ディオザトュ大陸に到着
「わぁ〜っ!!すごいっ!!」
「アレク君は空に飛ぶのは初めてですか?」
「レンさんには、わからないと思うけど、俺ら人族は空を飛ぶ経験なんかないですよ…」
「そうですか、アザミの上からの景色はどうですか?」
「うんっ!すごいよっ!速いですしこんな景色見た事ない」
「ふふっアレク君が高い所が苦手じゃなくて良かったわね」
「そうですよね」
「え…苦手な人がいるの?」
「ええ、下に落ちてしまうか不安になってしまって高いとこが苦手な人がいるわ」
「へえ…なんか落ちたらどうなるのか想像すと怖くなってきたよ…」
「あら、言わなければ良かったわね」
「大丈夫ですよ。アザミが落としたりなんかしませんよ?」
「レンさんが言うなら大丈夫だよね…?アザミさん安全でお願いします…」
「…ガァ」《…わかった》
「ほ、本当にお願いしますね…?」
私達は今、海の上空からディオザトュ大陸に向かって飛んでいた
「とりあえず王国領地に向かって南東の方向に向かって進めばいいのよね?」
「うん…進んでいけば王国領地に着くと思う…」
「まあ、南東に向かえばきっとわかるわ」
ーーーーー「ディオザトュ大陸」この世界で一番大きな大陸。私達が住んでる島を中心にして右に人族が多く住む「ディオザトュ大陸」があり、北西に色んな種族が住んでる「スリモアトュ大陸」がある。南西には魔族の大陸「ワルド大陸」があるのだ。他にも大陸があるが、この3つが代表的な大陸だ
私達は、南東に向かって飛びながら色んな話をしていた時…
「あっ、大陸が見えてきたっ!」
「本当だわ、ディオザトュ大陸が見えてきたわね」
「どうしますか?このまま飛んで向かいますか?」
ディオザトュ大陸が見えてきたが、アザミのドラゴンの姿で飛んでいったら驚く人が居そうね…
「ねえ、アレク君。今のアザミだとやっぱりみんな驚くかしら?」
「そうだね…ドラゴンの襲撃が来たかと思って驚かれると思う…」
「そうよね、[幻影魔法]スキルがあれば姿を隠す事が出来るけど…誰も持ってないからね」
「…ガァウ」《…ごめん》
「アザミは、気にしないで!しょうがないわ」
「そうですよ。幻影が使えるのが居ないだけですから、それに僕達も飛んでいたら目立ちますし」
「あ、アザミさん元気だして…!!」
「…ガァ!」《…ん!》
アザミが自分の姿で私達に迷惑かけたと思ったのか、落ち込んでいたがレン達に励まされて元気になった
「じゃあ、大陸が近くなったら人に見られない様な場所で降りましょう」
ーーーーディオザトュ大陸に着いた私達は、王国領地の人目がかからない場所に降りた。もちろんアザミは元の人型に、私とレンも羽をしまう
「よし、着いたわね。確かアレク君が言っていた港街は、彼方でいいのよね?」
「うん、俺らが乗ってた船がその港街から出たんだ」
「そうなのね。じゃあその港街からアレク君の村について情報を集めましょ」
私達は、港街に向かって歩き始めた
「それにしても…ローゼさん達はその姿で街に入るの…?」
「え?…何か変かしら?」
「そうですか?防御力高い装備ですよ?」
「…ん」
「あ、違くて…貴族の人にしか見えないんだ……」
「あ…そうね…私今、ドレスだもんね…」
私達3人は、アレクからしたら貴族の人にしか見えないらしい。確かに真っ赤なロードレスなのよね。レンなんか真っ白なタキシードだから何処の国の王子って感じだし。アザミもシンプルに黒のTシャツにズボンだが、よく見たら良いものを使ったってわかるだろう
「んー、目立つわね…」
「そうですね…どうしますか?」
「私の持ってる服なんか全部ドレスだから、普通の服なんか持ってないわ…」
「……開き直る」
「そうね…ここまで来たしアザミの言う通り開き直るしかないわね…」
「大丈夫ですよ。僕達がお護り致します」
「…ん」
「そうだね…でも、レンさん達は強いと思うから大丈夫だと思うな!」
「そうよ!大丈夫よ!さあ、行きましょ!あ、アレク君は、絶対離れないようにね?魔物に襲われない様に私の側にいてね?」
「うん…すいません…弱くて…」
「気にしないわ、これから強くなればいいのよ」
「そうですよ?僕達の動きを見て戦い方を覚えればいいんですよ!特に姫の素晴らしい舞う姿は目に焼き付けるといいですよ!!」
「わ、わかった!」
レンは頬を染めて私の事を言っているが、戦い方の覚え方が何か違う気がするわ…
「………ん!」
「アザミさんどうしたの?」
アザミが何かに反応して、歩きが止まった
「アレク君。誰かがこの先で戦ってるんですよ」
「そうね……ん?魔物と人が戦っているのかしら?」
「え!?そうなの!?」
「……魔物四十以上…人間が5人」
「さすがアザミです。姫、どうしますか?」
さすがね。アザミは、[龍眼]と[察知能力]があるから私達の中では一番気配に敏感だ。アザミの[龍眼]は、魔力の流れが視えるからどんなに魔法を使って誤魔化しても、隠蔽しても魔力を視てわかることができるのだ。[魔力感知]は、魔力を感じるだけで視えない。それでアザミが遠くの方向に魔力の流れに何かが視えたから警戒したのだろう
「よっ40以上!?数が多すぎだよ!!」
「大丈夫よ、魔力からして弱いと思うわ。レン、アザミ助けに行くわよ」
「「了解」」
「え!?でも…!!」
「アレク君は、魔物の所に着いたら私の側にいなさい」
「あ、はい…」
「アザミ、アレク君を担いでくれる?私達の速さに着いてこれないと思うから、お願いね」
「…ん」
「ーーっ!?うわぁっ!」
「行くわよっ!」
「「了解」」
アレクは、アザミの肩に担がれ。私達は、魔物と戦ってる人達の方向にもの凄い速さで向かった
「まっ!待って!!はや…!うわぁぁぁぁぁ……!!!」
ギッ!ギンッ!ガンッ!ギンッ!
