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坊主と白い蝶のはなし  作者: ぽすしち


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17/22

橋の上



 細い三日月が雲からようやく出たときに、オトイはその橋に大きな影があるのを見た。


「あれま、お坊様、こんなところで逢引あいびきですか?」


「逢引きの相手はおぬしだがな」

 坊主は笑いながら杖をトンとついた。


 オトイは後ろにとびのき、ほつれた襟足をなおす。

「いやだよ。―― 《結界》なんざ無粋なもんいらないよ。あたしゃ逃げもかくれもしませんよ」


「ふむ。ならば、とにかく橋の上にこい」


 オトイは少し眉をよせて息をついてから、小さな太鼓橋に足をかけた。



「おぬし、いずこの妖狐の縁者だ?」


「いやだねえ。これだから《坊主》は。―― で?どこの誰に頼まれたんだい?あたしのことをさ」

 抱えた風呂敷包みをなでるようにオトイはたずねる。


 坊主は「はて」と首をかしげた。

「わしはすこしばかり気になることを、ただしに来ただけだがな」


「はあ?あんたみたいな法力の坊さんが、そんなわけないだろう?あたしの正体が、どこかでばれたんだろ?」

 オトイには、心当たりがあった。


「ああ、あんな場所で『会う』のは、すこしばかり用心がたりぬな」



  

 ――― ああ、やっぱり


「・・・あのお社は、この辺じゃめずらしくいい『場所』にありましてね。ゴホンゾンと会うのにちょうどいいとこなんですよ」


「おまえを人間にしたほどの力の持ち主となると、限られてくるな」


「そこは、さぐらないでくださいまし・・・」


 まあいい、とジョウカイは笑った。



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