スカハイ港街
「ふー。倒し終わったわね」
「そうですね。姫、お疲れ様です」
「…ん」
「ーーはっ!皆さんお疲れ様です!」
「アレク君ありがとう。アザミとレンもお疲れ様」
私達は、馬車の周りにいた男達がゴブリンに襲われていたから助けるため援護をして魔物退治をした
ゴブリンは、雑魚ね。まあ…私達がレベルカンストしてるからステータスの差がすごいもんね…
「あ、あの助けてくれてありがと…」
「嬢ちゃん達強いんだな」
「すごいよなっ!あの数一瞬で終わったぞ!」
「ああ…すげぇな」
私達が倒し終わってレン達に労いの言葉を言ってた所に、あの襲われていた4人組が近付いてきた
「ええ、間に合って良かったです。皆さん無事で良かったですね」
「「「「ーーっ!」」」」
「あ…可愛い…」
「笑顔がいいな…」
「そうだな…」
「俺…イケるわ……」
「…?あの…どうしました?怪我でもしましたか?」
私が4人組が無事で良かったと伝えたら、4人組の顔が真っ赤になってぶつぶつ何か言っていた。どっか悪いのかしら?
「姫。あの人達は大丈夫です。気にしないでいいですよ」
「……。」
「あ、あはは…」
「そ、そうなの?大丈夫なら良かったけど…?」
レンが大丈夫だと言っていたが、レンの笑顔は目が笑っていないのだ。それにアザミも何故か4人組を睨んでいる。アザミは人族でも嫌いなのかしら?
「あ、あの…あんた達は貴族様なのか?」
「あっ!俺らは、冒険者だぜ!ランクDの4人パーティの『怒りの刃』だ」
「あ…えと…まあ、そうなのかしら…?」
「はい。こちらの方は、インカローズ国の姫です」
「……そう、姫様」
「「「ーーっ!姫っ!?」」」
「あ…あはは…はい。インカローズ国のひーーーー」
「お前らっ!!魔物を殺したのかっ!?」
私が姫だと知って驚いた4人組だったが、突然馬車から脂ぎった身体に薄毛の男が出てきた
「あ、おうっ!この人達に手伝ってもらってゴブリンを倒したぞ」
「ふんっ!そうしなきゃお前らを金で雇った意味がないだろう。それで?そこのお前がたすーーーーーっ!?」
「はい?なんでしょう?」
「ほう……お前中々いいな……。お前私の第三夫人にしてやろう!光栄だろっ!そうだろ?嬉しいだろ」
「「「「「…はっ?」」」」」
私達は、この男が言ったことに固まった
「えっと…ママタイ様この人達は……」
「彼奴らが魔物を倒してくれたのだろう?分かっている。このママタイ様が褒美として妻にしてやると言っておるのだ。そこの男供も私の護衛として雇ってやるのだ」
「あ…違くて……」
「なんだ?光栄だろ?私は侯爵だぞ?地位も金もあるのだ。女はこれで喜ぶだろ?お前は好きにーーーーーーーっ!?」
「「「「ーーーっ!?」」」」
「姫。殺す許可をください」
「…殺す」
「ちょっ!?レン、アザミ落ち着いて!?」
「あーあ、レンさん達が怒ってる…」
目の前に居る侯爵だと言っている男が、何を言っているのかわからなくて黙っていたら、レン達が殺気を放って貴族の男を睨みつけていた
「ですが姫。ただの侯爵の分際でインカローズ国の大事な美しい姫を妻に迎えようとか身の程をわきまえて貰いたいですね」
「…殺す」
「ーっ!?ひ、姫…!?」
「ええ、あの方は姫なのですよ?貴方には雲の上であり手の届かないのですよ」
「…殺す」
ーーーーガチャ
「ーーひっ!?」
2人は一瞬にして貴族の男に近づき、レンが左から剣を首元に当て、アザミが拳を右から顔に向けていた
「だから…今すぐこの場から消えてください」
「……ん」
「あ…あ、あ………」
「消えてください」
「…消えろ」
「ーーひっ!?お、お前ら、は、早く行くぞっ!!馬車を出せっ!!」
「あ…はい…」
「ほえ?い、今から出しまーす」
貴族の男は、二人からの威勢に恐れて馬車に逃げ込んだ
「あらら…二人ともなんでそんなに怒ってるのかしらね?」
「いや…あれ…えと、ローゼさんの事が大切なんだよ…?」
「そうなのかしらね…?あそこまでやらなくてもいい気がするわ…」
私は、アレクに何故あそこまで怒る必要があるのか聞いたが、やり過ぎな気がしてしょうがなかった
「全く…すぐ逃げるなんて腰抜けですね」
「…ん」
「あ…すまねぇ、俺らの雇い主さんが迷惑かけて…」
「嬢ちゃんもすまん…」
「あんた達もこの先の港区に行くんだろ?」
