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第一話

初投稿です。

拙い文ですがお願いします。

小さな雨が僕の頬を触る。

上を見れば曇天が空一面を覆う。

僕は花を一輪持ち、彼女の顔を見る。

顔色は白かったが穏やかな表情で眠っているだけの様にも見える。僕は花を彼女の棺桶に入れ、次の者のためにその場を離れる。


辺りには、僕と同じ学ランを着た者、僕と同じ学校のセーラー服を女子が大勢いる。

多くの者は涙を流すか、下を向くなどして彼女の死を悲しんでいる。

彼女、大貫 麻衣の死を。

その涙が彼女の皆からの厚い信頼、友情を表しているのだろう。

だが僕には涙も流れなければ、誰かと共に悲しもうという思いが湧いてこない。

彼女との接点がないから、というわけではない。

むしろ彼女のことはこの葬式場にいる誰よりも知っていると思う。

だからこそ涙が流れないのだ。





葬式場から出て、帰路に着く。

雨はより一層強くなり、髪からは水滴がこぼれる。

家に入ると、シャワーを浴び、そのままベッドに横たわる。

このまま寝てしまおうか、と考えたがなかなか眠りにつけない。

棺桶の中にいた彼女の顔がずっと頭の脳裏から離れない。

目を瞑れば、彼女の顔が映る。

「……綺麗だったな。」

僕が彼女の顔を見て出たのは、悲しさなどではなく、彼女の美しさへの素直な感嘆である。

彼女のあのような顔は生前見たことが一度だけあった。

だが、その時よりもさらに美しく僕の目に映った。

死人にこんな感情を持つのはいけないことだろうが、彼女はきっと喜ぶだろう。

そんな人だった。



しばらくして母親から夕飯を食べろと呼ばれリビングの椅子に座り夕飯を口に入れる。


「どうだったの。彼女の葬式は。……お、大貫さん?だっけ。」

母親が訪ねる。

「大貫さんであってるよ。別にろくに関わりもないんだし、特にそんな辛いとかはないね。」

「ふーん。」

「まあ、ただのクラスメートだし。」

「そんなもんなのね。」

母親もそんなに興味は無かったのだろう。話題はすぐに違う方向にいった。



夕飯を食べ、再び自室に戻る。

おもむろに机の引き出しを開け、小さいイヤリングを取り出す。

そしてそれを眺める。

このイヤリングは大貫からもらったものだ。

別に僕はピアスは開けていないので、着けることはない。

ただ、綺麗な白がベースの落ち着いたイヤリングは彼女のイメージと合いなかなか良いものに感じる。


しばらく眺めた後、元の場所に戻し、ベッドにダイブする。

部屋の電気をぼんやりと見ながら、夕食時の会話を思い出す。

「まあ、ただのクラスメートだし。」

僕と大貫の関係性についてはほとんどの人が知らない。

どう説明すれば良いかも分からないし、説明したくも、する必要もないと思う。

それに誰も信じようとはしないだろう。




結局その後、眠ろうにも目を瞑れば彼女の顔が浮かぶので、眠りにはつけないまま次の日を迎えた。

眠いはずなのだがどうしても眠れない。

僕と彼女が本当にただのクラスメートだったならこんなことにはならないだろう。

幸い今日は土曜日、休日である。学校はないので一日中休もうと思えば休めたし、眠さもあり正直休んでいたい。

だが僕には行かないと行けない場所がある。




電車、バスを利用して3時間と少し。

あまりにも時間がかかるが、仕方がない。

何回か乗り換えもあるので到着できるか不安だったが、一度もミスはなく、向かうことができた。

後は今乗っているバスに40分ほど揺られ、その後徒歩で移動すれば目的地の到着する。

何でこの場所に向かっているかは分からない。

ただ行かないと行けない気がしたからだ。


長い時間バスに揺られ、そして昨日のオールが重なり、瞼がとても重い。

無意識の内に僕は目を閉じていた。

もう僕の前に彼女の葬式場で見た顔は出てこなかった。

変わりに見えたのは彼女が優しく僕に微笑みながら話しかけているシーンだ。




『私を殺してくれる?』













一話ずつは短くしていくつもりです。

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