新しい場所
「おい変態、リンナお腹空いた」
パーティーのリーダーに変態って。
「お腹すいたって、さっきも何か食べてなかった?」
「あれは、おやつよ。ご飯が食べたいなって思ったの」
なんで僕のパーティーは大食いしかいないんだ。
「そろそろ、休憩にしてよ」
リンナが頼んでくる。でも、もうすぐノーブルに到着するはずだしな。
「マスターの言う通り、もうすぐノーブルに到着しますよ」
「あの〜サリナさん、言ってはいないよ」
「はて?そうでしたか?」
あれ、僕がおかしいの?もしかして口に出してた?
「あぁ、確かに口にはしてませんでしたね」
だから、心を読まないでって言ってるのに...
「リンナももう少しだけ我慢できる?」
「フンッ!子供じゃないんだし、我慢ぐらいできるわよ」
それを聞いて、サリナが鼻で笑った。
「子供でもないのに、マスターにご飯と甘えるのですか?」
「だから、我慢できるって言ったでしょ?あんたは耳も付いてないの?」
売り言葉に買い言葉、二人はすぐにヒートアップする。
「二人とも仲が良いニャー」
ユキが二人を眺めながら呟いた。
「あれって、仲良いのか?」
「男の子には分からない仲の良さってあるんだニャ」
確かに僕には喧嘩しているようにしか見えないが、よく考えたら僕以外は女の子だし、女の子にしか分からないこともあるのかな。
「マスターは、このパーティーの中で誰が一番可愛いと思うニャ?」
サリナとリンナが喧嘩している中で、そんな事気にもしないようにユキが聞いてくる。
「僕は全員がそれぞれの可愛さがあると思うよ」
「それには、ユキも含まれてるのかニャ?」
「もちろんだよ。ユキだって可愛いよ」
そう言ったら、ユキはとても嬉しそうに笑った。
そして、ユキは照れながらこう言った。
「じゃあ、ユキにキスして欲しいニャー」
ファッ!?キスって??
「唇じゃなくても良いニャ」
あたふたしていると、喧嘩していた二人からの痛い視線が飛んできた。
「マスターのロリコン」
「一瞬でも優人の事を信用した私が馬鹿だったわ」
ちょっと待ってよ、僕まだ何もしてないのに。
それに、リンナ僕の事を優人って言わなかった?
更に不運が僕を襲う。
馬車が大きく跳ねて、衝撃でユキを押し倒す形になってしまった。
「マスター、さすがに大胆だニャー///」
そして、今までは痛かっただけの視線が、殺意の視線に変わる。
「マスター、とりあえず正座です(ニッコリ)」
「優人、正座よ(ニッコリ)」
拝啓お父様、お母様、僕は異世界にいじめられています。帰りたい。
正座してお説教されている間に、ノーブルに到着していた。
街のどこに行っても、音楽が聞こえる。
とても穏やかで、落ち着く曲ばかりである。
そう、クラシックの様な曲だ。
「もっとノリノリの曲はないのかな?」
「ノリノリの曲って優人はロックでも好きだったの?」
リンナが質問してくる。
「いや、記憶は無いから分からないけど、ここまで落ち着いた曲ばかりだと、ノリの良い曲が聞きたくなってね」
「確かに気持ちは分かるわよ。落ち着きすぎってか、何だか眠たくなるのよ」
リンナの同意を得れた。
「マスター、問題のモンスターなのですが...」
次はサリナが重要な話をしてくる。
「そうだったね。モンスター退治をしないとね」
すっかり忘れていた。目的はモンスターであって、音楽鑑賞じゃないんだった。
「そうですよマスター。目的を忘れないでくださいね」
今回は心を読んだのか?微妙だったので指摘はやめておこう。
「それでなのですが、別パーティーからお話が聞けるそうなのです」
「そうなんだ。別パーティーって初めてだね」
「天使のネットワークを使い、別パーティーの天使にお話をしておきました」
天使のネットワークって凄いな。
「天使のネットワークって事は、TNTとでも名付けてるの?」
「マスター、それは爆薬になっちゃうニャ」
「優人は、この街を吹き飛ばすつもりなのかしら?」
二人とも僕へのツッコミは完璧だった。
「残念でしたマスター。名前はWWNですよ」
その後、詳しく説明された。
そして、話し合う時間と場所を教えてもらい、パーティーのミーティングをすることになった。
「ほんとにここなの?」
指定された場所は、キャバクラ?みたいな所だった。
「ここのようですね」
こんなお店に入った事ないので、ドアを開けるのも緊張する。
「早く開けなさいよ」
「そんな事言っても、なんか緊張しない?」
「マスター、大人の扉開けちゃえニャー!」
ユキが意味深な事を言い出した。
「優人何しようとしてんのよ!」
バチン!!
「ありがとうございます!じゃなくて、何するんだよ!」
思いっきりリンナにビンタされた。
言い間違えたからか、女性陣がドン引きしていた。
「とりあえず入ろうか」
木製の少し重たい扉を開く。
「お待ちしておりました勇者様」
扉を開けるなり、受付の犬耳女性に言われた。
犬耳お姉さん、ありだな!
「マスター、ぶっ飛ばしますよ?」
「本当にすいません。でも、心を読むのは...」
「さて、何のことですか?」
うぅ、サリナが怖いよ。
「ご案内いたします。こちらへどうぞ」
そう言われて店内の奥へと連れて行かれた。
そこに居たのは、まだ幼さの残った少女だった。
皆様お待たせ致しました。
そこそこ時間かかってしまいましたね。
そんなに悩んだわけではありませんが、細かいところの設定で悩んでおりました。
お待たせしてしまって本当に申し訳ありません。
でも、内容的には満足なので、これをもっと早いペースで投稿できるようになれば良いのですが...
とりあえず今回の内容を
今回は新しい街に到着です。
音楽の街にしましたが、ロックとか、デスメタルとかの音楽が流れている街にしようと最初は思ってました。
でも、さすがにそれは無いなと思いとどまり、無難なクラシックに落ち着きました。
やっぱりクラシックは落ち着きますね。
眠たくなっちゃいます。
そして、マスターの性癖が変になってきた。
やばいな、こんな予定じゃ無かったのに。
そんな所も楽しんでいただけると嬉しいです。
それでは、今回もお楽しみください。




