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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第1章 レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります
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07話 旅商人

4/27 ココネの口調を変更しました


 『神鋼炉』付きの家が完成した俺は、アダマンタイトやオリハルコンなどの異世界金属を手に入れるため、雑貨屋のおっさん1に会いにきた。


「ああ。それなら旅商人に頼まないと難しいな」

「旅商人?」

「おう。このココルテの町は、比較的大きい町ではあるんだが、まわりが森で囲まれていて、なかなか流通が安定しないんだ。そこで希少な道具や材料などは旅商人っていう全国を渡り歩いている商人に頼むのが通例なんだ」

「なるほど、じゃ、その旅商人はどこにいますか?」

「それながなあ、、、今1人だけココルテの町に滞在しているやつがいるんだが、さっきも大通りで見たが、、、」

「――大通りですね? わかりました。探します」


 旅商人に頼めば、異世界金属が手に入るんだな。

 ――はやく、刀を打ってみたいぜっ


「――行っちまったか。あの旅商人は問題を抱えているんだが、、、まあ、いいか」


◇◆◇


「――旅商人、旅商人、はどこにいるかな?」


 俺はおっさん1が旅商人を見たと言っていた大通りに出てきた。

 ――あ、どんな人か聞いてない、、、

 キョロキョロと辺りを見渡すと、ご丁寧に『たびしょうにん』と書かれた旗を掲げた赤い髪の女の子がいた。

 他に客もいないみたいだし、さっそく声をかけてみよう。


「あの、、、すみませ、、、」

「――っ!? ご、ごめんなさいなのっ」


 ただ、話しかけただけなのに、その女の子は土下座した。


 ――なんで?

 え、俺なんかした?


「えっと、、、頼みたいことがあるんですが」

「――ひっ。すみませんなの。なんでもいうこと聞くので殴らないでくださいなの!」


 女の子は、汚れることも厭わず、体をビクッと震わせながら土下座を続ける。


 ――なんでだろう。別に何もしてないはずだけど。

 俺が悪いことしているみたいだ。


「別に、殴ったりなんてしないよ。ただ君に買ってきてもらいたい物があるんだけど」

「わたしに、、、なの?」


 女の子がようやく土下座を辞め、顔を上げてくれた。


 ――かわいい顔だった。

 土下座のせいか砂埃がついている。

 が、それと、今にも泣きそうな上目遣いが相まって、保護欲を刺激する悲壮感をかもし出している。

 肩にかかるぐらいの薄めの赤い髪が、強気なイメージを与えるが、涙目上目遣いがギャップとなっている。

 こんな可愛い子がいるなんて、、、


「――はっ。見とれている場合じゃなかった」

「――えっ、、、」


 ――思わず、声に出ちゃったか、、、

 聞こえてなかったみたいだし、気にしないでおこう。


「い、いや、なんでもない。それよりも頼みたいことがあるんだ」

「な、なんでしょうかなの?」

「アダマンタイトやオリハルコン、あとヒヒイロカネとか、武器や防具に使えるような金属が欲しいんだけど、ココルテの町じゃ買えないから、旅商人に頼めって言われたんだけど、、、」

「わたしに、なの?」

「うん。ダメかな?」

「い、いえ!!! そんなことないの! でも、、、わたしなんかでいいんですの?」

「もちろん、お願いしたいんだけど、、、」


 なんだか、女の子が困っているというか、疑っている、、、?

 ――あ、お金の心配か。

 たしか【アイテムボックス】の中に、金貨500枚ぐらい入れていた袋があったはず。


「大丈夫、お金ならあるから心配しないで、、、はい、これ」

「――っ! こんなになのっ!?」

「うん。材料はいくらあっても構わないから、仲介料をとった残り全部使って買ってきてくれると嬉しいかな。あ、でも、少ししか買えなかったら買えるだけでもいいから」

「えーと、、、わかりましたなの、、、」

「それじゃ、お願い。どのくらいかかるかな?」

「は、はいなの! えっと、、、 王都経由での移動になるので1ヵ月ぐらいなの」


 1ヵ月か、、、

 少し長いけど、しょうがないか。

 

「わかった。僕の名前はシロウ。この先にあるちょっと変わった工房に住んでいるから、戻ってきたら訪ねてきて?」

「わ、わたしは、コ、ココネって言うの!!!」

「うん。それじゃ、お願いね」


 ――よし! これで1ヵ月後に異世界金属が手に入る!

 俺は、感動のあまり、スキップをしながら家路を辿った。


「行っちゃいましたなの、、、 本当に私で良かったかな? なの、、、」


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