7.ロイド会議 1
本日最終投稿です。
ーレイジー
ロイド君1歳。
そろそろ乳離れの時期だよ。ぐすん。
この地方の乳離れの方法ってちょっと辛い成分をぬったのを吸わせることで、
だんだん乳離れをしていくようにするみたいなんだけど、
あの安寧の地を失うくらいなら、辛いくらいなんぼのもんじゃって頑張ってたら、
最後は激辛になって、サーシャ母さんの肌も荒れちゃったから、さすがに諦めたぜ。
「第25回ロイド会議~」
あっ、ロイド会議ってのは、ロイド君をこの先どうやって成長させていくかを
俺たち二人で話し合う会議の事だぞ。
「さて、現状知識を蓄えていくしかないて言うのが前回までの会議のおさらいだけど、どういった知識を集めるかを今回の議題にしたいと思います。」
議長役のアキヒサが言う。
「やっぱり魔法の書物だろ!せっかく異世界に来たんだし。」
「それはもちろんそうだけど、まだ一般的な文字が読めるようになったくらいだし、魔法の書物を読むのは難しいんだよ。それにこのあたりの動植物なんかの知識も入れておかないと命の危機があるかもしれないし。」
確かに。一度死んだ身としては、危険予知に必要な知識は入れておきたいな。
「うー。でも、早めに魔法を覚えることで、魔力が上がったりとかするかもしれないだろ?」
「そ、それは確かにそうだけど…。この体の限界稼働時間考えたら、全部は無理だよ。」
意識的には17歳になってるけど肉体は1歳児だからな。体が強制的に眠りを求めるんだ。
読書にかけられる時間は5時間位かな。
「いっそまとめていっぺんに読めたらな…ってそれだ!」
俺は一つの策をアキヒサに話す。
「どうだ、アキヒサ読めてるか?」
「うん。ちょっと読みにくいけど慣れれば大丈夫だと思う。そっちは?」
「おう。大丈夫だ。それにいままでアキヒサが読書している間暇だったから新鮮でいいぜ。」
俺たちがやってるのはせっかく人格が2人分あるんだから、右目と左目それぞれで違う本を読めないかって事だ。最初のうちは字が浮き出るみたいに重なって気持ち悪かったけど、
やってるうちにそれぞれの本の文字が追えるようになったぜ。
どっちも魔法に関する書物を読みたいから、それは交代しながら読むことにする。
で、読んだ内容は共有スペースに来れば記憶として認識できるから2倍の時間をとれるようになったぜ。
副産物として、目玉を左右別々に動かせるようになって
タナー父さんをビビらせたのは別の話。
「で、こうやってチート作業を続けていくのはいいけどよ。おおもとの問題、人生プランはどうするよ?」
「うーん。異世界で生き残りたいってのは大前提だから違うかな。最強!とか大金持ち!とか?」
「それは手段であって、目標じゃないだろ。…アキヒサ君、僕らにはもっと切実な目標があるじゃあないか。」
「え?切実?なにかあったっけ?…ハッ!」
「よし。せーので行くぞ。せーの」
『女の子にもてたい!』
「せっかく異世界に転生できたんだし、いっそハーレムでも目指してみる?」
「うーん。俺としては一人の人を愛したいんだが、しかしハーレムか。悪くはないな。」
「だよね。そのために強くなるってのはありじゃない?」
「だな。ドラゴンに襲われるお姫様を助ける俺。ベタすぎるけど、そういうの結構好きだ。」
上の上まで行かなくても、上の中くらいになりたい。
「母さん位の美人さんを嫁に出来たら最高だよね。」
「まあ、同年代が乳幼児だから、今お嫁さんにしたいランキング第一位ではあるよな。」
「なんで異世界って美男美女が多いんだろ?」
「ちゃんと神様とかそんな存在がいるからじゃねーか?それこそ魔法で何とかしてたり。」
「あー。そんな感じかも。」
「何にしてもスタートダッシュは重要だ。頑張っていこうぜ。」
「うん!美人のお嫁さんの為なら何でもするよ!」
俺たちの未来は明るいものになりそうだと感じることができた、そんな昼下がりだった。
ちょっとしたチートを始めました。
明日も投稿予定。お付き合い下されば幸いです。