冒険者ギルド
「…では、俺はスカハイ港街の冒険者ギルドのギルドマスターのロウガルだ」
ーーーーー私達の前には、冒険者ギルドマスターのロウガルが居る。ガタイがよく、肌がよく焼けている。短く切られた茶髪の大男だ
なぜか私達は、レン達の身分証と私の冒険者カードが使えるかで冒険者ギルドに来たが、いきなりギルドの受付嬢がギルマスを慌てて呼び始めて、ギルマスが来て私達はこの部屋に呼ばれた
「えっと…」
「姫の護衛役のレンです。姫は、僕達が仕えてるインカローズ国の君主。ローゼ姫です」
「…アザミ」
「あ…俺は、アレクです…」
「えっ!?あ…えと…もういいわ…ローゼ・インカローズです…」
私がただのローゼと名乗ろうとしたら、レンに私の事をインカローズ国の姫様って言われてしまい、私は諦めて名を名乗った
「ひ、姫っ!?えと…そのインカローズ国…?その国は、どこにあるんですか?」
「あの…普通に喋っていいですよ?私は気にしないですし」
「ですが…」
「いいのです」
「わかりま…わかった。スリモアトュ大陸の姫様なのか?」
「いえ…スリモアトュ大陸とディオザトュ大陸の間の島です」
「は…?島などあったのか…?見たことない…」
「えっと…島は、私の仲間が魔法で隠してます。だから、気づかれないんだと思いますよ」
あはは…私達の島は、最近来たからね。それに、これから探しても今はクラウドが霧で隠してくれてるはずだからね
「そうなのか…それほどの魔法の使い手が居るんだな…」
「ええ、大事な仲間であり家族です。それで何故私達を呼んだのですか?」
「そうですね。僕達を個室に呼んだのは何かあるのでしょう?」
「…ん」
「あ…あのな、姫様が持ってるギルドカードについてだ」
やっぱり呼ばれた理由は、冒険者カードの事よね。1000年前のだから使えないのかな?
「あ、はい。それで私のカードは使えますか?」
「いや…古すぎて使えない…。その前に何故そんな古いカードを持っているのか気になるんだが」
「いや…まあ、色々事情がありまして」
「まあ、本人のカードってだけはわかるから良いんだが…受付嬢が言っていたがSSSランクなのか…?」
「あ、はい?」
「SSSランクは、昔に居た異世界人しかなれなかったランクだぞ?だから、気になってこの部屋に呼ばせてもらったんだ。姫様は、異世界人なのか…?」
あー、やってしまったかしら?やっぱり1000年前の使ってはダメだったのね。異世界人って言ってもいいのかしら?それにしてもSSSランクって伝説のランクなんだね…
「えっと…」
「すいませんが、これ以上僕達の事これ以上探らないで貰いませんか?」
「ああ…すまない…だが、なぜ大昔のカードを姫様が持っているのか、気になってしまったんだ。それにこのカードの持ち主は、きちんと姫様本人のになっているから余計にだ…」
私が困っていたら、レンが助けてくれた。そうよね、全部言わなくてもいいんだから今は言わない方がいいよね
「えっと…すいませんが、このカードの事は言えないって事でお願いします…」
「わかった…すまんな。言えない事もあるはずだ…聞きすぎた…」
ロウガルが立ち上がって頭を下げてきた
「いえいえっ!大丈夫ですよ!だから、頭上げてください!あっ!カードの持ち主ってわかるものなんですか?」
「ああ…そのカードを誰かに渡してみろ」
「ええ、わかったわ?アザミお願いできる?」
「…ん」
「「「ーーっ!」」」
「カードが白くなったわね…」
私の黒のギルドカードをアザミに渡した途端。黒から何も描かれてない白に変わった
「白くなっただろ?それで姫様に返してみろ。姫様の魔力を感じて元に戻るから」
「……本当だわ」
「変わっただろ?最初に登録する時登録者の魔力を使うんだ、それで持ち主以外が持つと白くなって本人かわかるんだよ」
「そうなのね…だから依頼とかで最初にカードの提出するのは受付嬢が触って白くなってから本人に返すと元に戻るって事なのね?」
「そうだ。もし返した時に元に戻らなかったり、他の人が触っても白に戻らなかったら偽装されたとわかるんだよ」
「凄いわね…」
「これは、昔からギルドカードに仕組まれているから、姫様が持ってるギルドカードは姫様が持ち主って事だ」
「そうなのね…」
カードにそんな仕組みがあるなんて分からなかったわ
「それで、ギルマスにーーーー」
「ロウガルでいいぞ」
「え?あ、はい。ロウガルさんにお願いがあるんですが、この冒険者カードは使えないんですね?」
「ああ、新しいのに変わったから今は使えないな」
「わかりました。じゃあ、私達4人のギルドカードを作って欲しいんですけど…」
「ああ大丈夫だ。だが、その前に俺からの方もお願いがあるんだがいいか…?」
ギルドマスター本人からのお願い?何かしら?
