極論男・4
俺(小野寺)が中学生の時に様々な髪型の人が居た。7:3分けの人、くせ毛の人、ポニーテール、スポーツ刈り、リーゼント、野球部は坊主。中には茶髪も居た。
ウザい教師は言う、くせ毛の生徒に『パーマをかけるな! 戻してこい!』と。
生徒は『地毛だよ。僕もくせ毛は嫌だったんだよね、矯正代を出してくれるの? 義務教育だし』
ウザい教師は『俺が中学生の時はな、男子は坊主、女子はおかっぱと決まっていたんだ』と言って去っていった。
俺は教室でそのやり取りを聞いていた。正直、教師の言い分の感想は「だから何!?」だけだった。
学校、特に義務教育では極論が当たり前のように、校則という憲法違反、人権侵害が横行してる。政治家は多様性の尊重を掲げてるが、選挙権のない中学生の声はスルーか。
自由な髪型は学校の規律を乱すと言うが、ただ単に教師の実力不足だろ。そもそも規律って軍隊かよ!?
ある日、クラスのイケイケ女子の1人がピアスをしてきた。それに気付いたウザい教師は『なんだ、その変な物は! 土人のする事だぞ!?』
『土人? そうよ、私は土着の民族だもん』はい、教師の人権侵害発言〜。教師の負け〜。
『先生に向かって口答えするのか!?』
『口答えしてるのはどっちよ。バカじゃない?』
教師が勝てないのはそもそも校則に欠陥があるからだよ。
――俺は廊下を歩いてると『小野寺! 小野寺! なんだ、その髪の毛は!?』今度は俺がウザい教師のターゲットになってしまったか……。
『あっ、先生、俺の髪の色は元々茶色いんだよ』これは本当の事。
『明日までに黒く染めてきなさい』
『嫌だよ、地毛だから』
『嘘を吐くなー!』
『何を根拠に嘘だと断定するんだよ』
『そういう事じゃなくて!』何言ってんだ、コイツ。
『規律を乱すって言いたいんでしょ? 別にこの学校は荒れてないじゃん』
『だからこそだ』言ってる事が意味不明だ。
『じゃあ、海外からブロンドの留学生が来たら黒く染めるの?』
『当たり前だろ!』
『くせ毛の留学生は?』
『勿論、矯正だ!』
『ヒジャブをしたイスラム教徒は?』
『取ってもらう!』
『人権侵害じゃん。この学校では人種差別を推奨するのか?』
『フンヌー! フンヌー!』ウザい教師の鼻息が荒い。
『悔しいか? ハゲ』
『なんだと!?』
『ズラを被るのは校則違反だからな、ハゲ。ウィッグはダメって校則に書いてあったと思うけど』
『この野郎……!』
『ハゲのジェラシーほど滑稽なモノはないな、アハハ。俺達、生徒は大銀杏でも結うのか? 大相撲じゃあるまいし。あっ、ハゲ先生には無縁の話だね、先生がヒジャブを被ったら? アハハ』
その教師を傷付けちゃったかな? 校則を盲信でもしてんのか。
悪いのは枠に収めようとする大人だと結論付けた。
――今日も平和な1日が過ぎていく――