4.合体転生 1
昨日の今日でブックマーク登録いただきました。すごくうれしいです!
ーレイジー
『いやー。すまないねぇ二人とも』
頭の中に管理人さんの声が響く。
「どうなってるんですか!?管理人さん。なんだか体が動かないんですけど!?
ってか誰かいる!おまえ誰!?」
見た目同い年くらいの奴が隣に立ってた。
「え、君誰?」
ちょっとおとなしそうだけど、相手もなんだかイラついている様子。
『あーすまない。事務課のミスで、君たち二人同じ体に転生させちゃった。テヘッ』
「エーーー!」
『で、アキヒサ君が上半身担当。レイジクンが下半身担当ね。』
「いやいや、意味がわからない。えっ。下半身担当ってなんですか!?管理人さん!?」
『いやー。本当に済まない。他の管理者とブッキングするなんて今までなかったんだけどねぇ。事務課の連中にはよく言っとくよ。今後はこんなことが無いように前向きに善処するよう検討します。』
それって動かないって言ってるんじゃ…。
『それに一度生まれてしまった以上、やり直しは効かないのよ。申し訳ないけどその体で一生をすごしてもらうよ。それにしても、レイジ君生後一日目から笑わせてくれるねぇ。やっぱり君に目をつけて正解だった。』
いやいや、あなたのミスでしょう!なんで嬉しそうなんですか!?
『言ったじゃない?わたくしレイジ君が気に入りましたって。わたくしはあなたがどうやって生きていくか見るのが楽しみで転生させたんだから。結果オーライってやつ?』
うーわ。腹立つ。
『そんなに怒らないでよ~。さすがに悪いと思っているから五感だけは共有にしてあげるから。でも、さっき言った通り、基本的にお互いがお互いの意思でしか体を動かせないよ?」
うっ。それならまあ、こちらは生き返らせてもらった身だし。
『それに最初に説明したように裕福な家に生まれたから、割と勝ち組人生だよ?開き直って楽しんだほうが良いって!』
…そーだよな。それに今の時点での知力もあるし、やり方次第じゃすごい人生歩めそうかも!
『そうそう。単純(笑)。まだ生後一日だし。これからいいことあるって。』
なんか言われた気がするけど、セカンドライフ始めてみますか!
ーアキヒサー
『アキヒサく~ンごめんね~。』
頭の中に管理人さんのゆるい声が響く。
この場にいるのは僕と管理人さんともう一人。
「えっ君誰?」
「お前誰!?」
なんだか同じ年くらいの活発そうな人が喚いてた。
『ごめんね~。事務方の~手違いで~。二人をおんなじ体に転生させちゃいました~。メンゴ!』
「えーーーー!?」
『事務方にはよく言っとくから~。…ほんっとにあの連中、給湯室でワタクシの事「お局様」っていってんのバレてんだぞ!ろくに仕事しない癖に課長に取り入るのだけは上手いんだから。今度ヒールに猫のションベン仕込んでやる!…ハッ。ほんと~困っちゃうね~。プンプン。』
なんだか管理人さんから黒いオーラが出てる。言葉遣いも変わってるし。
『うっ。は話がそれちゃったね~。で、一度生まれた以上、もうやり直しは効かないの~。それじゃああんまりだから~。五感だけは共有させてあげる~。』
いや、あげるってそっちのミスなのに。
『と~に~か~く~。もうやり直しは効かないのっ!でもでも最初に言った通り、裕福な家の子だから勝ち組人生だぞ~。やったね><。』
なんか逆切れ気味に言われてしまった。まあ、こっちは生き返らせてもらった身だし、しかたないのか。
『(おっしちょろい!)それに~まだ生後1日目なんだから~。案外悪くないかもよ~?』
確かに、始める前から文句を言ってても始まらないよね。
『そうそう。ワタクシも君のことは見守ってるから~。ガンバ!』
そう言って、管理人さんは消えていった。
ようやく本編。読んでいただきありがとうございます。すごく励みになりました。