1-5希望の都テルミニア
王都テルミニア。
中央にある大きな城を中心に円形に町が広がっていて、それをぐるりと囲む壁が作られている。
外壁にある門を通り、町に入る。無用心なことに身分証明などは必要なかった。
城外には耕作地域が広がっていて、そこには多くの人間が必要だろう。だから出入りが多いせいかもしれない。
町並みは昼だというのに閑散としていてどこか活気がない。
ともかくまずは情報収集だ。それと万一戦闘になったときのために武器と防具の確保。
ナイトブレードは持ってきていない。オルロットと鉢合わせたらこちらの正体がバレるかもしれないからだ。
魔導球鎧は荷袋に入っているができれば他の防具がほしい。
町を歩いていると、一人の女性と出会った。
「すみません、ちょっと聞いてもいいですか?」
「い、急いでいるのですみません」
過ぎ去っていった。
むう。ちょっとくらい話を聞いてくれてもいいのに。
他をあたることにしようと町を進む。
何度か道端で人に声をかけてみたが、まともに取り合ってもらえなかった。
こんなことなら門番にでも話を聞けばよかった。
少し金を渡すことも考えたほうがいいかもしれない。
懐を確認する。金貨と銀貨の束はちゃんとそこにあった。
奴隷としての給金だ。それも何年も使うことのなかったものだから相当溜まっている。オルフィンでは考えられない金額になっている。
盗られたりしないようにしないと。
そうこうしているうちに、やがて酒場を見つけた。ここなら聞けるかもしれない。
「いらっしゃい。」
平日の昼だというのに飲んだくれている姿はほとんどなく、マスターと2、3人の客がいるだけだった。
カウンターに座り、何かすぐできる料理がないか聞く。
「ピザならすぐ出せるぞ。ちょうど焼いたところだ。」
「じゃあそれで。それと、何か飲み物も頼む。」
「ミルクでいいな。」
うなずく。すぐに料理と飲み物が出てきた。銀貨を払い、熱々のピザに口をつける。うまい。
「旅人か、あんた。」
「ああ。そうだ。白い鎧の戦士を知らないか。」
「白銀の戦士オルロットか。うわさは聞いてる。」
「うわさ?」
「人々を苦しめる魔族を倒すために立ち上がった英雄だって話だ。」
「なんだって?」
もう話が広まりつつあるのか。
「なんでも東にある村の近くにすんでた魔族を倒したらしい。詩人が歌い広めてる。」
困った。どうしたものか。
人々の希望の象徴として広まってしまえば、そいつはオルロットではないと言っても意味がない。支持を得た後では偽者だと説明するのは難しい。
希望の象徴となる英雄を信じる人間にとって、あの白銀の戦士はオルロットなのだ。
それをとやかく言えば、こちらが悪者にされかねない。
「オルフィンの王家の紋章が入った鎧を着ているらしい。王子様なんだと」
「しかし、本物なのか?」
「なに?」
「オルフィンは廃墟になってるんだろう?そこから鎧を盗み出した可能性もある」
「そういやそうだな。誰も兜の下は見たことがねえらしいし、見たところで誰ももう顔を知らない。」
やはりそうか。このことを広めればどうにかなるだろうか。
「まあ拝命式ではっきりするだろ。」
「拝命式って言うのは?」
「テルミニア王家の伝統でな。王家が認めたときに正式な英雄としての名義を授与する式典を開く。他国の領域に侵攻する特別権利の授与も含まれている。もうすぐそれが行われるだろうよ。」
「それが行われると、英雄となるってことか」
「ああ。オルロットが本物であれ偽者であれ、王家のお墨付きをもらっちまえば晴れて英雄様ってわけだ。」
民衆の意識を変えるには、拝命式までにはっきりと偽者であることを示すしかない。
