リンナの異変
「それじゃあ、探索を再開しましょうか」
僕の分のお菓子も食べたおかげなのか、リンナはとても機嫌が良かった。できれば、その機嫌を常に維持して欲しいのだが、人間そんな簡単じゃないと諦めた。
「マスター、思っている通りです。人間簡単に機嫌がよくなりますが、それを常に維持できるわけではありません」
サリナは当然のように心を読むようになってるし、子のパーティー怖い。
「ほら、みんなもぼさっとしてないで準備する!」
「「「はーい」」」
残りの三人が揃って返事をした。
そんな中、ユキが僕にこそっと呟いてきた。
「機嫌が良いって言っても、機嫌良すぎないかニャ?」
その時、僕は気のせいだろと言って軽く流してしまった。
「こんな通路さっきまで無かったわよね?」
リンナが示す方向には通路ができていた。
「なんだろう、ものすごく嫌な予感がする」
「優人は心配しすぎよ、こんなのただの通路だわ」
ユキの言っていたようにリンナの様子が少しおかしい気がする。しかし僕はここでも気にすることは無かった。
「ほらほら、進むわよ」
リンナに促されるままに、僕たちは先に進む。僕の心配が杞憂であることを祈りながら。
「やっぱり何もないじゃない」
リンナはそう言って後ろを振り返る。
振り返ったリンナの後ろに、何か光るものが落ちてくるのが見えた。その時には、僕はもう駆け出していた。
「キャッ!!」
僕は思い切りリンナを押し飛ばした。押し飛ばした場所には、大きな斧が落ちていた。そして僕の右腕が、地面に横たわっているのを確認してしまったのだ。
「う、腕が...」
「マスター大丈夫ですか?」
「こんな時にこんな発言すると余裕と思われるかもだけどさ、大丈夫に見える?」
「いえ、致命的ですね」
「ですよね~」
こみ上げる恐怖心を抑えるための、必死の冗談だった。
「マスターの腕が切れてるニャ」
腕が千切れても、治癒魔法で治るのかな?治らなかったら僕の腕は一生このままなのかな?利き腕がないってどれだけ不便なんだろう?腕が熱い、焼かれているような感覚だ。
一瞬の間に、様々な疑問や感覚が浮かんでくる。
「優人ってば大袈裟ね~」
この時やっとリンナの異変に気がついた。
眼が、リンナの綺麗なブルーの眼が赤に染まっていた。オーラと同じ赤色だった。
「サリナ、とりあえず引っ付けれる?」
「やってみます。光の精よ...」
リンナの声とともに、僕の腕に光が灯る。
数秒の光の後、僕の腕は元の位置に戻っていた。しかし、だめーじの影響か思うように腕を動かせない。
「完全に操られてるよな」
僕は二人に問いかける。
「完全に操られていますね」
しかし、いつ操られ始めたのか?
「おそらく、通路に入る直前かと」
なんで心を読んでるのか気になるが、タイミング的にはそれぐらいか。
「でも、リンナを攻撃することはできないニャ、マスターどうするニャ?」
よく考えろ、通路から操れて、ここでも操作できている。相手がどこでも操る能力を持っているなら、さっきお茶をしている時にはできたはずだ、でも何もしてこなかった。してこなかったんじゃない、できなかったのか。
それならば、相手は必ず僕たちの近くにいるはずだ。
考えろ、どこからなら操れるか、どこに隠れる場所があるか。どこからなら、トラップを発動するタイミングが掴めるのか。
後ろか?
リンナは振り返ったけど、今まで僕たちは一度も後ろを確認していない。
「...遅い、手遅れだ」
後ろから、低く重たい声が聞こえてくる。それに気がついた時には、僕の体は壁に激突していた。
皆さま、本当に申し訳ございませんでした。
4月の上旬頃に投稿する予定をしていましたが、大幅に遅れてしまいました。
本当に申し訳ございませんでした。
今回はもう皆さま忘れてしまったかも知れませんが、前回の続きで探索をしております。
そしてリンナに謎の異変が!?
探索もそろそろクライマックスが近付いてきました。
今回もお楽しみください。
次は早く投稿します。




