少年『アレク』
「く、首輪が無くなった…?」
ロベリアに少年の奴隷の首輪を取ってもらった
「ロベリアありがとう」
「エエ、にしても姫サマ。此奴らはなんデスゾヨ?」
「あー、盗賊のおじさんと奴隷の少年?かな?」
「もっと居たのじゃが、わらわが燃やしたのじゃ」
「ホオォ。して、姫サマ此奴らどういたしマスゾヨ?」
「ーーっ!!化け物供っ!!俺をどうするつもりだっ!!」
「うるさいのぉ?死にたいのかのぉ?」
「ーーーっ!!」
ロベリア達と話してたら、ガルガという厳ついおじさんが喚いてたが、カンナの殺気で黙った
「カンナやめて?大事な情報源なんだから」
「やれやれ、わかったのじゃ。貴様、逃げようとしたら燃やすから大人しくするのじゃぞ?」
「ーーっ!?」
「もぉ、おじさんが首が取れそうな勢いで振ってるわよ……。ロベリア、あのおじさん連れて先に戻って地下牢屋に入れといて」
「わかりまシタゾヨ。キサマ大人しくスルゾヨ?姫サマ。先に戻ってマスゾヨ[ホームポート]」
ロベリアがおじさんの襟を持って[空間魔法]のスキル[ホームポート]で城に戻っていった。このスキルは、一箇所にだけ設定した場所なら一瞬にして移動ができる魔法だ。ロベリアは、城に設定したのね。もし、複数人で移動するには、魔法を使う人が連れて行きたい人に触れていれば移動できる
「じゃあ、私達も戻るわよ?ねえ、貴方もーーーん?どうしたの?」
「あ、あの…俺は本当に奴隷から解放されたのでしょうか…?」
「んー、うん。スキルで君のステータス見てみたけど、奴隷が消えてるわ」
「そ、そうなんだ……うっ…ひっくっ!うぅぅ……」
「え!?泣いちゃった…カンナどうしよう!?」
「彼奴の事黙らせればいいのかのぉ?」
「あ、やっぱ、大丈夫よ…」
少年は、奴隷解放された事でしゃがみ込んで泣き始めてしまって私は動揺してカンナに聞いたのだが、何をしでかすかわからないからやめた
「ね、ねえ?何で奴隷になったの?」
「…うぅ!ひっく……実はーーーーー」
私は少年の前にしゃがみ。奴隷になった理由を聞いてみたら、痛ましい話だった
「そう…。大変だったのね」
「うっ…うぅぅ…」
「両親は、生きてるかわからないけど、貴方が生きてるだけでも嬉しいはずよ?」
「で、でも…俺は奴隷になって…ひっくっ!」
「今は解放されたでしょ?うふふ、私が貴方を助けたでしょ?」
私は、少年に励ます為に笑いかけ頭を撫でた
「ーーっ!!あ、はい……あ、ありがとうございます…」
「ん?あ!いいえ。私が助けたかっただけよ」
あら、泣き止んだわ。やっぱり男の子は子供扱いされると恥ずかしいのかしらね?顔が真っ赤だわ
「さあ、私達の城に案内するからおいで。立てる?」
「あ、はい…大丈夫です…」
「カンナ、城に戻るわよ」
「わかったのじゃ」
「あっ!貴方の名前は?」
「あ、俺は、アレクです…」
「アレク君ね、私はローゼよ。彼女は、カンナよ」
「ふんっ。姫様の危害を起こそうとしたら、彼奴らみたいに……わかったかのぉ?」
「ーーっ!はいっ!!」
「何で脅迫みたいな事をするのよ…ま、いいわ戻るわよ」
私達は、城に戻りながら少年アレクに盗賊達の事を教えてもらった
「へぇ、さっきのおじさんは、盗賊のボスだったのね。丁度良かったわ、色々詳しそうね」
「あれで、ボスなのじゃな?弱いのぉ」
「そうよね?あれでボスなんだね」
「で、でも、ガルガはBランク程の実力者ですよ?」
「あのステータスでBランクなら弱いわ」
「そうじゃのぉ」
「えっ!?あ、まあお二人さんは強いんですよね?」
「まあ、そうね。あのガルガって男よりは強いわね」
「お、そろそろ姫様着きますのじゃ」
「ーーーっ!!?」
「アレク?どうしたの?」
「す、すごいですね……」
「そうじゃろ?姫様の城だからのぉ!凄いのじゃ」
「あ、まあ…お金掛けたからね…あはは…」
そうよね、こんな派手な城に驚くわよね。1番豪華な見た目の城を選んで買ったんですもの
「……ほ、本当にローゼさんは、姫様何ですね…」
「そうじゃぞ、城含めこの島は全て姫様のじゃ!凄いじゃろ?流石わらわ達の主人じゃ!」
「あ…えと…そうなのよね。まあ、城に入るわよ」
呆然としてるアレク君と、私の自慢してるカンナに声を掛け城に入っていく。城に戻ってきたらアイビーが玄関に立っていた
「姫様、お帰りなさいませ。ロベリアが連れてきた汚らわしい人間は、地下牢屋に閉じ込めました」
「ただいまアイビー。汚らわしいって……生きてるわよね?」
「はい。牢屋に投げ捨てましたけど、生きてるますよ。ただ、骨が何本か折れたぐらいです」
「それは、やりすぎよ……あ、メイドさん!お願いがあるんだけど牢屋に居る男を治療しといてもらえる」
近くに居たメイドゴーレムは、私に一礼をしてから指示通りに地下に向かっていった
「姫様、申し訳ございません。ご迷惑かけましたか?」
「大丈夫よ。次からは普通に入れてあげてね」
