その6
19時にも更新します。
シャルルは全く返事が返ってこないことに気づき、意を決してルードを見上げる。そして、さらに怒りが増した。ルードは嬉しそうに口元を覆って、耳まで赤くしていたのだ。
「何がおかしいの!?」
「君の初恋は、私なのかい?」
震える声で、確認するルード。今更ながら怒りに任せていってしまった本音。偽ったところで意味のないものだと思ったシャルルは首を縦に振った。これがシャルルの最大の照れ隠しでもあった。
その瞬間、ルードはシャルルに抱きついた。
「きゃあ!」
「ああ、嬉しいよ」
「だから、離婚するの!離して!」
「なぜ?君と私は両思いだろう」
きょとんとした顔で全く話の通じないルードはシャルルを再び抱きしめた。
そういうことじゃない。
「私は寂しいのが嫌なの!たとえ、互いが好きでも、愛人にばかりに気かけている人とは居たくないの、私を見てくれる人がいいと思うのはいけないこと?」
「愛人とはこんな姿じゃないかな?」
「え!?」
シャルルは目の前の夫(元?)がいきなり居なくなり、あの日見た愛人(仮)がいたのだ。シャルルはルードの面影がある女性に目を白黒させる。
「私の父は霊族と魔族のハーフなんだ。君も知ってるだろう霊族には他種族には滅多にない
”加護“がもらえることを」
「もちろん、精霊が気に入った霊族の者に特別な固有魔術を授けるっていうものよね」
「そう、その加護だよ」
この世界では人間は魔石を使った特別なインクで描かれた陣に魔力を流して、魔術という精霊の力を間接的に借りて、超人的なことを起こすことができる技術を持っている。
霊族も精霊から力を借り、魔術のようなものを使うと聞いたことがあるが、根本が違うとメイランが言っていたのを覚えている。
いわく、あれは魔法なのだと。
正直、私にはその違いがわからないし、魔術も魔法も結局は同じことをしているから、どっちでもいいと曖昧なことを言われたのをシャルルは思い出した。
霊族にはもう一つの特徴がある。それが“加護”だ。
加護は現れる人もいれば、いない人もいるし、現れても自由自在に水を出せたり未来を見たりなど様々。稀に、人間、魔族にも現れるものがいるのだが、それは本当に稀有なことだ。
本文に書けなかったので、補足と説明をします。
魔術(基本)
みなさんがよく知る魔法、魔術と同じです。
ただ、種族によって発動の仕方が違います。
人間(族)は魔石をを砕いた特殊なインクを使って魔術陣を紙などに描いて精霊を寄せやすくした上であらかじめ設定された言葉(簡略詠唱)をいうことで発動することができます。(その4で紹介された”レビテーション“が一例)
魔族は魔石は媒介として使い、自身の体内の魔力を使って陣を書きます。発動の仕方は人間と同じですが、精霊を寄せるか自分の体内の魔力を使うかは、魔族の中でもまた別れます。
霊族は詳しくは言及していませんが、エルフやドワーフのことです。彼らは本文通りの“加護”に加え、口で精霊を寄せて(詠唱)魔術を発動させます。威力は陣を描くよりは格段に上ですが、魔力の消費が半端ないです。
要は媒介が言葉か実際に描くかの違いですね。




