学年主席
次の日は入学式的な事が行われる日だった。
朝早くに先輩に呼び出された。
「お前がラース・ウィルターか?」
「そうですが、何でしょうか?」
「俺はこの学校生徒会長しているキュラ・ベーソスだ」
「その会長がどのようなご用件で?」
「お前に学年主席の言葉読んでもらうためその紙を渡しに来た」
「学年主席ですか?」
「そうだ。毎年特待生にしてもらっているのだ」
「では他を当たってください」
「ん?知らないのか?特待生は毎年2人までしか取らないのだ。そして片方が普通の特待生。もう一つが十傑会これは10人で構成される特待生の更に上だ」
「それで僕がその十傑会の一員だという事ですか?」
「そういう事だ」
「分かりました。伝統と言う事でしたらお受けします」
「ありがとう。困った時は力になるからいつでも相談しに来てくれ」
「はい。宜しくお願いします」
俺は皆の前で喋らなければならない。
5歳児が10歳以上年上もいる中で代表として話す辛さを知ってくれ。
そんな事を考えていても時はやってくる。
校長の話が終わり、俺の番がやって来た。
「これより今年度学年主席のラース・ウィルター君に挨拶してもらう」
教頭が司会をしている。
俺は舞台に上がり渡された紙を読んだ。
それからホームルームに行った。
特待生はホームルームのみ必ず出なくてはならない。
もちろん十傑会の人達は行かなくていい。
しかし、俺は初めてだったので、行く事にした。
雰囲気を知っておきたかったのだ。