二人がいつもの顔に戻って、逃げていった貴族に毒を吐いていた。そこに、4人組パーティ「怒りの刃」が迷惑かけたと謝ってきた
「あ…いえ、大丈夫です。二人が護ってくれた…のかな?だから気にしないでいいですよ。私達も港街に向かってるところです」
「本当すまん…俺らもあいつの護衛で港街行くから彼方で会ったらよろしくな!」
「ええ、そうですね。皆さんも気をつけてくださいね?」
「あはは…魔物も怖いがあのデブ貴族の機嫌をとるのがな…」
「そうだな…」
「あら…なんかすいません…」
「いやっ!助けてくれただけでもっ!」
「そうだぜ!嬢ちゃん達が来てくれたから生きてんだからなっ!」
「あははっ!!そうだぜ!俺らあの数だったら死んでたからな」
「ふふふっ良かったです。じゃあ、皆さん護衛頑張ってくださいね?」
「「「「お、おうっ!!」」」」
怒りの刃達も港街に行くらしく、また会えるかも知れないから護衛の仕事を笑顔で応援する。怒りの刃達は、何故か顔を真っ赤にして返事をしてくれて、あの貴族が乗った馬車を連れて先に港街に向かっていった
「はあ…二人ともやりすぎよ?あそこまで殺気を飛ばさなくても…」
「ですが…あの貴族は姫を妻に迎えようとしてたんですよ?僕達の大切な姫をですよ!?」
「…ん!」
「あの…ローゼさん?レンさん達がそれ程ローゼさんが大切なんだよ?」
「…うん、わかったわ。それに私も無視して行こうって思ってたから気にしてなかったけど……まあ、二人とも私の為に怒ってくれてありがとね」
「いえ、僕達もやり過ぎました」
「…ん」
「大丈夫よ。さあ、私達も港街に向けて歩くわよ」
私は、あの貴族の事無視して行こうかと思ったんだけど二人が怒ったから驚いたわ。まあ、私の為に怒ったから嬉しかったわね。さあ、港街まで後少しだから向かいましょうか
ーーーー私達は今、スカハイ港街に着いた。港街の門には、街に入る為に沢山の馬車が並んでいた
「着いたわね。お腹減ったわ…」
「そうですね。港街に入ったら食事にしましょう」
「…減った」
「そうね!新鮮な海鮮物が食べれるわね!」
「あ…あのぉ〜」
「アレク君どうしました?」
「どうしたの?」
昼食の話で私の気分が上がってたところ、アレクが話しかけてた
「俺奴隷だったから…身分証持ってない……無いとお金払わないと…」
「あ、そうよね!レンとアザミの身分証も無いし困ったわね…でも、通貨払えばいいんでしょ?だったら私が払うから大丈夫よ」
「すいません…また、お世話になって…」
「大丈夫よ。それに私も冒険者カード持ってるけど使えるかわからないからね」
「使えない?ローゼさんは、冒険者ランクいくつなの?」
「えっと……あっ!私達の番よ」
1000前の冒険者カードなんて言えないから、次が私達だったから話を流した
「ーーーっ!?あ、あの身分証をお願いします…」
「私達持ってないわ」
「す、すいませんが、通行料を支払ってください。4人で…通行料4000コロです」
「銀貨四枚ね……はい、これでいいかしら?」
「はい。ど、どうぞお通りください…」
ーーーー『コロ』この世界で使われている通貨だ。100コロ=100円で分かりやすい。10コロで子銅貨一枚、100コロで銅貨一枚、1000コロで銀貨一枚、10000コロで金貨一枚、100000コロで白金貨一枚だ
アレクからお金について聞いたけど1000年前と変わってないからよかったわ…私の所持金は、もうカンストしてるし城の金庫の中にもまだまだコロがあるのよね。私ってお金持ちね…
「入れたわね。さっきの憲兵のお兄さん、なんで緊張してたのかしらね?」
「それは、姫が美しいからです!」
「いや…それもあると思うけど、俺たち貴族か何かだと思われてるよ?さっきの憲兵も貴族の人に失礼がない様に仕事してたんだよ。ほら…今も周りからの視線がすごいよ…」
「…ん」
アレクに言われて周りを見たら遠目から色んな人の視線を感じた
「なんで、そこまで見るのかしらね?」
「それは…皆さんの見た目が…」
「姫が美しいからですね!」
「あ…3人ともカッコいいから見られているのよ!」
「かっ!?カッコいい………えへ……」
「姫。ありがとうございます!ですが、姫も美しいですよ?周りの視線を独り占めしてますよ!」
「…ん!姫様一番」
「え…ああ…そっか。ありがとう」
そうなのよ。忘れていたが私って今美少女なのよね!
