前へ目次 次へ 8/22 虫よけ 「なんの騒ぎです?」 「あ、オトイちゃん!あんたも見ればよかったのに、なんだかすごい御坊様がいらして、うちの『厄よけ』をしてくれてね」 「おぼうさま?」 「そうなんだよ。あー、ちゃんとひきとめておくんだった。『虫よけ』みたいなもんだなんていうから、さして期待もしてなかったんだけど、あんなの聞いたこともないよ。 きっとどこかのえらい御坊様にちがいないね」 「・・・・へえ・・・『虫よけ』・・・」 オトイが目を流した塀の先、白いちょうが舞い上がった。