「オルロットはもう王都にいるのか?」
「さあな。見かけてねえ。」
マスターがテーブル席のほうに叫ぶ。
「誰か英雄様を見たやつはいるかー!?」
振り返ると、客たちは両手を開いて首を振った。
「誰も見てねえとよ。」
「わざわざ悪いな、助かった。」
「いい、いい。こっちは暇でしょうがなくてな。そこで世間話してる爺どももそうだ。話し相手がほしいくらいよ」
「ならついでに聞こう。剣と鎧を探してる。どこかにいい店はないか?」
「あー。俺は詳しくねえな。通りに店はあるけど、どこがいいとかはわからねえ」
ふと、横の席に一人座った。白いひげであごを覆われた老人だ。
「あんた、剣を探してるのか?」
「長く使えるいいものが欲しいんだ。」
「一杯もらえるかね。」
マスターに目配せすると、いっぱいの麦酒が老人の前に差し出された。
値段を聞き、金を払う。しかし金額は魔王領のものの三倍はした。
「ずいぶん値が張るんだな。」
「酒には重税がかけられてる。しょうがねえのさ」
「高い金を出したんだ、頼むよ。」
老人は酒を煽ると大きく息を吐いた。
「ああ。教えてやる。まあ、在庫があるかどうかは別だがな。」
教えてもらった鍛冶屋へ向かう。
人通りの少ない路地裏の一角にそれはあった。寂しげな店で、外から見える武器はない。
外から一見すると何の店なのかわからない。「剣と盾」と書かれた簡素な看板だけが武器を扱っていることを示していた。
店内に入ると気の難しそうな白髪の老人が一人、腰掛けていた。
「……なんだ?」
「軽い鎧と剣が欲しいんだ。在庫があるか?」
「剣はそっちだ。鎧は奥になる。金は取るぞ。」
指差すほうには抜き身の剣と鞘がセットで置かれていた。並んでいる剣のうちの一本を取る。
無駄な装飾のない両刃剣。刃こぼれはなく、金属でありながら新鮮さのようなものを感じた。造りたてなのかもしれない。
軽く振ってみる。空気を裂く音が走った。片手でも扱える重さで、両手で持っても違和感はない。
うん。良さそうだ。
「そいつは値が張るぞ。あるのか?」
提示された金額は所持金の半分を超えていた。
「これをもらうよ。鎧は軽く、強いのが欲しい。これの半分くらいでないか?」
「待て。金払いがいいやつにはそれなりの対応をする。」
立ち上がった老人には隙がなかった。腰には装飾のない剣が提げられている。
「おめえさんは盗賊の類じゃねえらしい。近頃はそういうやつも多くてな」
「わかるのか?」
「みりゃあ大体な。旅人か?」
「ああ。テルミニアは豊かな国だと聞いていたが、少し殺伐としているな」
「昔の話だ。通りは遊び人と着飾った女たちでにぎわっていたし、うちは王宮に降ろしていて繁盛していたし、良いものを求めるやつが多かった。」
奥に入ると、老人は並んでいる防具のうちの一つを手に取った。
「こいつはどうだ?着けてみろ。希少な剛皮と軽金属を使った自慢の一品だ。」
皮作りの鎧だ。見ると内側には鎖が敷き詰められている。
言われたとおり上から着ける。動きを阻害せず、最低限の部位は守れるようになっていた。軽く、着けたままでもかなりの距離を行軍できそうだ。
「これでいい。」
「毎度あり。まあ少しまけてやるよ」
「助かるよ」
老人はカウンターへ戻り、書類を書き始めた。販売に必要なのだろう。
「昔といったが、今は豊かじゃないのか?」
「体制が変わってな。もう六年になるか。」
書く手を止め、こちらをまっすぐに見る。
「正確には七年前だ。オルフィンの崩壊で全てが狂っちまった」
「何があったんだ?」