「んー、内容によりますね」
「わかった。怒りの刃のパーティーを知ってるな?あのパーティーからもの凄い強い奴らに会ったと聞いたんだが、姫様達だろ?」
「ええ、怒りの刃さん達に会いましたね」
あの貴族の護衛で雇われた男4人組の冒険者よね
「それで、姫様のSSSランクが本物であれば、お願いを聞いてほしい。港の近くに「シースネーク」の群れが住んでいて、船が出せない状態であるんだ…それに今この街には、高ランクの冒険者もいないから漁師達が困っていてな……もし、この依頼を受けたらギルマスの特権でBランクからにしよう。それに、見たところレンとアザミも強いんだろ?」
「ええ、2人は強いですよ。ランクがすぐ上がってくれるなら、それはありがたいですね。ランクが高い方が色々便利なんでしょ?」
「そうだな。高ランクだと他の冒険者との面倒事が減ると思うぜ」
「面倒事が減るのはいいですね。それで、群はどのくらいの数なんです?」
シースネークは、海蛇の姿した魔物だ。黄色と黒のシマシマ模様で、3メートル以上はあるCランクの魔物だ
「わかってる数は…100近くいるんだ…」
「魔物が100っ!?多すぎません?何でそんないるのでしょうか?」
「姫。もしかしたら繁殖の時期なのかも知れませんよ?」
「そうなのかしらね?」
「ローゼさん達でも100は厳しいですか?」
「いいえ、シーサーペントなんか余裕でいけるわ。ロウガルさん、この依頼受けます。みんなも良いかしら?」
「大丈夫です」
「…ん」
「大丈夫だよ!でも、俺は戦えないから着いて行くだけど…」
私達は、ロウガルに頼まれた依頼を受ける事にした。新しいギルドカードがBランクから始められるなら利益になるから私はこの依頼を受けたのだ
「感謝する…じゃあ、船が必要だよな?今すぐーーーー」
「ロウガルさん、大丈夫ですよ。昼飯食べたらすぐ私達は、討伐しに向かいますわ」
船が無くてもシースネーク倒せる方法はあるわ
「そ、そうなのか?まあ、任せたよ」
「それでは、私達は出ますね」
「ま、待ってくれ!討伐に向かうなら俺も連れてってくれ」
「あら、そうですか?いいですよ?それと、ロウガルさんも今から昼寝でも一緒にどうです?」
「ああ、行かせてもらう」
私達の討伐にロウガルが一緒に向かうことになった
ーーーーーー今、私達4人とロウガルで港街から離れた砂浜に居て、目の前に海が見える。これから、ロウガルに頼まれた依頼をやるところだ
「ロウガルさんのオススメのお店良かったね」
「そうだね!美味かったよ」
「はい。良かったです」
「…ん!」
「そうか!気にってくれて良かったぜ」
ロウガルに昼飯が美味しい海鮮料理のオススメを紹介してもらって行ってみたらとても美味しくて私達は、満足していた。もちろん城に戻ったらみんなの為に大量に注文して空間の中に入れたんだが、ロウガルに驚かれた
「ローゼは、空間魔法使えたんだな…空間魔法使える魔法使いは、王族に雇われてる宮廷魔法使いしか見たことないぜ」
「まあ、空間魔法って珍しいものよね」
ロウガルとは、食事をしてからお互い様付けや敬語を無しで会話する事になって仲良くなってきた
「それで姫。これから空でも飛んで魔物を倒すのでしょうか?」
