表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/11

その3

メイランに引き剥がされたシャルルは、それでも涙を流し続ける。声を上げて泣かないというところは成長している。

メイランは「ちょっと、待ってろ」と言い残し、シャルルを置いて部屋を出た。

メイランが出ていった部屋で、シャルルはふと思った。


そういえば、メイランって私が赤子の頃からいるのよね?メイランっていくつなのでしょうか?


思考に耽っていると、メイランがティーカートにお菓子やお茶などのティーセットを乗せて戻ってきた。

メイランはさっと、白いテーブルクロスを近くのテーブルにかける。そして着々と小さなお茶会のようなセットを築いた。

お茶を目の前に出される頃にはシャルルの涙は引っ込んでいた。


「それで?どうしたんだ?」


優しい声色でメイランはシャルルに問う。シャルルは包み隠さず、ルードの部屋であった事を話した。


「つまり、ダンナ様が愛人を囲っているのがわかったから、離婚したいと」


メイランの周りを気にしない物言いがストレートにシャルルに刺さった。


「そうよ!だって、あんなに!あんなにスタイルの良い美女に私か勝てると思う!?」


シャルルはどちらかというと小柄で美しいというよりは、庇護欲を誘う方だ。


「いや、アタシは見てないから」

「そんなの、全男どもは愛人(仮)のほうに行くわよ!こんなちんちくりんな商家の小娘よりも良いわよね!!!」


メイランに凄み、自分で言っていて悲しくなったシャルルは怒りをぶつけるが如く、手元のお茶を一気に飲み干した。

この場にはメイランしかいないため、シャルルをとがめる者はいない。


「本気か?」

「本気と書いてマジと読むくらいに本気よ」


メイランはジト目でシャルルを睨んだ。

しかし、シャルルの決意は固い。メイランは大きなため息をつき、再びシャルルに向き直る。


「わかった、手伝おう」

「え!?」


まさか、メイランが賛成してくれるとは思わず、シャルルは、驚きの声を上げた。


「なんだ、手伝わなくてもいいのかい?」

「違う、違う!そうじゃなくて、メイドなら愛人くらい容認すればいいだろうって言ってきそうだったから。ほら、メイランって貴族の屋敷を転々としてたって聞いたし・・・」


だめだ、何言っても言い訳にしかならない。

シャルルは元からあったメイドへの先入観のせいで、メイランに対して失礼なことしか浮かばなかった。シャルルはメイドは子供ができるまで、あの手この手で策を巡らせるものとばかり思っていた。離婚などということは言語道断だと思ったのだが、メイランにはダメ元で行ってみたのと気が動転していたのもある。


「まっ、アタシはアンタは幸せになるべきだと思っているからね。メイドとしては失格でも、アンタの姉貴分としては当たり前だろ」

「メイラン〜」


結局、妹分に甘いメイランは嬉しくて抱きついたシャルルを思う存分好きにさせた。

シャルルはお菓子を全て食べたメイランを許すことにした。


初1,000文字を突破してしまいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