廃墟
それにしても、どうしたものかな。
肝心の操っているモンスターがどこにいるのか分からない。
恐らく役所にいるらしいが、罠かもしれないしな。
「マスター、顔が怖くなってるニャ。悩みすぎると余計に分からなくなるニャ」
よっぽど怖い顔になっていたのだろう。ユキが気を使ってくれた。
「そんなに怖い顔してた?」
「般若みたいな顔だったニャ」
般若!?そこまで言われると少しへこむ。
「ユキさん、言葉を選んであげないと、マスターのメンタルは豆腐未満なんですから」
サリナのフォロー?でさらに僕の豆腐メンタルは崩れたよ。
「こら!優人をいじめちゃダメだよ!私はいつでも優人の味方だから安心してね」
うわーん。リンナ大好きだー!!
「でも、あまりにもメンタル弱いと面倒くさくなりそう」
上げて落とすスタイルか!!
そんなわけで、役所に向かうことにしました。
「雰囲気出てるわね」
「完全に廃墟だニャ」
「これは、酷い状態ですね」
「こんな所にモンスターが居るのか?」
みんな言っていることは様々だが、共通していたのは、完全に廃墟で誰かいるようには思えないとのところだ。
「とりあえず入る?」
僕の提案にみんな横に首を振る。
「怖いわけじゃ無いけど、崩れるかもしれないじゃん」
「ユキは暗いところ苦手だニャー」
「マスター、偵察をお願いします」
なんでサリナまでビビってるのさ、サリナ天使でしょ?
「天使の前に女の子です♡」
さらっと心を読むようになってるよな?
「それじゃあ、2組に別れて偵察する?」
僕の提案にみんな賛成する。
「マスター行くニャ」
「私と行きましょうマスター」
「優人一緒に行きましょうか」
まてまてまて、それだと全員で行動することになるじゃないか。
「みんなマスターと行きたいのかニャ?」
「当然でしょ。私の隣は優人以外に考えられないわ」
「マスターのピンチを助けられるのは私だけですからね」
お前ら仲良しか!!
みんなが仲良しなのは良いんだけどさ、決まらないじゃん....
「ジャンケンで決めるニャー!!」
ユキの提案でジャンケンすることになったようだ。
「さあマスター、一緒に行くニャー」
結果はご覧の通り、ユキが勝ちました。
二手に別れて、廃墟の中を探索する。
特に話しをする事なもなく、ただ廃墟を歩き回る。
「マスターは、運命を信じるかニャ?」
唐突にユキが話しを始めた。
「マスターは信じるニャ?」
「僕はある程度はあると思うよ。僕達が出会ったのだって運命だし 」
ユキは少し悲しそうな顔をしていた。
「ユキは運命は信じていないニャ....」
「でもさ、僕達が出会えたのも...」
「そんなの結果だニャ!!」
「運命じゃなくて、自分で勝ち取った未来なんだニャ!!」
いつもと全く違うユキの声が二人の間に響き渡る。
「マスターと出会ったのは、ユキが勝ち取った未来なんだニャ....」
ユキがここまで主張するなんて思ってもいなかった。
たしかに今までも主張する事はあったけど、もう少しほんわかとした感じだった。
「ユキ、過去に何があったんだ」
「マスターには関係の無いことニャ。楽しい記憶でも無いから、聞くだけ無駄だと思うニャ」
チョップ!!
「フニャ!!マスター痛いニャー」
「関係ないだと?ユキの勝ち取った仲間は関係無い人間だと言うのか?お前の勝ち取った未来、お前の勝ち取った仲間をもっと信じろよ。それとも僕が信用出来ないか?」
ユキは横に首をブンブン振って答える。
「マスターは信用してるニャ」
「だったら甘えろよ。たまには頼りにしてくれよ」
ユキはぽつりぽつりと過去を語り始めた。
皆さまお待たせ致しました。
投稿が遅れていて、本当に申し訳ございません。
頑張っているのですが、就職活動中で思うように進まない現在。
本当にすいません。なるべく早く投稿できるようにしようと思っています。
今回からはですね、お待たせ致しましたユキのメイン回が続くかも?
いつも元気なユキの切ない過去があきらかに?
次回をお楽しみに。
ちなみに就職面接受けたのですが。
面接官「趣味や続けていることはありますか?」
私「小説を書くことが趣味です」
面「どんな小説を書いているのでしょうか?」
私「現在は異世界の小説を書いてますが、少し前まではラブコメ的なのも書いてました」
面「タイトルを教えて頂いてもよろしいですか?」
私「モブになりたい俺と主人公にしたい世界です」
面「それ、私も読ませてもらってましたよ。最後のシーンとか良かったです、あのシーンは... 」
面接官が読者でした。さすがにビックリ。




