No.13 祭で悲しむハゲ
短く!
後夜祭は屋上で開かれていた。
俺たちが着いた時には既に他のメンバーは揃っていて、結構盛り上がっていて、テーブルの上には各模擬店の品物が並んでいる。
かなり豪華…とはいかないが、普通の家庭の生徒から見ると豪華だろう。
にしてもだ、少し酒臭い奴がちらほらいるが、まさか…。
「泰世ぁぁ遅いぞぉぉ。ヒック!」
古典的なしゃっくりをして裕大が近付いてきた。
こいつかなり酒臭い。
結構飲んでやがる。
未成年のクセに酒なんか呑みやがって、先生に見つかれば確実に退学だぞ?
心配を知らない裕大は缶ビール1本一気飲みする。
急性アルコール中毒なっても知らねぇからな。
ぐぅぅぅぅ。
ま、まぁ腹ごしらえでもしようかな、おっ、あの焼きそば美味そう!
「本多君、ちょっといいかな?」
焼きそばを紙皿によそっていると、テーブルの向こう側から円が話しかけてきたが、何だか円は深刻な顔をしている。
ん?どうした?
「私ね…イギリス行くことになったの……」
……そっか……。
いきなりすぎて返す言葉が見つからなかった。
俺は焼きそばを諦めて走り出した。
大きすぎるショックだった。
「なぁにやってんだ?泰世らしくないぞ?」
志流真……
「ほら!泰世の好きなインスタントラーメン、しかも野菜をいっぱい入れといたから食え。」
優しすぎる志流真の手からラーメンを受け取り、割り箸を綺麗に割って麺を胃の中に流し込む。
この人参うめぇ…わ。
この大根も、この白菜も、このキャベツも、この水菜も、このピーマンも、この蓮根も、この里芋も、長芋も、そして……この強烈な臭いを放つドリアンも
って、何入れてんだよ!
ドリアンは無いだろ!
マジであり得ないって!
「元気出ただろ?」
た、確かにそうだけど…さ、マジでドリアンはないわ……。
そう思わないか?
「すまん、俺ん家一家全員ドリアン好きだからわからんわ。」
あっそ……
「まぁ帰るぞ、みんな待ってるからよ。」
ぁぁ……
志流真……かっこよすぎだよ……。
遅くなりましたが、明けましておめでとう御座います!! 今年も宜しくお願い致します!!