お茶の時間
「まさか廃墟の地下がこんなダンジョンになってるとか思ってなかったわ」
リンナは地下に広がる広大なダンジョンに驚いていた。
かれこれ数十分探索しているのだが、何も見つけられない。
「さすがに広いニャー、疲れてきたニャー」
「一度休憩でもする?」
「優人に賛成」
「マスターの意見は私の意見でもあります。マスター何なりとお申し付けください」
最近のサリナのデレっぷりは少し怖いな......
「休憩するニャー!!」
ユキは両手を上げて喜んでいた。
疲れた状態で探索するのは危険だし、ここらで休む方が良いな。
幸いにも、このダンジョンにモンスターは出てきていない。
「サリナ、準備を手伝ってくれない?」
「お任せ下さいマスター」
休憩用の携帯食料を準備するために、サリナにお手伝いを頼んだ。
「風の精霊よ......」
サリナが小さく呟く。
すると、準備しようとしていたものが全て自ら動き出した。
「これで完璧ですよマスター」
ものすごい勢いで準備が終わってしまう。
「サリナの魔法はなんでもありだな」
さすがにここまでできると思っていなかった。
「そんなに褒めても何も出ませんよ///」
と言いながらも、僕にお茶と茶菓子が真っ先に提供された。
「サリナ、贔屓禁止だよ」
リンナがすかさず突っ込む。
「いえいえ、リンナ様よく考えてください。私たちのリーダーであるマスターに真っ先に熱々のお茶を提供するのは当然の事ですよ」
「うっ...」
リンナが言葉に詰まる。
「これは贔屓ではなく当然なのです。上司を優先する、これは社会の常識ですよ」
「わかったわよ!サリナ私にもお茶をちょうだい」
諦めたのか、リンナが半ギレの状態でサリナにお茶を求める。
「リンナ様、人に頼むにはある程度の態度が必要だと思うのですが?」
「うっ...」
リンナが悔しそうに俯く。
「サリナ様、私にもお茶を頂けないでしょうか?」
「それでいいのです」
リンナの元にカップが届く。
めちゃくちゃ悔しそうだが、ともかくこれで休憩ができる。
ちなみに、ユキは僕の次にカップが届いてました。
「今日もリンナが劣勢だったニャ」
「そうだね、リンナは今日も劣勢だったね」
僕とユキでさっきの出来事を、のんびりと振り返っていた。
「じゃあマスター、賭けたお茶菓子1つ貰うニャー」
「今日こそはいけると思ったんだけどな〜」
賭けの分のお菓子をユキに渡していると、リンナがこちらを見つめていた。
「ちょっと2人とも何してるの?」
「えっ?何って、さっきの言い争いの賭けを...」
「はい??待ってよ」
「はい。待ちます」
「何待ってんのよ!!」
え〜、待てって言ったのに。
「優人、ちょっと正座」
「僕は元から正座してるよ?」
「うるさい!正座しなさい!!」
「はい......」
元から正座してたのに、更に正座を求められ、より姿勢が良くなる。
「で、賭けって何?」
「2人以上で自分の物やお金を......」
「賭けの意味ぐらい知ってるわよ!!そうじゃなくて、何で私とサリナの言い争いが賭けになってるのか聞いてんのよ」
「いや〜、楽しそうだったから」
「全然楽しくなんて無いわよ!!」
リンナは顔真っ赤で怒っている。
「ちなみに倍率は、リンナが勝つは相手のお菓子全部だぜ」
「じゃあサリナが勝つは?」
「お菓子1つ」
「私めっちゃなめられてるじゃない!!」
「いやいや、妥当だと思うよ?」
「逆にそれぐらいとしか思われてないのが、すっごく腹立つ」
「2人ともサリナに投票したけど、賭けにならないからってマスターがリンナに変えたんだニャ」
「完全に見捨てられてるじゃない!」
「今回は勝ってくれると思ったのに」
「思ったのに、じゃないわよ!!これは私が負けた罰よ」
僕のお菓子が全部没収された。
「あぁ〜、僕のお菓子が」
「これに懲りたら、賭けは辞めることね」
なぜかリンナはドヤ顔だった。負けたのに。
皆さま、大変お待たせ致しました。そして僕は旅をすることになる。やっと更新できました。
お待たせしてしまい、本当に申し訳ございません。
この時期は学生でも忙しくなりますね。
就職の内定を頂き、研修であっちに行ったり、こっちに行ったりで、春休みが無いも同然です。
それでも、ちゃんと完結までやりますので、そこはご安心下さい。
それでは内容ですね。
上司と部下の関係とは非常に興味深いです。
まずは上司から。これは常識なのですが、この始まりはどこからなのでしょうか?
恐らく、武士が居た時代から続いているのでしょうね。
にしても、サリナとリンナが可愛すぎる!!
ユキは癒し系の感じで、のほほんとしているのがこれまた可愛い!
この2人のバトルはいつまで続くのでしょうかね。
そのうちハーレムとかになりそう。(個人的に1人に絞りたいです)
それでは今回もお楽しみください。
次回は早めに更新できるように頑張ります。




