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ツルッぱげ!  作者:
7/14

No.7 ハゲしい文化祭 前編

イベント大好き、豊です。という訳で、三話ぐらいに分けて文化祭を。

……………


夏の文化祭当日になった訳なんだが、男子はあの後全員執事やらされることになった。


反対する奴もいたが、志流真みたいに瞬く間に、駆逐されていた。


で、今はクラス全員で模擬店となる教室で円陣を組んでいる。


「一番儲けてぇ、明日の夜に飲み会やるぅぞぉ!」


「眞那姉に従えば、楽勝ですから逆らわない様にしてくださいね。」


「「「「「おーーー!!」」」」」


という感じに盛り上がり、女子はキッチンとなる所へ。


男子は控え室で待機して開場を待った。


「例年通り客は多いみたいですから、儲けて下さいね。」


などと実沙綺が各執事にいい回っている。


いやぁ、緊張とかじゃなく、羞恥心がかなりあって、嫌なんすけど。


左隣の志流真は足震えてるし、右隣の裕大は仲良く河と談笑してるし、なんだか嫌だな。


普段執事を雇っているからかな?


そんな俺を無視して、開場時間は刻一刻とせまっている。


そして、


「さぁ、開場1分前だよぉ。入り口前に並んでぇ。」

続々と執事たちは入り口前に並んでいく。


一応俺も並んだ。


とうとう、この時が来た。


「お帰りなさいませ。お嬢様。」


一斉に頭を下げる。


客さんは予想以上にいた。


それも美人ばかり……。


「お嬢様、こちらへ。」


基本、客は1人1組で1つのテーブルに案内する。


そう基本は、だ。


「はぁ!? 何で俺らが離れ離れにならないとダメなんだよ!? おかしいだろ!?」


怒りで椅子を蹴飛ばす威裟矛。


それを何故か、若干頬を赤らめて、欠伸をして見つめる瑠羽那。


あぁ! もうやってらんねぇ!


なんでこんなコトになるんだよ!


てか、威裟矛は怒りすぎだろ!


営業妨害だろこれは!


「お止めくださいご子息様!」


あーらら、かなり困ってるな。


ここは俺の出番だな。


「威裟矛様、椅子を用意させて頂きますので、どうかお静かに御願いします。」


な、な、な、志流真ぁ!?


あいつ、爺みたいな髭はやして、髪の毛も白くして、どうしたんだ!?


しかもやけに落ち着いてるし!


「し、仕方無いな。志流真に免じて許してやるよ。」


落ち着きを取り戻す威裟矛。


すげぇ迫力だったぁ。


その前に志流真すげぇ。


マジで驚いた。

今度、執事として、雇おうかな。


などと、俺が考えているうちに店内にはかなりの客が入っていた。


「志流真さぁん、3番席指名入りました。」


焦りながら志流真が駆けていく。


「志流真さぁん5番席指名入りました。」


また駆けていく。


「志流真さぁん7番席指名入りました。」


すげぇ人気じゃないか!?こいつぁかなり金儲け出来るな。


つーか、かなり暇なんすけど……。


いや、その前に爺みたいな志流真が何故あんなに指名が入るんだ!?


「裕大さぁん8番席指名入りました。」


裕大がゆっくりと歩いていく。


「裕大さぁん12番席指名入りました。」


……いやぁ、繁盛するっていいねぇ。(泣)


悲しくなった俺は裏に回り込み、指名表を見た。


指名数トップ志流真35、2位裕大27、3位伊志田光成20、俺、0。


……どうしようか。


誰か俺を指名してくれ。


そんな俺を横目に忙しそうに働く志流真たち。


……ちょっと羨ましい。


誰でもいいから客を分けてくれぇ。


「泰世ぁ!? 暇そぉねぇ。ちゃんと働きなさいよ!」


働きたくても指名が無いけりゃあ働けねぇだろ!


「なんか文句あるの!?」


……はい、すいませんでした。


で、何をすればいいんだ? 皿洗いか?


「泰世さぁん、1番席指名入りました。」


「だってぇ。」

そう言って眞那は後ろから突いてきた。


誰かは知らないけど指名ありがとー!


「お待たせしました、お嬢さ―――円ぁ!? どうしてここにぃ!?」


1番席にはニコニコと悩殺スマイルを振り撒く円が座っていた。


「あ、いや、千里が来たいって言ったから着いてきたら、本多君の名前があったから……。」


俺に会いに来たんじゃなくても指名ありがとー!


けがの功名って奴?


「それはちょっと違うと思う……。」


まぁそれはいいとして、何か食べる?


「じゃ―――」


「泰世ぁ! お嬢様に対してその態度は何!? 身分をわきまえなさい!」


「眞那姉は地獄耳だから何でも聞こえるので、無闇に変なこと言うと、地獄に落ちますよ。」


こ、こぇ。


ってか、いつの間に居たんだよここに!


「じぃーーー。」


……


眞那の殺気がおおいに感じられたので、仕事でもしよう。


お、お嬢様、何か食べますか?


「じゃあ、カレーライスとコーヒーブラックで。」


かしこまりました。


……なんか変だよな。


爺たちはいつもこんな思いをしているのか?


それならちょっと気を使わないとな。




「お待たせしました、お嬢様。」


出来上がったカレーライスとコーヒー、ブラックを置いた。


円はカレーライスを見つめて、1口。


……


「おいしぃ!」


おぉ!


俺が作った訳じゃ無いけど、なんだか嬉しい。


じぃー、とカレーライスを小さな口で食べる円を見つめてしまう。


「何かついてますか?」


あ、いいや。


何もついてないよ。


……これじゃあ純愛小説になっちまう。


なんとしても止めなければ……。


「泰世さぁん、2番席指名入りました。」


うおっ!?


いきなりだな。


では、お嬢様失礼ですが行ってきます。


「行ってらっしゃい。」


笑顔で送ってくれる円。


こういうのもいいな。


「泰世さぁん、9番席指名入りました。」


「泰世さぁん、3番席指名入りました。」


次はあっちか!


「泰世さぁん、6番席指名入りました。」


今度はあっちか!






―――昼休憩―――


はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、疲れたぁ。


ありえねぇ、1時間で40以上指名なんて、ありえねぇ。


「みんなぁ、いいねぇ、早くも黒字だよぉ! まぁ欲張らずに午後はランキング上位5名は抜けていいからねぇ。」


「お昼ご飯は他店で適当に食べて来てください。くれぐれも店の物を食べないように。」




やったぁ! 自由だぁ! ギリギリ5名枠に入れたぁ! 神様、仏様、お嬢様、ありがとー!!

寒いですねぇ。布団から出たくないですよ。風邪気味だし……

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