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引きこもり吸血鬼の怠惰なる引退生活  作者: 雪菊


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冬期休暇の予定は


 第六天に協力を求めたところ、「扱き使っていいやつが手に入ってサイコー♡ ありがと、フェリクス。ところで婿に来んか?」などと返ってきた。

 ああ、うん。お前はそういうやつだ。面倒な依頼が多いのは確かだが、第六天からの依頼は実入りが良い上に、文句を言える人間などそうはいない。

 まぁ、ヤツ等がウィンウィンならばそれでよいだろう。



「フェリクス様、見てください! エマの新衣装です」

「ドヤ」



 ところで、本当に居着いてしまったマデリーンをどうしようか……。

 第六天に家事用オートマタの貸し出しを無償で行うことで、マデリーンは居住資格を得てしまった。日本に住むのはまぁいいが、私の敷地内に勝手に工房を作るなど好き勝手しているので対応に困る。そして、私は女の衣類にそこまで興味がないのだが。



「新衣装は構わんが、スカートだけ前の丈に戻しておけ。露出が多いのは好かない」

「これはこれで可愛いってマデリーンは思うのですが、ここはフェリクス様のお屋敷ですからね」



 正直、昨今の女性の露出度というのも私的には少し気になるところだ。テレビで出ているアイドルの姿を見ると、可愛いやら綺麗やらより、腹が冷えないかの方が気になる。ちなみに私のボヤキを聞いた小娘には「しっかりおじいちゃんっぽいとこあるね」と言われた。いや、ぽいも何もしっかりおじいちゃんだが。



「ところで、なぜ最近旅行雑誌を見ているのですか?」

「もうすぐ冬期休暇だからな」



 子どもたちには体験学習などもよいだろう。スキーとか。

 その前にクリスマスプレゼントの用意も必要か? ケーキはすでに予約を完了している。こういう時こそ、美味いケーキを頼まなくてはな。



「お休みの期間ってどのくらいなのですか?」

「二週間ほどだな」

「あら。クリスマスとお正月が終わったらすぐじゃないですか!」



 そうなのだ。だから、混むことも考えるとあまり旅行もピンとこない。

 無理に出る必要もないか。



「ちなみにマデリーンはヘスティアお姉さまも呼んでクリスマスパーティーなど、楽しいのではないかと思っています!」

「もう誘っている」



 謎の気合を感じた。一応、ホームパーティーだと念押しはしたが、あれはちゃんと聞いているのだろうか?

 不安だ。


 ちなみに、最近はマデリーンがヘスティア宅に合わせたオートマタを作るために、彼女の家に頻繁に出向いているようだ。その間、ジークが避難しにくる。なんでも、「扱き使われるのはちょっと……」らしい。扱き使われるって何をしているんだ、この二人は。



「ところで、マデリーンには何かありますか!?」

「いい子にしていたらサンタでも来るのではないか?」



 マデリーンの後ろにいつも浮いている人形たちが、毎夜金を持って私のところに来るので、数日以内には出かけようと思っている。

 中身に察しはついているが、なんともまぁ健気なことだ。



「サンタさんっていうのは大抵親と相場が決まっているものですよ」



 ジト目でそんなことを言っているが、サンタはいるぞ。

 まぁ、日本ではなくフィンランドだが。毎年、トナカイにソリを引かせてプレゼントを配り回っている。世代交代が上手くいっていないらしく、高齢化が進んでいると聞く。



「慈善事業を生業とする性を持って生まれると大変だろうな」



 悪役側でよかったよ。本当に。


いつも読んでいただき、ありがとうございます。


メリークリスマス。

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