男達4人は、馬車を護りながら魔物と戦っている
「ーーっ!くそっ!なんだよこの数!?」
「おいっ!そっちに来るぞっ!」
「ーーっ!はぁっ!」
「倒しても倒しても切りがないぜ!!」
「んなっ!?彼方から何か来るぞっ!!」
「なんだとっ!?これ以上増えるのかっ!?」
「わかんないっ!凄い速さで来ているぞっ!!」
男達は、大量の魔物相手に苦戦していた。魔物の数の暴力にジワジワと傷が増えて来た頃、1人の男が此処に何かが向かってると叫んでいた。男達は魔物がまた増えるかと思ったが……
「………っ!!うわぁ!わぁぁぁぁぁ!!」
「[アイシクルヘイル]っ!!」
「ギャンッ!」
「ギギッ!!」
「ギッ!?」
「ギギギギッ!?」
「ギャギャッ!」
「「「「ーーーーっ!?」」」」
男達は、固まった。もの凄い速さで此処に向かって来ていたのは、1人の少女と2人の男性に子供だった。少女が魔法を使って大量の氷の槍が現れ魔物に向かって放たれ瞬殺していって、男達は驚きすぎて戦いの手を止めて固まったのだ
「お兄さん方?助けは居るかしら?」
「「「「ーーっ!あっ!はい…」」」」
少女がこっちに振り向いて、男達に援護するかと聞かれたが、少女の姿に一瞬驚いたが今戦闘をしてるんだと思い出し男達は頷いた
「アザミ、レン殺るよ…!」
「「了解!」」
ーーーーーー俺は、今の光景に驚いている
アザミさんが魔物に襲われている人達が居るって言われて驚いたが、他の皆さんも気づいてたみたいで、俺にはさっぱり何もわからない。ローゼさんの指示で俺はアザミさんに担がれ、もの凄い速さで移動したから驚いて声が出てしまう
「………っ!!うわぁ!わぁぁぁぁぁ!!」
「[アイシクルヘイル]っ!!」
ローゼさん達が魔物に襲われて戦ってる人達の所に駆けつけ、ローゼさんが魔物を発動した瞬間、大量の氷が魔物に向かって放たれた
ーーーー目の前に居る魔物は、「ゴブリン」だ。ゴブリンは、緑色の醜い顔で子供ぐらいの大きさだ。繁殖する速度が早く1匹でも森にいれば50近くはその森に居ると言われている
1匹ランクFで2匹ぐらいは、大人1人で倒せるぐらいの強さなのにローゼさんの魔法で10匹以上を一瞬で瞬殺した
「す、すごい……」
「…ん」
「アレク君。強くなりたいなら、これから戦う姿をよく見て勉強してくださいね?」
「あ、はい…!」
ローゼさんの魔法の凄さに俺は、動揺を隠せなかった。アザミさんに降ろしてもらい、レンさんに戦闘姿を見るように言われて頷く
「お兄さん方?助けは居るかしら?」
「「「「ーーっ!あっ!はい…」」」」
ローゼさんが馬車の近くにいる男達に援護が必要か聞いていたが、男達は固まっていたのか反応が遅れていた
「アザミ、レン殺るよ…!」
「「了解!」」
ローゼさんの指示にアザミさん達が真剣の顔で頷いて、魔物に向かって跳び出していって魔物達との戦いが始まった
「ーーーっ!?」
それからローゼさんの隣にいる俺は、今の光景に驚いている。レンさんは、どこからか出した二本の剣で俺でも見えない速さでゴブリンを首をはねていく。アザミさんは、拳でゴブリンを殴り殺していた、アザミさんの力が強いのかゴブリンが殴られた勢いで飛んで行った。ローゼさんは、氷の槍でゴブリンの頭に刺していく。魔物は全て一撃でやられている…
「すごい…」
俺は、目の前に居る男達と同じ顔してるだろう、ローゼさん達の余りにも強さに固まってるのだ。俺も皆さんが強いと思っていたが、ここまでとは思ってなかった
「ゴブリン達が、何もできず倒されていく……」
ローゼさん達のは、あれは戦いと言うのか?ただ魔物駆除をしてる様にしか見えない
でもローゼさん達の戦う姿を見て俺は…こんなにも心からーーーーー
「ふー。倒し終わったわね」
ーーーーーローゼさん達みたいに俺も強くなりたいと思った……