「財産を魔族の襲撃に備えて王宮に預けることになって、遊んでたやつらも朝から晩まで働かねえと食えなくなった。それでも仕事が足りず、食えなくて死んでいくやつもいた。防備を固める代償に、戦わなくて良いやつが死んでいくなんてのは皮肉な話だ。」
くい、と親指でカウンター横の壁にかかった『王宮鍛冶師』と下に刻まれた印を指し示す。印の上から大きく×の刻印がされていた。
「うちも長年努めた王宮鍛冶師からは外されたよ。今の騎士団は雑な鎧を着てる。そんなもんを乱造するのは俺の魂が許してくれねえのさ。」
「ひどい話だな。」
「うちはまだいいほうだ。野郎どもはくたくたになるまで働き、寝ても覚めても満腹じゃない。それでも休日には全部魔族のせいだって盛り上がってる。」
「あんたは違うのか?」
「ははっ。そんなのは世界が信じられねえわけえやつだけよ。爺になるとそう簡単に見てきたものは変えられねえ。俺にゃあ、全ての魔族が悪いものとはとても思えねえんだ。」
遠い目をすると、鍛冶屋は腕を組んだ。
「俺がガキのころはこの辺に妖精も樹精も精霊もいた。あいつらは信じねえやつには見えてこないだけだ。」
鍛冶屋は提げていた剣を抜き、刀身をじっと見つめる。
「この武器を鍛えているのはあいつらに教えてもらった水場だ。人間と魔族は共生してきたんだ。この地方ではずっとな。俺の爺さんの爺さんの……まあどんぐらい前かわかんねえけど、ともかく古い爺が語り継いできた御伽噺を信じている、俺は最後の一人なのかもな」
「今はもういないのか?」
「体制が変わってからは弱い魔族も攻撃された。不満をぶつける矛先になっちまったのさ。そんな地獄にとどまるやつはいない。もう水場であいつらをからかう日は来ないんだろう」
寂しそうに言うと、老人はこちらを気遣うようににこっと笑った。
「年取ると話が長くていけねえ。爺のたわごとだ。忘れてくれ」
老人は言葉を切ると、もう行けと追い払うように手を振った。
「ありがとう。それと、人を探しているんだが、オルロットと名乗る白い鎧の戦士を知らないか?」
「白い鎧?」
「そういや通りの武器屋が、騎士甲冑が来たから戦争が始まるかも知れん。忙しくなるぞ。とか言ってたな。言ったとおりに忙しくなったためしがないが。」
老人に感謝し、通りの武器屋の道を聞いてそこまで来た。
先ほどの鍛冶屋よりは若そうだがやはり年配の店主が出迎えてくれた。
「へへっ武器をお求めなんだな?わかるぜ。忙しくなるな」
「いや、人を探している。オルロットと名乗る白い鎧の戦士だ。」
「ああ、やっぱり。忙しくなるぜ。王宮の関係者か?」
ただの旅人だと言おうとして、少し考える。どう言えば聞きやすいかな。
「いや。詳しくは聞かないでくれ」
「言えないってわけか。忙しくなりそうだ。だがタダじゃあ教えられねえ。買う気がねえなら金はねえだろ?」
「軽くて扱いやすい剣をもらおう。それでいいか?」
「毎度あり。久しぶりに忙しい日だ。そこの棚にあるのを選んでくれ。値段は全部同じだ。違いはねえぞ?」
軽くたたいたり振ったりして、多少は使えそうな一本を選ぶ。二本目の剣として腰に挿した。
示された金額は鍛冶屋よりはるかに安かった。
「安いな」
「へへっ。王宮の号令でな。あらゆる武器は安く多く売ることになった。王宮でも買い上げてくれてた。あの頃は考えもしない忙しさだったぜ。きっといつかまたああなる」
「今は違うのか」
「最近は魔族が減って騎士団の出番がない。いくら折れやすく刃こぼれしやすい剣でも飾りもんじゃ替えが必要にはならんのさ。だがそのうち戦争が始まり、忙しくなるぜ。そうだな?」
「始まらないと思うけど。ともかくオルロットはどこに行ったか教えてくれ」
「剣を買った後、王宮へ向かった。きっとこれから忙しくなるぜ」
