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舞踏会編 前

ある日、私はマーサを連れカイルの執務室に来ていました。


「イージュ、このドレスを受け取って欲しい」


「カイル…ありがとう。」


カイルから贈られたのは、カイルの瞳の色をしたサファイアブルーのドレスにカイルの髪色の菜の花のような優しい黄色のリボンがが特徴の落ち着いた印象があるデザイン。


「明日は、ずっと一緒には居られないから…。」

「カイル…」


カイルとのお忍びデートが失敗してから、2ヶ月立ちました。

明日は、フィーナと約束してしまったヤード男爵令嬢のデビューの日。


「イージュはうっかりさんだよね、デビューする令嬢をエスコートしてダンスを踊るなんて、王族の務めでイージュとはファーストダンスしか踊れ無い事もあったのに。」


フィーナと約束したヤード男爵令嬢のエスコートをする事はカイル…王族の男性に取って当たり前の事を、私はすっかり忘れていました。


王族の男性達とファーストダンスを踊り、貴族社会へ迎え入れられます。ダンスが終わった後は王族から婚約者の男性へ交代しますが、婚約者がいなければ親族の男性にとなります。


「カイルの意地悪…。」

「ゴメンね、イージュがカワイイんだから仕方ないよ、ん。」


カイルの顔が近づいたかと思うと、ちゅっと小さな音をたて離れていく。


「カイル!」

「イージュどうかした?」

カイルは私が問い詰めようと、口を開いても何事も無かったように振る舞っていて少し悔しいです。



「明日ヒーニアスを代わりに迎えに行かせるから。」

「はい、お待ちしています。カイル殿下お忙しい中ありがとうございました。」

名残惜しいですが、時間が来てしまいました。


「馬車まで、エスコートさせてくれる?」

「カイル殿下、ありがとうございます。」


カイルの執務室から手を引かれ、他愛ない会話をしながら二人で馬車乗り場まで歩くと直ぐに着いてしまいました。

カイルは私の手を持ったまま、一緒に馬車に乗り込み私と隣り合わせに座ると耳元で。


「イージュ…明日僕の色を纏った君を待ってるよ、僕は此を着けてるからね。」


と見せてくれたのは、黒琥珀とバイオレットサファイア…私の髪と瞳の色をした二対のピアスでした。


「…!カイル」

「じゃあ、明日…楽しみにしてるよ」


カイルが降りた後ドレスの箱を持ったマーサがどこからか現れ馬車に乗り込むと直ぐに馬車が走り出しました。


「お嬢様…、先ほどのドレスとてもお似合いでした。」


「ありがとうマーサ」

「明日、カイル殿下の色を纏ったお嬢様を見るのが楽しみです。」


「私も…私以外の女性と踊るカイルを見るのは辛いけれど、カイルにドレスを着た私を早く見て欲しいわ」





フィーナ~side~


「フィーナ、カイルからドレスが届かないの!」

「ゲームでは舞踏会の前にカイルがロローアにドレスを送るはずなのに…。」


舞踏会前にロローアにカイルの髪と瞳の色をしたドレスが贈られ、ドレスを着たロローアをイージュが舞踏会中にロローアに詰めより場を壊したとしてイージュは謹慎を王様に言い渡され、王様はカイルが真実に愛するのはロローアだと気づく。

カイルは、イージュとこのまま結婚しては愛するものを傷つけられてしまうと、王様に相談し結果ロローアの親友でイージュの妹のフィーナに婚約者を変更しハルスクーダ公爵家に婿入りしたあとにロローアを第二夫人として認めてはくれないかと交渉してくる。


「それに、イージュも何も仕掛けて来ないし。」


舞踏会前にも、色々と悪役令嬢であるイージュが学院でカイルと噂になっているロローアに嫌みを言う軽いイベントが総スルーされたうえ、イージュには学院には居ないはずのジューンが常に護衛しカイルにはヒーニアスと影の攻略対象の二人で表と裏から邪魔されている。

「まぁイベント通り、ロローアをカイルがエスコートするのだし好感度は満たしてるはず何がいけないのかしら?」



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