ」

 可哀想だけれどもそうしなければ、その植物は生きていけない。他の生命との生存競争に負けないように独自の進化を遂げてきたのだろう。

「ユキは虫が食べられるのは可哀想に思う?」

「やっぱり食べられるのは可哀想だニャ」

 食べられるのは可哀想。だけどそれは僕たち人間も同じことだ。

 僕たちは動物も植物も食する。

「でも、ユキも動物を食べたり植物を食べたりするでしょ?」

「ユキも食べるけれども…」

「ユキ様、マスターが食事の際にいつも【いただきます】と言ってるのはご存知ですか?」

「マスターはいつもいってるニャ」

「その言葉は、全ての生き物や用意してくださった皆様に感謝する言葉なんですよ」

 命を頂く、自分のエネルギーにさせて頂く。

「命に感謝する言葉ニャ?」

「まあ、そうねりますね」

「ユキも次から使って見るニャ」

 僕も小さい頃に親にこんな感じで教わった気がする。

 いつから言い始めたのかは僕も覚えていないけど、今でもこの言葉は言い続けている。

「優人の親は素晴らしい人だったのね」

「リンナはなんでそう思ったの?」

「だって、今でも癖になってるってことはしっかりと躾をされていた証拠よ。それにしっかりとした躾ができるのは、人間としてしっかりとしている人だもの」

 そう言われて、僕が思い出したのは暴言を吐きながら食事をする親父の顔だった。思い出したくない、見たくもない最悪な顔だった。

「優人、どうしたの?何か気に障る事言っちゃった?」

 リンナが不安そうな顔でこちらを覗き込んでくる。

 僕の顔がよっぽど強張っていたのか、リンナの顔は不安でいっぱいの顔に変わっていた。

「ごめん、大丈夫だよ」

「私、少しデリカシーなかったかもしれないわね。ここに来てるって意味をもう少し考えて発言するべきだったわ」

 この世界に来ている、それが意味するのは現実での生活が通常では無かった。

 それを意味している。

「あ、あそこだ」

 話をしながら歩いていると、いつの間にか目的の宿が見えていた。

皆さま、お待たせ致しました。

まっさんです。

今回もお楽しみいただけましたでしょうか?

少しでもお楽しみいただけましたら幸いでございます。

さて、今回は宿に向かうまでの道中を描いた回なのですが、作中で食虫植物が出てくるので、少し調べました。

やはり1番有名?なのがハエトリグサですよね?

葉っぱがバクっと閉じるやつです。

後は、ポケ○ンのウ○ボットみたいな入り込んできた虫を捕まえるなど、執筆していて食虫植物に詳しくなりました。

本編ではハエトリグサ系の食虫植物でしたが、なぜか食虫植物に少し詳しくなってしまいました。

小説の良いところですよね。

様々な事を調べるので様々な事に詳しくなれる。

次回は宿でお楽しみ?の予定です。

皆さま今回も楽しんでいってください。

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