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にん~行雲流水~  作者: 石原に太郎Ver.15y-o
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《女子浴場》

硬悸達白組五人は叙里に教えられた通り、くのいち修行前の女子浴場を覗きに来ていた。


叙里が言うには、くのいち修行は男を虜にするために女の武器を使いまくる修行らしい。


硬悸達の頭は計画実行を決めた昨夜からエッチな妄想でいっぱいだった。

一番見たいのは、くの一教忍彩と一つ上の黄組で見習いくの一美紅だった。


教忍彩は見ているだけでドキドキするし何だかいつもいい匂いがする。

黄組の美紅はまだ発展途上だが既に彩にも負けない風格を備えている。


くの一は戦忍になれなかった女子の修忍から選抜され、一年間の見習い期間を経て正式なくの一になれるかの試験がある。

叙里曰く、くの一修行は身を清めてから始めるので、まだ明るいこの時間から入浴し、その浴場内でも色々な修行をするそうだ。

しかし女子の浴場は表側は板張りなので、近付けば多少の隙間から覗けるかもしれないが通りに面しているので直ぐに見つかる。

裏側は林になっているが土壁で囲われているので覗く隙間がない。

そこでこの叙里から預かった屈曲筒という物が役に立つらしい。


白組五人は女子浴場裏の林の中で息を潜め、高い土壁の上に屈曲筒の先端を出して覗いていた。


「おい、硬悸まだか。」

大丘は自分にも早く見せろというようにせっついた。


「しっ、大きな声を出すな。まだ、誰もいないよ。」

相賀、照間、樋堀も早く見せろという表情で睨んでいる。

硬悸はじっとしていろと、手振りで制すると、


「おっ、誰か来たぞ」

その言葉に一同ゴクリと唾を飲み込み、荒ぶりそうな息を必死に鎮める。


・・・・・


「誰だ。」

小声で大丘が聞くが、もう少し待てと硬悸はまた手振りで諌める。


微かに風が吹き湯けむりが徐々に流れていくと、はっきりと見えてきた。


「えっ!え~~、婆や!」


硬悸は思わず声を上げてしまった。


「誰じゃ!」


婆やの声にくの一達が脱衣所を飛び出し湯船になだれ込んだ。


「逃げろ!」


白組五人が林から飛び出した先には、覗くはずだった教忍彩と黄組の美紅が待ち構えていた。


覗きがバレた硬悸達は一日結びで集会所の大欅に縛られている。


「婆やの体はどうじゃった。」

ひっひっひと笑いながら聞いてくる超長老。


「えっとは何じゃ、え~っとは。」

婆やは自分の体を見て残念そうに「エ~ッ」と言ったのが気に入らなかったらしく、木杖で五人の頭をバシバシと叩いている。

そして遠巻きにそれ見ている里人たち。


教忍彩を覗いて縛られたのなら納得も出来るが、婆やを覗いて縛られているのが情けなくて恥ずかしくて五人ともずっと俯いたままで、硬悸にいたっては悔し涙を流していた。


飲食物は届けられるが一日結びが解ける翌日の昼まで婆やを覗いた変態として里人達に笑われ続けた。


それから硬悸達は白組ではなくエロ組五人衆と呼ばれるようになった。


一日結びとは一日で自然に解ける結び方で、他にも三刻結び、半日結び、三日結び等がある。

三刻結びは慣れてくると意外と簡単に出来るのだが、半日結び、一日結び、三日結びと時間が長くなればなるほど難しくなってくる。

自然に解ける様にするには結び方だけではなく、結びの強さや縛りつける物の硬さや湿度も重要になってくる。


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