その7
「私の父は前魔王様のご慈悲で生かしてもらったからね。その恩返しとして、この加護も含めて子孫の代まで諜報活動として役立てるっていう誓いを立てたんだ」
だから、帰りが不定期だったのね。
ルードへの疑問が一つ解消された。
「加護って遺伝するものなのね」
シャルルは感心したように、未知のものに対して大層興味を示した。
いくら協定を結んだからと言って、すぐに受け入れるかと言われれば、そうではない。特に長寿な種族にとっては一瞬のことなのだから、ほか種族と比べて圧倒的に短命な人間にとって当たり前になっていることでも、そうでないことも多いという。
「そうでもないよ、私の一族は昔、大精霊を助けたことがあるから、目にかけられているだけで、加護を授けて下さるかは精霊次第だよ」
「へぇ〜」
先程までの怒りを置いて、加護に対して目を輝かせ、顔まで近づけてくるシャルルが可愛くて、ルードは思わず笑ってしまう。
「私の秘密を知ったけれど、君はそれでも私から離れる?」
まるで捨てられている子犬のように眉を下げ、シャルルを見上げる。
その顔と聞き方はずるい。
美形の上目遣いはとても心臓に悪いと顔を思わず顰めてしまう。
「私も早とちりしてしまったのは悪かったわ。
けど、今度からちゃんと全部話して!」
せめてもの意思返しでシャルルはぶっきらぼうに答える。
「わかった!」
ルードはシャルルの言葉を適切に理解した。
つまり、まだ、夫婦でいてくれるということだ。
シャルルにはルードから尻尾がブンブンとはち切れんばかりに降っている。
いや、実際出ていた、耳も尻尾も。
そういえば、彼の母は狼系の魔族ではなかったか?
ぎゅうぎゅうと擬音が付くくらいに抱きしめられているシャルルは、ベッドに押し倒された。
見上げると、ルードの魔族特有の獣の目は飢えていた。
「この場で、初夜をしようか。
正直、君にあったら酷くしてしまいそうだったから会わなかったという理由もあるんだ」
「ちょっと、ま…」
問答無用で口を塞がれ、シャルルは抵抗できなかった。
若干どころかだいぶ流された感じもするが、「まあ、いいか」と楽観的に捉えた。
次回はルード視点。
同じ世界の
『フォルトゥーナ学園物語〜夜明けの大地でまた会いましょう〜』
を投稿しました。(※完全不定期)




