エピローグ:閉幕円舞零秒前
さて、彼らの物語はどうでしたかな?
本当に人間とは不思議な生き物です。どんな些細なことでも話の三人のように心に闇を抱え、狂ってしまう。そして、誤った道を歩むことになってしまいます。
おや、もうこんな時間ですね。ワタクシはそろそろ新しいお茶菓子と新しい話を探しに行かなくてはなりませんので、今日は閉店と言うことで。
え?『話を探しに行くと言うことは今さっきの話は全て事実なのか』ですって?
ええ、ワタクシは最初から最後まで彼らの現場にいましたから。
新たな話が生まれるところがどこなのかワタクシにはわかるのです。ですからワタクシはそこへ行き、話を手に入れるのですよ。
最初の話を手に入れた時は辺りが火の海で少し危険でしたが。まあ、ただの人間がワタクシと同じことをしたら死んでしまう確率が高いでしょうけどね。
『何者だ?』と言われましても困りますねぇ。ワタクシの紹介の時に申しましたでしょう?ワタクシは道化師ですよ。ご来店のお客様の感情を揺り動かすただの道化。
では、いい加減そろそろ行きますかね。早くしなければ芽生えた話がどこかへ行ってしまいますからね。
また何か話を聞きたいのならば日を改めてここへ来て下さい。次回は今回とはまた違ったお話をしましょう。とても美味しいお茶やお菓子と共に。
それではお客様の未来に幸多かりしことを。願わくばその身に災いがふりかかぬことを。
――Au revoir
と、いうことで『衰孤』は終わりです!
最初から最後までグダグダな気が……(汗
以下、どーでもいいこと
・水夜は道化師が割と好き。
・道化師の最後の言葉は仏語。『オールヴォワール』と読みますよ。
・1話目の外伝を書いたのでよければぜひ。
最後に、こんな駄文を読んで下さった方々全てに感謝の意を込めて――
水夜でしたー