礼を言って、当分暇になりそうな武器屋を後にした。
王宮に向かう。
大通りは人気がなく寂れていて、道行く人も裕福そうには見えなかった。中にはずいぶん傷んだ服を着ている人もいる。
鍛冶屋の話どおり、景気は相当悪そうだ。服を買い換えるのも大変なのだろう。
テルミニア城は城壁に囲われていて、ミュディオンと同じように堀の中央にかかる橋で町と分けられていた。
城門に近づいたところで、二人の門番の片方、門番Aに止められる。
「待て。何の用だ。」
ええと、どうするか。まさかオルロットを追ってきたと言う訳にはいかない。
「旅人だ。王家の発行する許可証が欲しい。王様に謁見の必要があるものだ」
「許可証だと?」
「あんたは頭がよさそうだ。言わなくてもわかるだろ?」
オルフィンにもあったが、王家は大抵何かしらの権利の許可証を発行している。通行証であったり、居住権の発行だったり様々だが、どれかしらを求めていることにした。
どれだよと返されたら詰むかもしれない。どきどきする。
しかし褒められて気をよくしたのか、門番Aが解説してくれた。
「なるほど。旅人といったな。それは迷いの森の進入許可か?」
やっぱり。この際どこでもいい。
「そうだ。発行は王宮でいいんだよな?」
「ああ。律儀なことだな」
「律儀?」
「おい」
門番BがAをこづく。
「いいじゃないか。許可証なんか意味があったのは、国境代わりになっていた、つまりオルフィンがあった頃のものでな。こっそり進入して魔王領に抜けてるやつなんか何人もいるらしいぞ」
「そうなのか?」
「そうらしい。まあ、持っておけば騎士団に追いかけられることはないだろう。ま、お守りみたいなもんだな」
そう言って城内への道を開けてくれる。
「エントランスにいるやつに言え。謁見の手はずを整えてくれる。」
城内に入り、通路を進むと吹き抜けになったエントランスがあった。そこにいた兵士に話しかけ、謁見の準備を頼む。
「急いでいる。謁見の間の前まで行って待ちたいんだが頼めないか?」
周りから見えないように金を渡す。すると兵士はぶんぶん首を縦に振った。
「任せろ。これでいい飯が食える。」
案内され、移動する。
途中で何人かの身振りのいい男とすれ違った。脂ぎった恰幅のいい男たちだ。
「さっきの男は?」
「王侯貴族だ。城内で毎日良い飯を食ってる。着いたぞ。あそこが謁見の間だ。」
謁見の間の前にある通路へ出た。不要なほど華美な装飾の大きな扉があり、その扉は開いていた。
「まず俺が入るから、ちょっと待て。」
そう言って兵士が中を覗いた。しかし中には入らず、動きを止める。
同じように覗き込むと、白銀の鎧を着た戦士が玉座の前に跪いていた。
「貴公がオルロットか。うわさは聞いている」
きらびやかな宝石で装飾された派手な服に身を包んだ王が言った。王の両脇とその前のじゅうたんの横には兵士が剣を携えて立っている。
「して、何のようだ?」
「魔族討伐に向かう許可をいただきに参りました。どうかお願いします。」
「ふ、む……」
王は目を閉じると、何事かを考え込むように息を吐いた。
「話は本当なのだな。だが、討伐とは穏やかではない。」
「どういうことですか?」
「少し考えてみてはどうだ?私は、今はまだそのときではないと考える。」
「何を、魔族の所業を見逃せというのですか!?」
「落ち着け。そうはいっていない。だが、ふむ。貴公は少し世界を見る時間が必要だ。」
「世界を見る、時間ですか?」
「宮廷の一室を貸し与えよう。そこで季節が過ぎるまで過ごし、その上で行く気があれば討伐に向かえばよい。」
「そんなに待っていられません!」
