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レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります  作者: zephyrusu
第1章 レベル1鍛冶師だけど、ゴブリン倒すために聖剣を作ります
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04話 ミサンガの効果


「あー。兄ちゃん。こりゃ厄介なもの拾ったな」

「――厄介?」


 ゴブリンが屯っていたところで強制的に装備させられたミサンガについて情報を得るため、俺は雑貨店を営むおっさんのところにやってきた。


「ああ。こいつはのろいが掛けられているな」

「呪い?」

「そうだ。それも、最高レベルのだ。このレベルになると王都にいる高レベルの呪い師や教会の司教とかでも無理だろうから、人間じゃ無理だ、諦めろ」

「ちょ、待ってくれよ。それじゃ、俺はどうすればいいんだよ?」

「一応、高位の鑑定石を使えば効果くらいは判るだろうから、そいつで我慢してくれ」


 おっさんは、俺があたふたしているのを横目に、店の奥に入って行ってしまった。

 どうやら、鑑定石を撮りに行ったみたいだ。


(とりあえず、おっさんの言葉を思い出そう)


 ――呪いと言っていたけど、その呪いって死ぬようなものなのか?

 最高レベルって言っていたし、あり得る。


(ああー。せっかく異世界にきたのに、薬草だけ採って終わりかよ、、、)


 しばらく落ち込んでいると、おっさんが店の奥から戻ってきた。


「ほれ、持ってきたぞ。左手出しな」

「――――わかった」


 俺は、すべてがどうでも良くなったように左手を差し出す。

 おっさんは持ってきた鑑定石を握り締めながら、「鑑定」と口にした。

 すると、握っていた鑑定石が光りだす。

 俺は誰かにこっそり見られているような、なんとも落ち着かない感触を覚えた。


「これは、、、?」

「どうかしたのか、おっさん?」

「ああ、思った以上の効果があるらしい。貸してやるから見てみろ」


 おっさんから渡された鑑定石を受け取った。

 受け取った鑑定石は、完璧な丸い形ではないが、ごつごつしたゴルフボール程度の大きさの黒い石だった。

 ――手にもって、鑑定と言えば使えるんだっけ?


「鑑定」


 俺の言葉をきっかけに鑑定石が光りだす。

 すると、【簡易マップ】を使った時のように、情報が頭の中に直接入り込んできた。

――――――――――――――――――――

 まじないのミサンガ


 レアリティ:10

 取得経験値-100%

 金運上昇

――――――――――――――――――――


「――――――――――――――――――――――は?」


 【取得経験値-100%】

 

 ――ドウイウコトダ?

 ――マイナスヒャクパー?

 ハ? は? ははは、、、


 何度も見ても、文字は変わらない。

 100%が減ることもない、-が+になることもない。

 確実に【取得経験値-100%】と表示されている。


「――――――――これで俺はレベルを上げてTUEEE系もできないし、それどころか冒険者として生計をたてることも叶わなくなったのか、、、」

「おいおい、あんまり落ち込むなよ。てか自暴自棄になって死ぬなよ?」

「――いや、いっそのこと死んだ方がマシかもな、、、」

「いや、、、確かにレベルが上がらないのは辛いが、生きていりゃどうにでもなるだろ」


 おっさんは俺を慰めるように、言葉を重ねてくれる。

 だが、その言葉は俺には届かない。


 ――元の世界では、酷いいじめに遭い、引きこもりのオタクになり。

 挙句の果て、屋上から落とされて、死亡。

 念願だった異世界に転移でき希望を持ったのに、チートスキルも手に入らず。

 それどころか、ゴブリンから逃げ回ることになり。

 さらにさらに、極めつけは、レベルが上がらない。


「――もう、どうでもいいや」

「そんなこというなよ、、、 ほれ、少ないがこいつで美味しいもんでも食って元気だせや」


 そういって、おっさんは懐から銅貨を1枚取りだして、俺に手渡してきた。


 ――あたたかい。

 俺の冷えた心には、おっさんのやさしさがとても暖かいもの見えた。


「――――――――ありがとう、おっさん」

「おう、また来いよ」


 こうして、俺は雑貨屋から、いつも安宿に向かってトボトボと歩き出した。

 ――おっさんが銅貨をくれたことに疑問は持たずに。


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