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舞踏会編 後編

「お母様、お父様!」


「イージュ早くしないと開場時間に間に合いません、公爵家が遅れることは許されません行きますよ」


「はい」


私やお母様にお父様の会場入りは難なく過ぎ後は、フィーナ達…デビューする令嬢達を待つだけなのですが…いつまでも令嬢達の入場を知らせるベルが鳴りません。


「どうしたんでしょうか?今回の舞踏会でデビューするのは、フィーナとヤード男爵令嬢だけでしたのに…。」


「ハルスクーダ公爵!」


「シャロンどうした?」

「ハルスクーダ公爵夫人にイージュ様失礼します」


「シャロン貴女らしくもないわね、どうしたんです?」

「フィーナが…フィーナとヤード男爵令嬢がデビューを取り消され王宮に出入り禁止となりました!」


「な!何故です?」


「先ほど、フィーナが控え室にヤード男爵令嬢を連れて挨拶に来たのですが…。」


ちらっとシャロン様が私を見る。


「イージュ様と全く同じドレスをヤード男爵令嬢が着ていて…」


「このドレスは、カイルが私にプレゼントしてくれたものです」

「えぇ色を拝見すればわかります、ですので咎めましたの」


シャロン様が、言うにはフィーナはヤード男爵令嬢を連れてシャロン様に「この舞踏会が終われば、私はカイル殿下の婚約者になりハルスクーダ公爵家を継ぐのは私です、そしてロローアはカイル殿下の第二夫人になるのだから。」と。


「そんな、訳の分からない言い訳をしていたフィーナとヤード男爵令嬢は衛兵に連れていかれた後、騎士の方から自宅で謹慎するようにと言い渡されましたの殿下の指示だと言っていましたわ」


「その事は…。」

「二人とも体調不良と言うことに、ヤード男爵令嬢はドレスコードを守っていませんでしたし…ドレス姿で歩き回っていたみたいなので噂は避けられないでしょうが…。」


「…わかりましたわ、陛下に挨拶を済ませてから旦那様はシャロンと共にフィーナの所へ…」


「わかった、イージュを頼む」

「わかってます、私の大切な娘ですもの…当たり前です。」


「お母様…あの私達も…。」

「今日は貴女にとって大切な日です。」

「お母様?何が…。」


『国王陛下!ご入場!』


ファンファーレが鳴り響き、国王陛下の入場が告げられたため、お母様に問いかける事が出来ないまま、王妃様に王太子様王太子妃様が入場され最後にカイルが入場し王太子様の横に並びました。


「皆、今宵は重大な発表がある!…先日から私は体調を崩し、医師に見てもらった所…命に関わる病だと診断された!」


皆、驚き口許に手や扇を当て息を飲む…。

「今すぐ!と言うわけではない!が何時どうなるか分からない為、3ヶ月後には王太子に全権元を譲る事とする!そして…」


陛下は言葉を止め、カイルを見て頷き…何故か陛下のお言葉の途中でカイルが私に向かい歩いて来て…。


「イージュ…」

「カイル殿下…」


カイルは、私の手を取り片膝をつき…手の甲にキスをし…。。


「イージュ…私と結婚して下さい。」

「カ、カイル!」


「イージュ、返事。」

「は、はい…喜んで!」


私が返事をすると、ホール全体から拍手が沸き上がった。


「イージュ…来て。」

「カイル?えっ?」


「イージュ、カイル殿下と行ってらっしゃい」

「お母様?お父様?」

「ぐっ!行って来なさい…イージュ…。」


お母様とお父様に見送られ…陛下が居る壇上まで、カイルに連れてこられてしまい…。


「第二王子カイルとハルスクーダ公爵令嬢の婚姻を許可する!」


「「ありがとうございます」」

ドレスの裾を持ち、カイルと共に陛下へ最上級の礼を贈るとまた拍手が沸き上がり温かく受け入れられたのだと確信しました。


「ハルスクーダ公爵令嬢よ…。私の我が儘で申し訳ないがカイルとの婚姻の儀はなるべく早く執り行いたいと考えている、カイル…。」

「ありがとうございます、陛下!」


続きを陛下に促されカイルがホール全体に聞こえるように、ハッキリと告げた。


「皆に温かく受け入れられて私は嬉しく思う!陛下の体調を見ながら私達の婚姻の儀を執り行う予定だ」


カイルが言い終えると拍手が沸き上がり、カイルが私の腰に手を回し…耳元で…。


「イージュ…顔が強張ってる…。」

「カイルたら…行きなりだったんだもの…。」

「ゴメン…ビックリした?」

「えぇ、とっても…。」

「急だったけど、公爵達には許可は貰ってたんだよ?」

「そうだったの?私は何も聞かされてなかったんだもの。」


そんな時、挨拶を終えた王太子様に声をかけらました。


「二人共、イチャイチャするのは後でね」

「兄さん…邪魔しないで」

「王太子様、申し訳ありません!」

「陛下のお言葉が終わるよ」


「…では、皆今宵は楽しんでくれ!」


陛下のお言葉も、王太子様のお言葉も私の耳には届いていませんでした。

只、カイルと夫婦になれる事が嬉しくて…フィーナの事も忘れていて…。












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