「ーーっ!?」
ほら、あそこのお兄さんと目が合ったから笑顔で返したら顔真っ赤になっている!私ってやっぱり美少女なのか!?そうよね!!だからあのママタイ?マダイ?貴族が私が美少女だったから妻に迎えようとしたのね…完全にこの世界が1000年後って知ってから忘れていたわ…
「あっ……」
「「…?」」
「姫。何かありました?」
「…なんでもないわ!さあ、先に身分証作りに冒険者ギルド行くわよ」
私は、関係ないわ。あのお兄さんの背後に般若のような顔の女の人が居たなんて見てないわ……
「ローゼさん、あそこでカップルなのかな?女の人が男の人の顔殴ってたよ…怖いね…」
「本当ですね。きっと男性が何かしたのでしょうね?女性があそこまで怒らないと思います」
「そうなんだ!あーあ、ダメな男の人だね」
「ソウネ……」
「……」
私は関係ありません。ただ目が合っただけです。だから、アザミさん?何で私の事見てるのかしら?私は関係ないわよ!?
「さあっ!冒険者ギルドが見えてきたわよっ!!」
「ローゼさんいきなり元気になったね!楽しんでるの?」
「そうですね。姫は、冒険が好きだからですよ」
「だから、冒険者カード持ってるんだ!」
「よく、僕達で色んな所冒険して来たんですよ?」
「……」
気にしない気にしない。私は過去を振り返らないの、前だけ見るの。大丈夫よ、私はトッププレイヤーだったのよ!
ーーーースカハイ港街・冒険ギルド。この港街は、要塞に守られている。港があり、屋根が茶色で白に塗られた石造りの建物が沢山ある。中世ヨーロッパのもう少し古いぐらいな街並みだ。冒険ギルドは、二階建ての赤い建物で看板に冒険者ギルドって書いてあり、二本の剣が重なっている
今、気づいたけど看板読めるわね……それに、字もわかるか頭の中で考えてみたら思い浮かべることができた
「まあ、いいわ。それじゃあ冒険者ギルドに入りましょう」
ーーーーガランガランッ
「おお、それでなこの俺がなーーーーーっ!?」
「どうしたんだよ?誰かきたの…か……まぢかよ……」
目の前の知人と喋っていたら、知人が俺の背後を見て固まった。何事だと思い振り返ったら…
「おい…どこの貴族様だ?」
「わかんねぇ、お前は?」
「知らねぇよ…あんな奴らが居たら誰か分かるだろ」
「そうだよな、何処か国の者か?」
「にしても、やべぇな…」
「ああ…」
「やばい美少女だな…」
「それに、男も美形すぎるだろ…」
「だよな…あそこまで美形だと、嫉妬しねえもんだな」
「そうだよなっ!なんか住んでる世界が違すぎるぜ…」
「本当だわ……」
そう…振り返ったら住んでる世界が違すぎるほどの4人での美形が入ってきたのだ。プラチナブロンドの人形のような美少女と、どこの国の王子だと思われる金髪の男。眠いのか欠伸を漏らしてるこいつも金髪で美形の大男。まだ、幼いがこれから成長すれば、3人と同じ様に美形になるだろう男の子の4人だ
「あの…この冒険者カードって使えます?」
「ーーっ!?あ、はひぃ!今確認致します!!しょしょお待ちくださいっ!」
真っ赤なドレスを着ま美少女が受け付けと話していた。美少女が話かけた受付嬢は、口を開けて固まっていたが、話かけられすぐ仕事をし始めたが言葉が噛んでいた
「え…ふへぇっ!?え、えっと…もう一回…………ええぇぇぇぇぇぇぇっ!?SSSランクッ!?」
「「「「「「ーーーっ!?」」」」」」
な、なんだと…!?SSSランクだと…!?
「え、あの今もカード使えてますか?」
「あ…まっまま待ってくだひゃい!!ギルドマスターをお呼びーーーっ!!」
「ん?なんでしょうか?」
「ああ…ここのギルドマスターだ。お前は下がっていいぞ」
「あ、ひゃい!わかりまひぃたギルドマスター!」
「あら?ここの冒険者ギルドのギルマスさんですか?それで私に何か?」
「すまないが、話がしたい。個室で話しができないか…?」
「え?……ええ、大丈夫ですよ?3人も連れていっていいですか?」
「ああ、案内する…こっちだ…」
本当にSSSランクなら、一大事だ。俺が対応しなければ、ここの冒険者ギルド。ギルドマスターの俺がーーーーーーーー