障れば祟る
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
これが多分、正当な神様かと。
その御前は齢一桁の童姿で、髪も肌も、余りにも白いお姿をしていた。ただ目だけが異様な程に赤くて、それだけが爛々と此方を見据えていらっしゃる。その、目力と言ったら……。
「お前、頭が高いのではなかろうか?」
目が合った。真紅の目がかち合った。ただそれだけ。それだけなのに、心臓を握られた様に苦しくなって、そのまま崩れ落ちた。身体中の毛穴から大量の汗が吹き出す。
「我を見下す手前、玉座を用意せよ。娘」
ただそれだけを仰って、くるりとその場を後になさる。後に他の神様に聞いた話によると、あの方は“現象”に近い性格をなさっていると聞かされた。
少し辛い事があって、その思いを抱えたままに私は布団に潜り込んだ。やっぱり理解出来ない。
気が付くと木の海の中にぼーっと突っ立っていた。眼前には、あの時の御前がいらっしゃった。あの時の二の舞にならない様に、先に膝を着くと無表情にも口を開かれる。
「どうした、娘。今は機嫌がいい故、話くらいならば聞いてやる。申してみよ」
「……神仏を信じてない方が、それを証明する為にお地蔵様の頭を壊して蹴飛ばしたそうなのです。結果、彼の身に罰は当たりませんでした。今も何事もなく過ごしているそうです。そこで貴方は神仏を信じますか? という問いがあったのです」
信じてないから蹴飛ばして、その後の難関受験も無事合格したそうだ。だから神仏なぞこの世に居ない。そう言いたいらしい。でも、私が言いたいのは、そこじゃなくて、そこじゃなくて……!!
「人が、誰かが、ずっとずっと、大事にしてきたものを、平気で蹴飛ばして、壊して……!! それで平然と生きているのが許せない。神仏を信じていようがいまいが、私にはそんなのどうでもいい!! そんなの個人の勝手。でもあの人の事、私は絶対に理解しない!!」
段々と堪え切れなくなって、仕舞いには大声で絶叫した。泣いている事に気が付いたのは、頬に川が流れたと感じた時だった。
御前は私に近付くと、その小さな掌で軽く、ぱしっ、ぱしっと頬を打つ。
「娘、お前は誰に話している。我に話しているのならば、言葉遣いに気を付けよ」
涙を拭って前を見ると、無表情に此方を見据える御前がいらした。
「我らの御心にお前達の心情なぞ、大して気にかけることも無い。さもどうでもいい。だが気に触れば祟る。それこそ末の代まで。反感を買われたくなければ平伏せよ」
あの方の質はね、性格なんて柔らかい言葉では収まらない。より性格に言うならば、現象そのものと言って良い。だから人の話なんか聞かないし、自分の気が向かないと動いてさえくれないんだよ。
と、別の方が仰られていたことを思い出す。あぁ、この方は良くも悪くも私達の事を何でも思っていないのだと。
それからまた気が変わったのか、くるりと踵を返して『何処かへ行け』という様に手を払った。
あれから数日後、私に一つの報せが入った。お地蔵様を壊した張本人が器物損壊で連行されたというものだった。
猫を飼ってる方って、『猫様』って仰るじゃないですか。
いらっしゃるかどうかは不明ですが、いらっしゃるとしたらこの様な性格かと。
人の話も録に聞かない。聞いてるようで聞いてない。
興が乗らないと動いてくれないし。そもそも人に興味無い。
でも不快に感じたら容赦なく末代まで祟るような。
え、モデルとなった方はいらっしゃるのか? ですか?
どうでしょうね。 要らしたら、そのまま当てはめてしまいます。
お地蔵様を蹴飛ばす話。
嘘か本当かは分からないのですが、耳にしたんですよ。
そんな話。
居る居ない人それぞれなんで、信じたくなかったら信じなくて良いと思うんですよ。
幻想小説、漫画が好きならば、ちょっと楽しくなるよ。
小さな事にも感謝できるようになったなるよ。
程度なので。
でも人が大切にしている物を壊すのは、それは信仰とは関係の無い話です。
単純に、その人の人となりが受け入れられません。