別パーティー
店の奥に案内された僕たち。
そこに居たのは、幼さの残る少女だった。
「ねえサリナ、本当にあの子なの?」
「はい。あの幼き少女です」
こそこそとサリナと会話する。
少女と目が合ってしまった。
「お前達か?私に話を聞きたいと言ってきたのは」
堂々とした態度でこちらを見てくる。
「ほう、そうか。お前の名前は?」
「僕は優人です。今日はお話を聞かせてくれると」
なんだろう、すっごい威圧感で押されているような気分だ。
「よろしくな優人、私は真希」
「真希さんよろしくお願いします」
真希さんに促され、席に座る。
「それで、何から聞きたいんだ?」
「それでは、そのモンスターってどんな形をしてますか?」
まずは相手の確認からだ。
これは、前回の海で学んだ。
「どんな形か、完全に人間と同じだ」
えっ、どういう事?困った顔をしてると、真希さんが補足してくれる。
「だから、完全に人間なのだ。身長も体格も普通の人間と同じなのだ」
それって、見分けがつかなくて面倒な戦闘になりそうだな。
「それに、あいつはこちらのパーティーの誰が一人になりきる。特にリーダー格の人物と同じ顔をする」
はい?ますます分からなくなってきた。
「まったくお前は物分りの悪いヤツだな。だから、相手の顔をコピーする能力があるのだ」
なるほど。
「質問はもう終わりか?」
「まだ、少しいいですか?」
「何でも質問してくるが良い」
「攻撃のスタイルは何ですか?」
これも、魔法か物理かで戦い方が変わってくる。
「攻撃か、基本は物理攻撃だろうな」
良かった、魔法だと対策が大変になってくるからな。
少し僕は安心した。
「だが、変装は魔法を使っているだろうから、魔法攻撃も視野に入れておくべきだ」
なるほど、確かに変装できるなら魔法が使えるって事だからな。
「最後にもう一ついいですか?」
これを聞いておかないと、ここまで来た意味が無い。
「好きにすれば良い」
「真希さんのパーティーは何故負けたのですか?」
そう聞くと、真希さんは少し笑った。
「まったく厳しい質問だな」
「すいません、でも聞いておきたくて」
「そうだな、パーティーの全員が私の偽物に惑わされたのだ」
惑わされた?どういう事だ?
コピーするだけじゃないのか?
「そろそろ良いだろ?」
聞けた事は多くは無いが、それでも役に立つ事を教えてくれた。
「わざわざありがとうございます」
僕がそう告げると、真希さんは店を出てしまった。
ってあの人、伝票置いて帰った。
「これって、支払い僕達になるよね?」
「ではマスター、ぜひサリナからコスモを取り出してください」
サリナが胸を主張しながら迫ってくる。
もうやだこんな異世界。
サリナの胸を堪能し....触らされた後、僕達は宿を探しに向かう。
そこまで、遠くない所に宿を見つけた。
「よし、ここに泊まろう」
宿に入ると問題が発生した。
「すいません、三人部屋しか空いてません」
困ったな、僕達は四人いるぞ。
「そこで大丈夫です」
サリナが勝手に返事した。
「えっ?でも三人部屋だよ?」
「何言ってるんですかマスター、マスターは廊下です」
あ、あの、サリナさんそれは酷いのでは?
「そんな事ないですよ?まあ、仕方ないので押し入れにしてあげます」
てか、普通に心読んでるよな?
「読んでませんよ?」
いや、読んでるだろ!てか今も読んでるじゃないか。
仕方ないので、押し入れで妥協した。
俺だけ押し入れとか、ホントにマスターなのか?
「おはようございます」
僕は押し入れの中で目が覚めた。
一人で誰に言う訳でもなく、とりあえず朝の挨拶をしておいた。
静かに押し入れから出ると、皆はまだ眠っていた。
「そうだ、たまには驚かしてやろう」
まったく、くだらないことを思い付いた。
「確かここにあったはず」
カバンをあさると、奥の方に眠っていたお面が出てきた。
そのお面は、般若の顔をしている。
その時は、ただの珍しさに惹かれて買ったのだが、ここで出番が来るとは思ってもいなかった。
「これを付けて、誰にしようかな?」
般若のお面をつけて、誰を驚かそうか悩む。
太陽はまだ昇ってなく、薄明かりに照らされた般若が見える。
「よし、いつも殴られているから、リンナにしよう」
こそこそとリンナの布団の側に向かう。
「よし、目標発見」
肩を優しく叩く。
ゆっくりとリンナが目を開いた。
「ギャーーー!!」
まんまと引っかかったな。
しかし、その声でみんなが起きてしまった。
「どうしたのですかリンナさん?」
「リンナは朝からうるさいニャー」
「だって、そこに般若が......」
やばい、みんなに気付かれた。
「って、あんた何してんの?」
「般若って、マスターじゃないですか」
般若の正体が分かったリンナは、みるみる怖い顔になる。
こんな時は逃げるに限る。
「メデューロ」
サリナの言葉と共に、体が動かなくなる。
「リンナさん、しっかりと動かないようにしておきましたよ」
「ありがとうサリナ。おい、お前、そこに正座」
「あ、あの、正座したくても体が」
「正座って言ってんのよ!!」
バチーン!
思いっきりビンタされた。
「ありがとうございます......じゃなくて痛いだろ!」
「マスターありがとうございますって言ってたニャ」
「ユキさんマスターは変態なので、気にしてはいけませんよ」
「お前殺す。3回は殺す」
物騒な事を言っているな。
「さっさと正座しろー!!」
僕のドッキリは成功したが、ある意味、大失敗しました。
皆様、お待たせ致しました。まっさんです。
そして僕は旅をすることになる、いかがでしたか?
楽しんでいただけましたか?
えっ?楽しくない?
それは、大変申し訳ありません。より努力いたします。
まあ、それはそれで、本当にお待たせ致しました。
毎回、約2000文字とあまり多くは無いので出来るだけ早く投稿できるように頑張ってはいます。
今回は、初めて別のパーティーが登場します。
パーティーと言っても、リーダーだけですが。
そして、次のモンスターの大体が出ましたね。
人の形でコピー能力と、割と鬼畜じゃないかな?
あっ、普通ですか。なるほど。
真希ちゃんも、再登場の予定がありますのでロリコン紳士の皆様お楽しみに。
それでは、ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します。
それでは、今回も楽しんでください。
皆様からのご意見、ご感想、評価等もお待ちしております。




