コピー能力?
「マスターが2人いますね」
「どっちが本物なんだニャ?」
「まったく見分けがつかないわ」
僕と同じ格好、そっくりじゃなくて一緒だった。
「僕が本物だよ」
「僕が本物だよ」
同じ言葉を同じタイミングで言ってくる。
これじゃあ、どっちが本物なのか全くわからないな。
「みんな、打ち合わせ通りにするぞ」
「みんな、打ち合わせ通りにするぞ」
うわぁー、ここまで一緒だと気持ち悪いな。
事前に打ち合わせていた通りに、みんなが一斉に走り出す。
打ち合せしていた内容はこれだ!!
逃げる!!
相手の実態がわからないのに、戦いを挑むのは危険すぎる。
みんなで、一目散に走って逃げる。
一人取り残されるモンスター。
僕は去り際に振り返り、モンスターの姿を見た。
モンスターはウネウネと動いて、誰か分からないが人の形をしていた。
「まったく見分けがつかないぞ、あれ」
廃坑から全員で脱出して一息ついた。
「姿も形も言葉までマスターと同じでしたね」
本当にコピー能力だった。
本人と同じ格好で同じ言葉を発する。
「ユキもさすがに分からなかったニャ」
「そうね。私にも違いが分からなかったわ」
これだけ一緒に過ごしてる2人ですら分からないんだ。
「サリナ、魔法の反応はあった?」
サリナは難しい顔をした。
「おそらく魔法を使用してると思うのですが、魔法の反応は感じられませんでしたね」
どうしよう。魔法の反応がないと、いよいよ本物が分からなくなる。
「あんたはコピーされて、何か感じなかったの?」
「そう言えば、あのモンスターが現れる直前に何かに触れられた気がする」
あの時、確実に何かが僕に触れた。
「多分それね」
「どういうこと?」
リンナは呆れ顔になってしまった。
「あんた何でわからないのよ。相手は触れないとコピー出来ないって事でしょ。じゃないと、あんなに広い場所にいないわよ」
広い場所は待ち伏せするには絶好の場所ってわけか。
「だから、広い場所で待ち伏せして、相手に触れられるようにしていたのか」
これで、ある程度のカラクリはわかった。
問題はそのカラクリをどうやって攻略するかだな。
「そうですねマスター。あのカラクリを解かないと勝てませんね」
なぜサリナは心を読んでいるのか….
「ユキに良い作戦があるニャー」
ユキが両手を上げて主張する。
「よし、ユキ教えてくれ」
「あっ、でもこの作戦はマスターには教えちゃ意味無いニャ」
えっ、僕には教えてくれないの?
女性3人で作戦を話し始めた。
「マスター相手ならその作戦で行ける気がしますね」
「私は賛成よ」
「じゃあ、その作戦でいってみるニャ」
3人だけで作戦が決定したみたいだ。
「まあ、こんな感じですマスター」
「僕の疎外感半端ないね」
疎外感が酷かったが、今日は宿に戻る事にした。
「ふぅ〜、今日は大変だったな」
宿にある温泉に浸かって、今日の疲れを癒していた。
「贅沢だな〜」
僕以外には誰も居ない。
こんなにも広い温泉に1人だと、つい泳ぎたくなる。
そんな事を思っていると、脱衣場から話し声が聞こえる。
とてつもなく嫌な予感。
ガチャ!!
前にタオルをかけ、女性3人が入ってくる。
「なんでいるのよー!!」
それは、こっちのセリフなのですが....
「マスターも入ってたのかニャ?一緒に入るニャー」
ユキは無警戒過ぎるよ。
改めて3人を見つめてしまう。
ユキは子供みたいな体型だな。
サリナは相変わらずの悩殺ボディだわ。
「何を言いますかマスター、いつも揉んでるじゃないですか ////」
まてまて、言ってないし揉まされてるが正しいから。
リンナは意外と着痩せするんだな。
ふっくらと主張する胸、スラリと伸びた足。
やばい、普通に可愛い。
じっくりと眺めていると。
「いつまで見てんのよこの変態!!さっさと出て行けー!!」
「僕は悪くないのにー!!」
ビンタされて、渋々温泉から出て行った。
そして、その夜の事。
「リンナさ〜ん、寝てますか〜?」
「Zzz....」
完全に寝ているようだった。
ほっぺたをツンツンとしてみると。
「うぅ〜ん....」
「寝ていますね〜」
さっきの仕返しといきますか。
試しに鼻を摘んでみる。
「ふごっ!!」
よしよし、まだ起きてないな。
もう少し強く摘んでみる。
「あんた、何してんの?」
あっ、起きた。
「何と言いますと....」
「なんで私の鼻を摘んでるの?」
それでも、リンナの鼻を摘むのを辞められない。
てか、鼻が気持ちいい。
「そこに鼻があったから」
「私の言いたい事が分かる?」
これはまずいやつだ。
「いつまで鼻を摘んでるつもりなの?」
「気持ちいいからつい....」
「そこに正座」
「はい」
ビンタされて、正座されられて、踏まれて、朝までお説教されました。
お待たせ致しました。まっさんです。
寒くなってきましたね。東京では五十何年ぶりの11月の雪だとか。
そんな寒さに負けず、お外で執筆しております。
本当に指動かない、寒すぎてお家帰りたい。
いや、今日も一日頑張るぞい。
そんなこんなで、内容です。
あの、主人公が変態になってきてませんかね?
私が日常のパートを書くとなぜか、変人か変態になってしまう。
そんな優人くんですが戦う時はカッコイイですよ?
以前までの戦闘シーンを見ていただければわかると思います。
そして、その後の温泉!!
これは完全に私の温泉行きたい欲が出てしまいました。
温泉と言えば、もちろんあれですよね。
皆様、お楽しみいただけましたか?
とりあえず次回ぐらいからはモンスターとの戦闘がメインとなると思います。
今回もお読みいただいてありがとうございます。
これからも頑張りますので、よろしくお願い致します。




