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1st Contact 【警察庁刑事局への着任を命ずる】

1st Contact 【警察庁刑事局への着任を命ずる】


◆ 2080年11月31日 晴れ ◆

■ 警察庁合同研修施設 ■

警察庁合同施設は、その通り警察庁職員の初任研修及び幹部研修が行われている。


2010年代に導入された「マイナンバー制」が導入された。

それに続く形で2050年に「国民情報管理法」が成立した。

全国民の静脈・網膜のパターンが登録され…そして管理されるようになった。

行政サービスの充実を目的とし、今では多くの企業もこれに賛同している。

情報化社会もこれに拍車をかけ、今では国民がこれを用いている。

この制度が導入されてから、日本では犯罪という行為自体が激減した。

街中に張り巡らされた赤外線カメラを経由して人の健康状態を管理、

異常が見られた人には観察対象ということで保護される。

そんな中で、警察制度を引き継ぐものとしてあるチームが発足した。

厚生労働省と警察庁、公安調査庁が一体の合同チームを作り、

新たに「警察庁刑事局」に1課5係が編成された。

専門分野に卓越した者が主に配属され、それぞれの任務にあたる。


■ 合同研修施設A棟 特別研修エリア ■

「状況開始! 対象は、α通路からβ通路へ向け逃走中」

耳に付けているインカムから状況開始の合図と情報が送られる。

「鎮圧執行をコードAに設定、対象者を鎮圧せよ。」

手に持っている拳銃には、色々な改良が施されている。

設定次第では通常弾を発砲することも可能ではあるが、

コードA……つまり、スタンバトンかスタン弾での鎮圧を行うということだ。

スタン弾は、空薬莢の中に衝撃信管と電流をセットしてある。

対象に当たると衝撃で衝撃信管が作動して、電流が対象に流れる仕組みだ。

スタンバトンはお馴染み、スタンガン形式の特殊警棒である。

走りながらルートを思い描き、左に曲がる。

「こちらシェパード、対象を発見。α通路南側、対象は38口径拳銃を所持」

「シェパードtwo、α通路南西側。現状待機し、対象と交戦します」

シェパードtwoというコールサインを用いる彼女は、

南側から駆けてくる足音に耳を澄ませてタイミングよくスタンバトンを振った。

「うっ……!」

ちょうどタイミングよく来た対象の胴体にスタンバトンが当たり、

電流が対象に流れる。

「ドタッ!!」

体が地面に完全に崩れたのを見計らって近づき、対象から拳銃を押収する。

腰のポケットから黒色に縁どられた手錠を取り出し、対象に掛ける。

「こちらシェパードtwo、対象を鎮圧。拳銃1押収、状況終了」

インカムにそう発したのとほぼ同時に、インカムが鳴る。

「状況終了、氷野と片瀬のペアは教官室に出頭する様に」

「シェパードtwo、了解」

「シェパード、了解」

インカムを耳から外し、スタンバトンを腰に収める。

ショートカットの髪を軽く整え、教官室へと歩き始めた。


■ 合同研修施設A棟 教官室前 ■

「朱梨~ お疲れ様!」

向こう側から駆けてきたのは、同期の 片瀬 葵。

コールサインは「シェパード」、私のペアとなる所謂…相棒である。

「葵もお疲れ。大丈夫そうね?」

「勿論、あんな位じゃへばらないよ!」

息を整えながら、教官室の前に立って服装を正す。

3回扉をノックすると、中から「どうぞ」という声が聞こえてきた。

教官室と言えば、体育の先生が居た様な雰囲気を想像してしまう。

しかし、ここの教官室は完全なるデスクワークに特化した部屋だ。

外から来た人は、まず言われなければ事務室と勘違いすること間違いない。

「氷野、片瀬両名出頭しました」

「うむ…ご苦労」

目の前に座っているのは 北松原 教官である。

警察庁での勤務を歴任し、研修施設の所長に40代で上り詰めた。

「2人には折り入って話がある。準備はいいか?」

場が少し張りつめた様な感じが漂う。

「警察庁刑事局が現在慢性的な人員不足であることは承知だと思う。

 そこで、刑事局長直々に研修施設へ視察に来られていた。

 さっきの演習の様子を見て局長がとても気に入られていてな……。

 主席と副主席の2人には、警察庁刑事局への配属が決定した」

「えっ…刑事局ですか?」

「あぁ、そうだ」

「配属先の方も、すでに決定しているのでしょうか?」

朱梨が北松原に尋ねると、手元の資料をめくって答える。

「えーとな、刑事局1課3係だな。あぁ…まぁ、慣れれば悪くない場所だ」

「そうですか…」

「ついてだが、明日付で警察庁刑事局への着任の辞令が交付されている。

 拝命の準備はいいかな?」

「えっ、今からですか?」

決定から辞令交付までが異様にスムーズだ。

「1年近い付き合いでまだ気づいてないのか? 私は、思い立ったら直ぐなんだ」

「……」

「では、辞令を交付する。

 氷野 朱梨 及び 片瀬 葵。両名を、12月1日付で警察庁刑事局に配属する。

 任命者は警察庁 刑事局長。以上、私物を片付けて明日の着任に遅れないように。

 今までご苦労だった、配属先でも精一杯頑張ってくれ!」

北松原から辞令が交付され、改めて実感する。

今までの訓練ではなく、現場へと動き出していくことに。


教官室を出てからは、異常な位時間が速かった気がする。

私物を整理すると、その足で刑事局の宿舎へと引っ越しを果たした。

「私たちの刑事人生、どうなっていくんだろう…」

慌ただしく動く 葵を横目に、ポツリとそうつぶやいた。


急ぎ早に投稿しましたが、ここまで読んで頂きまして有難うございます。


改めまして、作者のSHIRANEです。


初めてお越しの方には「初めまして^^」


毎度おなじみお越しの方には「いつも有難うございます^^」


という感じでお声をお掛けしたいと思う今日この頃です。


今回僕が書いたモノは、未来の世界を書いたモノです。


情報化社会がますます進む世界の中で、


こんな社会にならなければいいのにと書きながら思ったり^^;


こちらは正直、気分転換に書いていますがドンドン書き進めたいです。


まだあと【護衛艦奮闘記】もこの後更新しますので、


そちらの方の後書きでもまた書きたいと思います。


3月に入りましたが、まだまだ冷える日がありますので、


どなた様もお体には十分お気を付け下さい。


それでは…。


2013年3月1日 SHIRANE

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