付け入る隙があった。
理由はわからないが王家は英雄の出現を喜ばしく思っていない。
「民衆は魔族の恐怖に震え、その結果豊かだったテルミニアはこんなに荒んでしまった。陛下、どうかお考えください。一刻も早く魔族を倒すべきです!」
「ふむ……しかしだな」
「今こそ人々が結集するときが来たのです。たとえ陛下がお許しにならなくても、僕は人々の声に従います。」
英雄然と進言するオルロットに、とうとう王も折れてしまった。
「あいわかった。では拝命式の日取りを決めるとしよう。」
「お待ちください」
謁見の間へ歩みだす。背後で案内してくれた兵士が小さく「ばかっ」と言うのが聞こえた。
「誰だ?王の御前であるぞ。」
「失礼します。お許しください。私は旅人、ゾダンと申します。迷いの森の進入許可証を頂きに参りました。」
オルロットの横で跪く。そして進言した。
「陛下、どうかお考え直しください。」
「ほう?なぜだ?」
王は明らかに乗り気だった。だからこの事実が意味を持つ。
「彼がオルフィンの王子であるとどうやって証明するのですか?」
「なんだと?」
「彼は仮面の下を見せたことがないと聞きました。どんな人間が中にいるかわかったものじゃない」
『オルロット』が押し黙る。反論できないはずだ。彼は王子オルロットではないのだから。
「王家の鎧にしたってそうだ。本当にオルフィンのものなのかどうか、誰も証明できない。滅びた王城から盗み出されたものかもしれない。違いますか?」
「む、う――――確かにそうだ。」
王は頷き、にやりと笑った。
「そのほうの言うとおりだ」
「では?」
「うむ、これでは残念だが英雄の拝命式は行うことができん。オルロットよ、下がるがいい。討伐の許可はできん。」
「そんなっ」
オルロットがこちらを見る。非難するようなまなざしだ。
「兜を取って顔を見せてくれ。それができれば、僕も君を信じよう。」
もちろん嘘だ。
彼にはきっと兜を取ることができない理由がある。
「僕は――――」
言いよどみ、オルロットは兜に手をかけ、それを離した。
「オルフィンの崩壊したあの日、深い傷を負いました。顔は見せるわけにはいきません。どうか無礼をお許しください」
そういって言葉を濁す。
「ふむ、そうか。それではそなたの身分を証明できんな。」
これでいい。拝命式さえ行われなければ、オルロットは魔王領に出向くことはできない。
しかし、そうはならなかった。
「お父様、こうしてはどうでしょうか?」
謁見の間の奥から、一人の女性が現れた。綺麗なドレスに身を包んでいる。
「ルテアか。」
王が驚いたように彼女を見る。
「かわいいわが娘よ、何か良い案が?」
「少し前に近くに住み着いた魔族に畑があらされ、生け贄を要求されている村の嘆願があります。そうですね?」
「あ、ああ。そうだな。珍しいことではない。やつらは悪魔だからな。」
「それを倒していただくのです。」
「何?しかし、」
「力があることを示して、初めて拝命式を行いましょう。どうですか?」
「だが、それが何の証明になる?」
「民衆は魔族を倒す希望を求めています。彼にその力があるのなら、拝命式を行う権利があるはずです。違いますか?」
王は難しい顔で考え込んでいたが、じっと娘に見つめられ、最後には、ふう、と嘆息する。
「わかった。それでよいな、オルロット。」
「陛下の温情に感謝します。」
「ではもう下がれ。そちらの旅人も下がるがいい。許可証は発行しておく。後日取りに来るように。」
「はっ」
「はっ」
了解し、謁見の間を出る。
まずい流れだ。
きっとオルロットは力を示してしまう。
次の策が必要だった。白銀の鎧に続き、王城を出る。