おわり
それから、何十年と時が過ぎた。
ライゼン夫妻には息子が1人、娘が2人と子宝に恵まれた。
彼らはもう親元を離れている。
「あなた、全然老けないわね。羨ましい」
年老いた、シャルルは別荘の庭でほとんどあの頃の姿のままのルードに話しかけた。
「けど、不思議ね。あなたを見ていると、誰かを思い出しそうになるの。顔も声も思い出せないけれど、ずっといてくれた。大切な友人のような姉のような存在」
シャルルはゆっくりと過去を探るように話してみたが、全く思い出せない。
狼系の魔族の寿命でも、約150年、それに加えて霊族の血も入っているため、純血には劣るが推定でも500は生きるだろう。ルードの父も存命である。
現在の人間の平均寿命が80歳。
老化の速度に差があるのは仕方のないことだ。
「私よりも?」
それでも、ルード最期まで寄り添うと言ってくれたことにシャルルはとても嬉しかった。
「バカね、そういうのじゃないわ」
この嫉妬深い男の元から逃げようとした、昔の自分に言いたい。
その手は何も聞かずに手放すものじゃないよ、と。
シャルルは、ルードの肩に頭を乗せ、目を閉じる。
「おやすみ」
ルードの声を子守唄に、シャルルは眠りについた。
この時に夢は、内容は忘れてしまったが、とても楽しく、あたたかなものだったということだけシャルルの心に残っていた。
シャルルはただ寝ただけです。
ルードだけ覚えていたのは、”その9“で言っていたように、誰かは覚えてもらっていないといざという時、誤魔化せないから。
あとがき
これにて、完結です。ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
初めての作品でしたが、どうだったでしょうか。
たくさんのブックマーク、感想もありがとうございました。とても、とても嬉しかったです。(*´꒳`*)
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この作品でのここがわからなかった、結局メイランって何者だったの?などの質問をいただいた場合は、
『フォルトゥーナ学園物語〜夜明けの大地でまた会いましょう〜』
での質問とともにまとめて返させていただこうと思います。また、作品の進行上すぐに返せないことをご理解ください。