「今回は空に飛ばないわ」
「それだと、ローゼさん達はどうやって戦うの?」
「…ん?」
「それに、俺は船が必要ないって言われたから用意してねえぞ?」
「ふふふ、だって空から戦っても海の中に逃げられたらどうしようもないでしょ?」
「そうですね…逃げられたら倒せないですね…」
「だから、レヴィアを呼んでシースネークを追い込んで貰おうと思ってるのよ」
「わぁ!レヴィアさんですか!」
「姫のレヴィアに浅瀬まで追い込んで倒すのですね?」
「そうよ。それで、私が逃げられないように魔法でシースネークを閉じ込めるからレンとアザミが倒してくれる?」
「わかりました」
「…ん」
空から戦ってもいいんだけど、私達が飛んでる姿が誰かに見られる可能性もあり、それにシースネークが海の底に逃げられると思ったから飛んで戦うのはやめた。それで私は、レヴィアを島から呼んで協力して貰おうと思ってる。レヴィアは、高ランクの魔物だからシースネーク達は怯えて逃げるはずだ。レヴィアに私達がいる浅瀬の方向に追い込んでもらい、そこで私の[水流魔法]スキルを使って逃げられないように渦で囲む。それなら浅瀬にいるシースネークを遠距離技で倒せるはずだ
「そのレヴィアってやらは誰だ?」
「ええ、私の召喚獣よ」
「召喚獣?ローゼは召喚士なんだな」
「そうなの。だからこれから召喚獣呼ぶから驚かないでね?」
「いや…ロウガルさんは、ローゼさんの召喚獣に驚くよ…」
「アレクそうなのか?どんな召喚獣か楽しみだなっ!」
アレクは、一回私の召喚獣達に驚いていたからロウガルも驚くと思ってるみたい。まあ、レヴィアは、海竜だもんね?凄く大きいからロウガルは驚くかもね
「じゃあ、アイビーに念話で連絡してからレヴィアを召喚するわね」
「そうですね。島からレヴィアがいなくなったら何かあったかと思われますよね」
「…ん」
「アイビーさん、凄く慌てそうだね…」
「そうなのよ、アイビーが1番心配性な気がするわ…」
島からレヴィアが居なくなったら、私に何かあったか海の魔物に倒されたと思われてアイビーが慌てるかもしれないわ。だから今からレヴィアをこっちに呼ぶ事を念話で連絡するのよ
《アイビー?今大丈夫かしら?》
《大丈夫です。姫様、何かありましたか?》
《ちょっとだけあったのかしら?まあ、そんな大事ではないんだけどね》
《そうなんですか?して、私に連絡したのは何でごさいましょう?》
《あ、ちょっと海の魔物を退治しなきゃいけないんだけど、レヴィアを今から私の所に呼んでいいかしら?》
《はい。大丈夫です》
《わかったわ。じゃあ、レヴィア今から私の所に呼ぶわ!終わったら海からレヴィアに私達の島に戻って貰うわね》
《畏まりました。では、姫様お気をつけてくださいませ》
《ええ、アイビーありがと。何かあったら連絡するわね》
アイビーとの念話を切ってみんなに振り返った
「アイビーに今連絡したわ。これからレヴィアを呼ぶわね」
「わかりました」
「…ん」
「レヴィアさんに会えるっ!!」
「今からローゼの召喚獣が召喚されるんだな!」
私は、レヴィアを呼ぶために召喚魔法を発動する
「契約に従い我に従え[召喚『海竜・レヴィア』]!!」