「畏まりました。して姫様、ロベリアからお聞きしたのですが、そちらの彼は?」
「あ、アレク君の事ね?彼は、奴隷だったんだけど助けたかったから助けたわ。とりあえず、私のお客さんって事で客間に連れていって、お風呂と食事とか用意してあげて」
「あ、ロー…ひ、姫様?」
「アレク君大丈夫よ。今日疲れたでしょ?だから休みなさい。アイビー任せたわね」
「畏まりました。アレク様此方へどうぞ、ご案内致します」
「あ、はい…お願いします…」
アレク君は、アイビーとメイド2人に浴場がある方に案内され行っていった
「さあ、カンナ。会議室に行きましょ。みんなを待たせちゃってるからね」
「わかったのじゃ」
ーーーー私達は、会議室に戻ってきた
「おお!姫様戻ってきたぞっ!!」
「「ママお帰りぃ〜」」
「うふふ。お帰りなさい」
「姫様。お帰りなさい」
「姫、無事で良かったです」
「あっ!姫さん、お帰りぃ」
「………おか」
「オオ!今、お戻りになりマシタカッ!」
「ええ、ただいま。みんな待たせたわね。会議の途中で悪いんだけど、明日改めて会議を開くわ。だからごめんね?みんな自由にしていいわ」
「「「「「了解」」」」」
みんなに彼方であった事、アレクが私のお客として城にいる事を話して解散した
「夕飯まで、時間あるしどうしよ?」
会議室から出た私は、1人で歩いていた。まだ夕飯まで時間があり、残りの時間まで何かしようと考えていた
「あっ!そういえば、召喚獣でも呼んでみようかしら?あの子達とも喋ってみたかったんだよね」
私は、召喚獣を呼ぶ事にして南エリアの草原に向かった
ーーーー使い魔と召喚獣の違いは、使い魔は自分の眷属にするのだ。私の一族、従者になる事だね。まあ、血の繋がりがない家族だと思ってるわ。召喚獣は、契約した魔物を魂に刻む事で私の身体の一部となる。その一部(魔力)を使って契約した魔物を呼び出す事が出来て手を貸してくれるのよ。ペットや友達みたいな感じなのかしらね?でも、召喚獣は倒されると消えて私の中に戻るけど、使い魔はプレイヤーと同じで倒されると復活魔法かアイテムを使わないといけないのよね
「もし、倒されてもみんな課金アイテムガチャで当たった『復活の指輪』を装備してるからこの世界でも大丈夫なはずよ!」
『復活の指輪』とは、倒されると指輪が壊れる代わりに復活する事が出来るのよね。これがあれば少しは保険が効くわね。それにまだあるのよね……課金アイテムガチャで欲しいアイテムが合ってそれが欲しくて回しまくったのだ
「どのぐらい回したのか覚えてないほど課金して回したわ、懐かしいわね……」
それで、『復活の指輪』は当たりやすい賞品だったから私の空間と城の金庫に大量にあるのよね。あはは…
「よし、ここならあの子達が呼べるでしょ?誰から呼ぼうかしら?」
今、城から出て南エリアの草原に着いた
「あ!目の前に海があるならあの子がいいわね!この島の湖だと狭かったし海なら広いから喜んでくれそうだわ」
私は、魔力を込め始めた
「契約に従い我に従え[召喚『海竜・レヴィア』]」
ーーバリンッ!!
目の前に巨大な青く光る魔法陣が現れ、魔法陣から巨大な長い魔物が魔法陣を破って出てきた
「レヴィア久しぶり。海のイベント以来かしら?」
ーーーー『海竜』レヴィア。深い藍色の鱗を持った全長15メートルの竜だ。頭は首が長く角が生えた鰐の様で背中は棘の様な鱗が生えている
「ギャオッ!ギャオギャオ!」
「うふふ、私も会えて嬉しいわ」
「ギャオ!ギャギャ?」
「ん?呼んだ理由は、海があるから一緒に遊ぼうと思ったのよ」
「ギャギャオッ!!!」
「喜んでくれて嬉しいわ。じゃあ、海に行くわよ」
「ギャオォ」
レヴィアの言ってる意味が何となくわかるわ。あれかしら?召喚獣は私の一部でもあるんだしわかるのかもね
「ん?誰か来てるわね?この魔力は……アザミだわ」
レヴィアと海に向かってると、[魔力感知]と[察知能力]に知った人物の反応があった
「……んっ!」
「あら、アザミどうしたの?」
「……レヴィア…いたから」
「ああ、レヴィアに会いにきたのかしら?」
「…ん……久々」
「ギャオ!ギャオ!」
「…ん」
「ギャオォ?」
「……ん…そうだよ」
「ギャアオ!」
あらあら、アザミとレヴィアが話してるわ。同じドラゴンとして会話してるかしらね?
「……海行く」
「あら、アザミも一緒にくる?」
「…ん」
「じゃあ、行くわよ」
「…ん!」
「アザミ?」
「…手は?」
「うん?手がどうしたのよ?」
「…ん」
「ーーっ!?ア、アザミ?何で手を繋ぐのかしら?」
「……連れてって」
「私が連れて行くの?」
「…ん」
アザミが手を出して何をしてるのかと思ったら、手を繋ぐ事だったらしい。彼に手を繋がれた時、急の事で驚いてしまった
「そ、それじゃ海に行くわね」
「…ん」
「ギャオ!」
私とアザミは、手を繋いだままレヴィア連れて海に向かって歩いた