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坊主と白い蝶のはなし  作者: ぽすしち


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20/22

聞いてやるから 言ってみな




「あの方との縁は、きっとこれっきりなんですよ。だってね・・・ほんっと、いやンなるくらい、あの人、あたしに惚れてて、  もお、きっと、・・・次は、ないですよ・・・」



 オトイが働きに出てしばらくしたある日、戻ればシモンが家から離れた道端で座り込んで待っていた。

 起き上がるのもやっとの体でどうしたものかと思ってみたら、頬のこけた男は前とかわらぬ微笑みをのせ、オイトが心配だったのだ、と細い声で言った。


『―― おまえが、他の方たちとうまくやってるか、心配なんだ・・。ほら、オトイは少し、気がつよいところがあるだろう?それに・・・やはり、いい女だし・・・。今日は、少し調子がいいから、もしかして、みにいけるだろうかと思ってな・・・』


 せき込むように笑う男の手をとって、ばかだねえ、と笑ってみせた。


 あたしを誰だと思ってるんだい?ムラヤマシモンの妻だってんだ。気遣いだって、あしらいだって、旦那様に恥じるようなことはなにひとつないよ。

 しょうがないねえ。そんなにあたしから目をはなしたくないってのかい?そんなに惚れ込んでてこの先じじばばになるまでもつのかい?

  聞いてやるから、どんなにあたしにほれぬいてるのか、言ってみな。



 『  うん  。  いっときも、離れたくないよ。 わたしは、命をけずっても、

          オトイといっしょに   いたいんだ   』






  ―― オトイはただ、泣き笑いするしかなかった。




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