表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/51

海の脅威

 馬もすっかり元気になり、順調にディーダに向かっていた。

「マスター、ユキさんもうすぐディーダに到着します」

 長い長い馬車生活も終わりが近付いていた。

 民家などが見かけられるようになったいた。

「そう言えば、この馬車はどこに置いておけば良いんだ?」

 普通は借りたら返さなければいけない。

「マスターそこは心配ありません。あの店は世界の様々な所に店がありますので、ディーダにも同じ名前の馬車屋がありますよ」

 なるほど、借りて行き先の店で返す。そのまま次の人に貸し出す。

 いつでもどこでも馬車がある状態に出来るって事か。

 この世界の人は頭がいいな。

 長い馬車の旅も終わりである。

 僕達はやっと馬車屋の前にたどり着いた。

「お疲れ様、お前のおかげで楽だったよ」

 僕はそう言って、馬の頭を撫でてあげた。

 言葉が分かるかのように、嬉しそうに目を閉じて頭を下げた。

「馬さんありがとうニャー」

 ユキが馬の前に立つと、馬はユキと頬ずりしていた。

 こいつ人間の言葉分かるんじゃないか?

「馬は頭が良いからもしかしたら、分かっているのかも知れないですよマスター」

 お前はなぜ心を読めるんだよ!

「まあ、良いとして、とりあえずこの街を少し歩き回ってみようか」

 二人に言ってみると、二人ともノリノリだった。


 さすが港町だな。すぐ目の前には紅い海、無数の船、今まで魚を捌いていたであろう競り市場。

 海が紅い事以外は、いつものような街の風景が広がっている。

「サリナ、海が染まってしまった原因はモンスターなんだよね?」

「そのようですね。今までもモンスターが出現する事はあったようですが、おそらく紅いオーラを纏ったおかげで、いつも以上に染めてしまったのでしょう」

 そう言うとサリナは、近くの建物に飾られていた絵を指さす。

 そこには、船の上で書いたであろう絵が飾られている。

 その絵には、一部が紅く染まった海が描かれていた。

「普通ならこのぐらいで、ここを避ければ問題無かったのかな」

「そうでしょうね」

 現在の海を見てみると、漁港から見えるのはどこまでも紅く染まった海であった。

「倒しに行くにしても、ユキたち水中で呼吸できないニャー」

「問題はそれだよね」

 当然ながら、僕達は肺呼吸しかできない。

 そんな僕達が海のモンスターを倒すなんて出来るのだろうか?

「あっ、私の魔法で海でも、陸と同じ動きができるようになりますよ」

 魔法かよ!

「魔法ですよ」

 だから、心を読むなって!

「これで、安心して海に潜れるニャー」

 両手を上げて喜んだユキに、サリナが一言付け加える。

「でも、この魔法の効果時間は、およそ十分ですよ」

 ここに来て、いきなりそんな制限があるのですか?

 さすが異世界、俺達がスムーズに進み始めた瞬間に阻害しよって。

「私の魔力を使いますので、戦闘に参加する場合はもう少し短くなるかと」

「マジかよ、五分ぐらいで仕留めなければ、戦闘が厳しくなってくるのか」

「結局、どういう事だニャ?」

 理解出来ていないユキのために、簡単に説明してやる。

「それは辛いニャ!」

 やっと理解出来たようだ。

「まあ、とりあえず情報収集するか」

 敵を知らない事には戦えないので、地元の人達に聞き込みをすることにした。


「いきなり、海が染まったんだよ。それで、漁に出てた仲間の船が沈められて、そいつはなんとか帰ってきたんだが、それっきり漁に出た人間は居ないな」

 漁師の人数人に聞き込みをしたが、ほぼ全員が同じような事を教えてくれた。

 突然であったこと、船が沈められたこと、ここは誰に聞いても同じであった。

「マスター、どうしますか?」

 どうしようもない、それが正直な感想であった。

「うーん、せめて相手がどこにいるのか分かれば少しは対策できるのにな」

「漁師の方も、沖あたりで、どこかははっきりしないみたいですね」

「マスター、どうするニャ?」

 ほんとにお手上げ状態である。

「とりあえず、誰かに船を借りて近くまで行ってみるか」

「でもマスター、もうすぐ日没ですよ」

 海は太陽に照らされ、本来の紅い夕焼けの海になっていた。

 あれ、なんで今は本来の紅になってるんだ?

 夕焼けに照らされ、元の色に戻った海。

「なるほどな、少し分かった気がする」

「マスター、どうしたんだニャ?」

「いや、少し攻略法がわかった気がするんだよ」

「とりあえず、宿を探そうか。そこで、説明をするよ」

 日没なので、とりあえず宿で一休みする事にした。


 やっとの事で見つけた民宿。

「てか、泊まるところ少なすぎだろ!」

 ここを見つけるまでに、どれだけさまよった事か。

「仕方ないですよマスター。この騒動が世界に知られてしまって、ここに来る人が減って、今は休業してる店が多いですから」

 これが天使ネットの脅威か。まあ、危険と分かっている所に来る人間は少ないよな。

「それでマスター、何を思いついたんだニャ?」

 ユキが急かすように聞いてくる。

「まず、なんで夕方に普通の色に戻ったかだ。俺の予想は、あのモンスターは夜は活動しない」

 それは、漁師の人の話から推測できた事ある。

 夜は海が元の色に戻っていると言っていたしな。

「なるほど、ではマスター、そこからどうするのですか?」

 そう、ここからが重要だ。夜活動しない事が分かっているなら作戦は一つしかない。

「夜に奇襲をかけて、殲滅する」

 なんともわかりやすく、効果的な作戦だ。

「じゃあ、いつ開始するんだニャ?」

「さすがに、今日は休もう。明日にでもやってみようか」

 今日来て、今日やるのは、疲労から失敗するかもしれないから、明日にする事にした。

「じゃあ、今日はマスターの腕で寝るニャー」

 ユキが僕の腕に抱きついてきた。

「ちょっ、ユキ、それはさすがに」

「ユキさん」

「ニャウ!?」

 サリナが笑顔でユキに声をかけると、ユキの体が固まった。

「それは、やりすぎなのでは?」

 ユキは固まった体から、なんとか言葉を発した。

「サリナも逆側で同じ事をやれば、まったく問題ないニャ」

「なるほど、ユキさん頭良いですね」

 そう言って、サリナは逆の腕に抱きついてきた。

 二人ともお願いだから、僕の事も考えてよ。

皆様、お久しぶりです。まっさんです。

台風が発生して、もう、夏も終わりですね。

皆様は、台風の影響は大丈夫でしょうか?

夏だから海の物語と考えて、この回まで書いてますが、もう終わりじゃないですか。

ここだけの話、そこまでここの街を長引かせる気はありませんが、やっぱり綺麗に終わりたい。

そう考えると、しっかりと解決しないと。と思い長くなりそうな気が...

それでは、謝辞を。

ここまで読んで下さっている皆様、この回だけでも読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。

これからも、面白い物語が書けるように努力いたしますのでよろしくお願い致します。

短いですが、ここら辺にて失礼いたします。

夏も終わりかけですが、熱中症には気を付けて下さいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