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勇者の星は、エーデルワイスを明日に咲かせて

作者: 逢乃 雫
掲載日:2026/05/24

風薫る丘の


見上げる空の彼方に



浮かぶ雲の


白い峰から風を切って



夏燕たちが


街へと舞い降りるように



瞳に映る


景色は夏のファサード



少しずつ


開く季節のとびらを前に



小雲月(さくもづき)


空を見つめるように



アネモネの


花びらは風に凛と咲いて




花ひとときに


吹きゆく風のように



夕燕が空へ


とけゆくように舞い



遥か彼方の


地平線からベガの光が



羽ばたく


時を待つ東の夜空へ



駆け上がる


勇者の星座は


ヘルクレス座の星々




星ひとときに


咲きゆく花のように



(そら)のアルペンに


浮かびゆく星はまるで



煌めく白銀の


エーデルワイスのように



星座が描く


季節のキーストーン



遥かな時を


積み重ねながら



紡がれてきた


星の物語に想いを馳せて




五月の街に


花は謳い、風は薫って



翠にゆれる


樹々の葉とともに



花ひとときに


吹きゆく風のように



星ひとときに


咲きゆく花のように



今日という風を


頬とこころに感じながら




風の行き先は


風だけが知るけれど



明日はまた


新たな風が吹くように



その風に


咲きゆく、花一華(はないちげ)のように



瞳に映る


景色は夏のファサード



新たな季節の


とびらを前に



未来はまだ


誰の足跡もない道



明日という


未来へ歩みゆく


一人ひとりが、勇者のように




風薫る丘の


見上げる空の彼方に



浮かぶ雲の


白い峰から風を切って



夏燕たちが


小雲月の街へ舞い降りるとき



こころに


咲きゆく華のように



勇者の星は


エーデルワイスを、明日に咲かせて


















5月頃の東の夜空に浮かぶ、ヘルクレス座(英語読みは「ヘラクレス」)は、神話の勇者の姿で、中心の4つの星は、キーストーン(要石かなめいし)と呼ばれます。ファサードは建物などの正面、小雲月さくもづきは5月です。


5月頃から高地で咲くエーデルワイス(ドイツ語で「高貴な白」)は、白い星のような花で、花言葉は「勇気」です。花一時はなひとときは、花が咲くひとときを表す言葉です。


春から5月頃にかけて咲くアネモネ(ギリシャ語で「風」)は、一つの茎に一つ花が咲き、「花一華はないちげ」とも呼ばれます。花言葉は色により様々で、白は「希望」です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
次の季節への景色について「夏のファサード」と表わすところが素敵です。 「未来はまだ」から「一人ひとりが、勇者のように」のところが印象に残りました。 見知らぬ明日に一歩踏み入る誰もが勇者だという言葉には…
まだ本格的ではないけれど、夏景色は輪郭を徐々に濃くしていきますね。 「瞳に映る景色は夏のファサード」、なんてぴったりな表現!と思いました。 雫さんの詩の中には美しいのはもちろんですが、頻繁に「そうそう…
春よりしっかりと形があって、夏ほど大きくもない、小雲月、本当に春と夏との狭間の景色なのですね。だから夏のファサード、扉をくぐる前なのか、と。素敵な表現のおかげで、なんだか夏が楽しみになりそうです。 …
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